チートスキルは存在しました。

千歳

2話 スタート地点

さてスタート地点。


これさえ分からなければなにも始まらない。
俺のターンがこなくなる。
何か目安になるものがあれば・・・。


ん?目安?・・・


「あるじゃん!!・・・痛っ!」


考えだしてからまぁまぁの時間が経っていて、流石に喉が渇いたと
冷蔵庫を漁っていた所に急に立ち上がったものだから変な所に足の小指をぶつけてしまった。


「あぁ痛えぇ。・・・そうそう熟練度があるじゃん」


そう、熟練度。
説明では確か熟練度は「移動した分数にて上昇」って書いてあった。
これを確認しつつ時間経過にて熟練度が上昇するのであれば容易に見つかるはずだ。


だいたいの推測が「家の中」、「自分の指定した任意の場所」になる。
他の推測場所はもちろんあるが、説明が着くとなると2つになる。


もし「ステータスを初回確認した場所」になると、
家にいるだけで熟練度が上昇する事になってしまう。
でもそれは流石に有り得ない。
その理由は、もう既に帰宅してから数十分か経っている。
なのにも関わらず熟練度が上昇していないという事はそういう事なのだろう。


となれば現段階で熟練度が上昇していない場所がまず一つの説明。
そして他の場所を任意で設定して家にて待機して居れば
自動的にスキルが上昇するという希望的観測が二つ目の説明になる。
まぁ二つ目は説明とは言わないのだが・・・。


そうと分かれば即行動!
まずはドアを開けて一歩前進!
そのままステータスを開いて一分待つ。



・・
・・・


よっしゃ!!
まず一つ目の説明は希望通りだ!!
次は希望的観測を検証!!
今度は玄関を一歩出た所を任意で指定!!
ここがスタート地点ここがスタート地点ここがスタート地点
ぐぬぬぐぬぬぐぬぬ
よし!多分!多分だけど指定完了!
家に入ってさっきと同じくステータスを確認!



・・
・・・


おおっ!上手くいった!やったぞ!!!
これでどこでも指定すれば自動的にスキルが上昇していくぞ!


でもこれって指定先は削除できるのか?
あらら?これはまた検証だな?
よし、次だ!!


次の検証は、まず場所指定の削除!
ここじゃないここじゃないここじゃない
ふんぬふんぬふんぬ
よし!ちょっと先の公園まで行こう。


この公園をスタート地点!
少し戻って自動販売機で待機してよう。
ステータスを開いて確認。



・・
・・・


よっしゃあ!!!
これでスキルの使用方法は完璧だ!!!
よし、そのまま公園をスタート地点に指定しておこう。
これで家に居ても熟練度を稼げるぞ。
まずここまでの熟練度は5。多分端数とかの計算もされているんだろう。
玄関先で一分二十秒とか、公園で一分四十秒とか多分そこら辺。
だから現段階の熟練度は5。


よし、このまま一週間くらい様子見してみようか。

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