最強魔法戦士は戦わない ~加藤優はチートな能力をもらったけど、できるだけ穏便に過ごしたいんだあ~
第152話 【ヤライの防衛強化2】
<<ルソン視点>>
カトウ公爵家のリビングでハーブティーと呼ばれる飲み物を頂いた。
特殊な薬草からお茶を抽出したものらしい。
内臓を正常に整えたり、精神を落ち着かせる効果があるらしい。
味も匂いも悪くない。
これは商売になるだろう。
「ルソン殿、今からヤライまで行きましょう。」
「今から……ですか?」
今から行くって言っても船の手配だけでも半月はかかるだろう。
「そうです、すぐですよ。
さあ行きましょう。」
カトウ公爵の強引な誘いに引かれるようにわたしは地下室に連れて行かれた。
眩しい光が治ると、先程とは全く違うところにいる。
いや地下室は地下室だが、別の場所だ。
「ルソン殿。」
声に振り返ると、そこにはカーン殿がいた。
「カーン殿、ルソン殿を連れて来ました。
ルソン殿への説明と、ヤコブ族とのことよろしくお願いします。」
カトウ公爵はそう言うと、また発生した光の中に飲み込まれていった。
「ルソン殿、これは一体?」
「さあ、わたしにも何がなんやら。」
お互い顔を見合わせるも分からないものは分からない。
「カーン殿、とりあえず、現状について詳しく説明願えますか?」
「ああ、そうだな。
実は、2ヶ月ほど前に父上のマース殿が危篤との情報が入ってきたんだ。
俺はロンドーとスパ二との関係悪化のせいでどうしても見舞いに行けなかったから、娘のデカに行かせたのだが、既にお前の兄弟が争っていて、マース殿にも会えず終いだったそうだ。
マース殿の現在の状況は残念ながら不明だ。」
「分かりました。わたしが行って争いを止めてきます。」
「悪いな。」
「いえ、うちのお家事情ですからね。
では。」
わたしは、ヤライを出てヤコブに向かった。
<<カーン視点>>
「リーン」
ルソン殿が出て行ってすぐに、マサル殿が置いていった魔道具から音が鳴った。
「マサルです。カーン殿きこえますか?
…………
あっ、操作方法をせつめいしていなかったっけ。
右上の丸いボタンを押しながら話してみて下さい。」
右上の丸いボタン?
あっ、あった。
「マサル殿か、聞こえるぞ。」
「カーン殿、デカさんを襲った奴等はやはりスパ二族でした。
昨日、デカさんを保護した近くで、わたしの息子が襲われましたが、逆に捕獲に成功しました。
やはり、デカさんを捕虜にし、交渉を有利に進めようとした模様です。
ただ、残念ながらデカさん以外の方は、…………」
「マサル殿、ありがとうございます。
伴の者達は残念ですが、それはこちらで対応致します。」
「分かりました。よろしくお願いします。
それでは、防衛ラインを作るための魔道具を持ってそちらに行きます。」
しばらくして、地下室は白い光に包まれた。
光が消えると、そこにはマサル殿とデカ、そして2人の子供がいた。
「お父様!」
デカがわたしの顔を見るなり泣きついて来た。
「ご、ごめんなさい。ひっひっく、わっ、わたしのために皆んな死んじゃった。」
わたしは優しくデカを抱きしめてやることしか出来なかった。
こんな時、妻のデラがいたらどうしただろうか?
デカは、一頻り泣いて、やがてわたしの胸を離れて、涙を拭った。
「ごめんなさい。もう大丈夫だから。
皆んなの家にはわたしが廻って説明するわ。」
「「デカお姉ちゃん。頑張ってね。」」
「ありがとう。ランス君、イリヤちゃん。」
「デカ、この子達は?」
「カトウ公爵様の御子息とご令嬢です。」
「カーン殿、わたしの息子のランスと娘のイリヤです。
今回は、防衛ラインの構築を手伝いに来てくれました。」
「マサル殿、御子息というとスパ二の間者を逆手にとったという。……」
「そうです。ランスが早朝に通学する途中で襲われ、逆に捕まえました。
今はうちの屋敷の牢に閉じ込めてあります。」
「失礼だが、まだ幼く見えるのだが?」
「僕もイリヤもまだ8歳です。」
「お父様、ランス君達はわたし達の想像以上に大人だし、我がヤライ族の戦士よりもかなり強いですよ。」
にわかには信じられないが、こんなことで嘘をつく理由がない。
「カーン殿、早速防衛ラインの強化について、打ち合わせをしませんか。」
カトウ公爵家のリビングでハーブティーと呼ばれる飲み物を頂いた。
特殊な薬草からお茶を抽出したものらしい。
内臓を正常に整えたり、精神を落ち着かせる効果があるらしい。
味も匂いも悪くない。
これは商売になるだろう。
「ルソン殿、今からヤライまで行きましょう。」
「今から……ですか?」
今から行くって言っても船の手配だけでも半月はかかるだろう。
「そうです、すぐですよ。
さあ行きましょう。」
カトウ公爵の強引な誘いに引かれるようにわたしは地下室に連れて行かれた。
眩しい光が治ると、先程とは全く違うところにいる。
いや地下室は地下室だが、別の場所だ。
「ルソン殿。」
声に振り返ると、そこにはカーン殿がいた。
「カーン殿、ルソン殿を連れて来ました。
ルソン殿への説明と、ヤコブ族とのことよろしくお願いします。」
カトウ公爵はそう言うと、また発生した光の中に飲み込まれていった。
「ルソン殿、これは一体?」
「さあ、わたしにも何がなんやら。」
お互い顔を見合わせるも分からないものは分からない。
「カーン殿、とりあえず、現状について詳しく説明願えますか?」
「ああ、そうだな。
実は、2ヶ月ほど前に父上のマース殿が危篤との情報が入ってきたんだ。
俺はロンドーとスパ二との関係悪化のせいでどうしても見舞いに行けなかったから、娘のデカに行かせたのだが、既にお前の兄弟が争っていて、マース殿にも会えず終いだったそうだ。
マース殿の現在の状況は残念ながら不明だ。」
「分かりました。わたしが行って争いを止めてきます。」
「悪いな。」
「いえ、うちのお家事情ですからね。
では。」
わたしは、ヤライを出てヤコブに向かった。
<<カーン視点>>
「リーン」
ルソン殿が出て行ってすぐに、マサル殿が置いていった魔道具から音が鳴った。
「マサルです。カーン殿きこえますか?
…………
あっ、操作方法をせつめいしていなかったっけ。
右上の丸いボタンを押しながら話してみて下さい。」
右上の丸いボタン?
あっ、あった。
「マサル殿か、聞こえるぞ。」
「カーン殿、デカさんを襲った奴等はやはりスパ二族でした。
昨日、デカさんを保護した近くで、わたしの息子が襲われましたが、逆に捕獲に成功しました。
やはり、デカさんを捕虜にし、交渉を有利に進めようとした模様です。
ただ、残念ながらデカさん以外の方は、…………」
「マサル殿、ありがとうございます。
伴の者達は残念ですが、それはこちらで対応致します。」
「分かりました。よろしくお願いします。
それでは、防衛ラインを作るための魔道具を持ってそちらに行きます。」
しばらくして、地下室は白い光に包まれた。
光が消えると、そこにはマサル殿とデカ、そして2人の子供がいた。
「お父様!」
デカがわたしの顔を見るなり泣きついて来た。
「ご、ごめんなさい。ひっひっく、わっ、わたしのために皆んな死んじゃった。」
わたしは優しくデカを抱きしめてやることしか出来なかった。
こんな時、妻のデラがいたらどうしただろうか?
デカは、一頻り泣いて、やがてわたしの胸を離れて、涙を拭った。
「ごめんなさい。もう大丈夫だから。
皆んなの家にはわたしが廻って説明するわ。」
「「デカお姉ちゃん。頑張ってね。」」
「ありがとう。ランス君、イリヤちゃん。」
「デカ、この子達は?」
「カトウ公爵様の御子息とご令嬢です。」
「カーン殿、わたしの息子のランスと娘のイリヤです。
今回は、防衛ラインの構築を手伝いに来てくれました。」
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「そうです。ランスが早朝に通学する途中で襲われ、逆に捕まえました。
今はうちの屋敷の牢に閉じ込めてあります。」
「失礼だが、まだ幼く見えるのだが?」
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