第430話　行方不明の”黒い奴”

「２か月って言った？」

「ええ・・・・ダンジョンへ行くといって、パーティメンバーで出かけたきり、戻ってきてないんです・・・・」

俺は何だか・・・・確認してみよう・・・・俺はこの場に集まった・・・女性ばかりだな・・・・それも子連れ及び妊婦さんばっか・・・・

「あのさあ、別にどうこうはしないから、正直に答えてほしいんだが・・・・君達の子の父親は・・・・”黒い奴”なのか？」

皆周りを見ながら固まっている。

「別に答えなくてもいいけど・・・・」

そんな中、この中でもルックスのいい女性が５人程・・・・固まっていて、その内の一人が挙手をして、発言を求める。

「あ、何だったかな？」


「えっと・・・・この５人は、全員本白水です。彼の妻になりました。」

・・・・あいつ、美人ばっか妻にしてんじゃねえかよ・・・・しかもぱっと見胸がデカそうだ・・・・

「あーもしかしたらあいつも行方不明？」

「そうなんです。一応、お金は私達、手持ちにはあるのですが・・・・」

「・・・・この場の皆も、金は今あるんだな？暫くはそれで暮らしていけるのか？」

「はい・・・切り詰めれば数年いけます。」

「そうか・・・まあそれは今はいい。問題は・・・・黒い奴の行方だな。何処のダンジョンに行くって言ってたか？」

「はい・・・・クチタ領の・・・・ビクトルダンジョンとか言ってました。」

・・・・はあ・・・・行方不明と言っている割に・・・・あそこは、その気になれば何日も暮らせるからなあ・・・・


「あーわかった・・・・一度探してみるよ。２か月もダンジョン籠ってるのか？全く・・・・」

この後は、困っていること、今後の希望等を話し合ったが・・・・

俺的にはもうどうでもよくなった・・・・今後は誰かに完全に管理を任せるか・・・・？
そして、マウリシオさんには、ここにずっといてもらうのは、あまりにも、もったいないな・・・・
誰か出来そうな奴いるよ？そいつらに・・・・


確か面接でそう言った奴らが数人いたよな？もうずいぶん前だから忘れたけど？

取り敢えず、黒い奴の行方を確認してから、また話をするという事にして、解散した。

そして、マウリシオさんに話をする。

「マウリシオさん、あなたはこの館じゃないといけませんか？もしこだわりが無いのであれば・・・・私の領地の館、あそこの管理をお願いしたいのですよ。」


「なんと！宜しいのですか？このような老骨を。」

「確かにマウリシオさんは中々の年齢ですが、信用・信頼というのが一番大事だと思っています。俺的にはマウリシオさん以上に信用して任せる事の出来る人を知りません。それと、以前確か数名有望な若者がいましたよね？彼らはどうなりましたか？」


「ああ、彼等は、離れや、別の場所で働いてもらってますよ。経験を積まない事にはどうにもなりませんからな、この仕事は。２名ほど、そして一番有能なのは手元で教えております。」

ちゃんと教えてくれてるのか、よかった・・・・

「しかしながら、一人前になるには、あと２年ほど時間が欲しい所ですな。」

そんなにかかる？