女神のチョンボで大変な事に

よっしい

第223話 伯爵の招待

この交渉相手が言うには、貴族全般に言えるが、伯爵家には当然嫡男がおり、補佐として次男が付き、その後三男、四男等々が兄の手助けを行うようなのだが・・・・

実績欲しさに、エウトロピオ・・・伯爵の三男・・・・が自ら今回の交渉を買って出て、伯爵が了承したという事らしい。だが、実際には上手くいかないだろうと予想していたようで、息子が失敗するのを前提に、今回の目の前の人物に、お守り兼交渉役をさせたらしい。

結局伯爵の息子は、マウリシオさんに上手く相手をしてもらっており、その間にこの人物と、色々話をしておこうと。

結局、伯爵の所へ会いに行く事になった。
これからもティンドールで色々したいが、領主と揉めるとか、一発退場になりそうだしな・・・・

・・・・
・・・
・・


その日のうちに、会いに行く事になった。
最初から、すぐ連れてきてほしいと命令されていたようだ。

一体どんな人物なのだろう?

何かあると困るので、あえて俺一人で向かう事にした。

馬車に揺られ、比較的短い時間で到着した。

そりゃあ領地だしなあ。


到着後、案内を伴い伯爵の館に入る俺。
流石に立派な建物だなあ。

そして・・・・客間?に通される。

暫く待っていると・・・・

「君が口田君かね!すまないなあ、呼びつけてしまったようで。」

と気さくに話しかけてくるちょい悪親父。

「えっと・・・・」

「おお、すまんな!自己紹介がまだだったな。ティンドールを治めておるプラシド・ネグロン・イ・ゴディネスだ。一応伯爵だ。」

気さくに喋るなこの人。

「これはどうも、口田士門です。」

「そうか、だが、うちのバカ息子が粗相をしたのではないか?」

「あれぐらい、かわいいもんですよ?」

俺はそう切り返す。

「そうか・・・・まあ、あのバカ息子には、しっかり言い聞かせておくよ。」

・・・・
・・・
・・



この後、色々話をした。
どこまで話していいものかわからず、当たり障りのない話をしていたが、
伯爵さまが・・・・

「いい物が色々あると、ミゲルから聞いておってな。何か美味しいものはないか?」

と聞いてくる。

「それですと・・・・お酒はどうでしょう?」

と返すと、

「ほう・・・・良い酒があるのか?」

「口に合うかどうかわかりませんが・・・・」

缶ビールは怪しさ満点なので、瓶に入っているワインとウイスキーを出してみる。


俺を疑う事なく、どんどん飲む伯爵さま。

「何じゃこれは・・・・味わった事のない味じゃ。深い味わいじゃのう・・・・それよりも・・・・だ、何だこの入れ物は?」

ウイスキーの瓶を見ている。
ああ・・・・ちょっと凝ってるからなあ。

あ・・・・そうだ・・・・江戸切子を出してみるか?いや・・・・面倒な事になりそうだからなあ?もっとこの人物を知ってからだな・・・・

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