45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしい

第572話 ドワーフと女

「これは・・・・どうしたらいいんだ?」
誰とはなしに聞いてしまう。

おっさんと同じようにその場に固まっていたジスラン君だが・・・・
「これはチャンスですよ、公爵様。」
うん?何がチャンスなんだ?

「半ば賭けでしたが、どうやらドワーフの職人、こちらで用意した女性に夢中のようです。」
・・・・半分は酒じゃね?

「マスター、よろしいのですか?何やら絵的に段々と辛くなってきましたわ?」
秘書さん精霊も意見してくれるんだが・・・・
ここはひとつ・・・・

「おい!ちょっと待て!」
おっさん可能なかぎりの大声でその場で叫んだよ。

親方が
「あ?何を待つんだ?」

あんた2人侍らせてるのかよ・・・・

「おいドワーフども!今からいう事をよく聞くんだ!」
途端にざわつく。
「あんたらは一体ここに何をしに来たんだ?」

「酒を飲みに来たに決まってるじゃねえか!」
「つうかこんな立派な女を俺らにあてがったんだ、察しろよ!」

う・・・・ドワーフにとってのいい女の基準は、立派?立派な・・・・体型?まあ今は置いとこう。

「違うだろう!あんたらはな!ここに誰にも真似のできない、オンリーワンの炉を造りに来たんだ!」

「あ?そんな事ぐれえ分かってるわボケ!」
「まずは酒だ、仕事の話は明日にしろ!」
・・・・駄目だ完全に出来上がってる。
だが・・・・これではいけない。
「いいか、酒はいい。だが・・・・あんたらはこの女性が気に入ったんじゃないのか?だがな、ここにる女性は、あんたらのその酒飲みの姿しか見ていない!そんなんで女が惚れると思うか?男なら・・・・ドワーフなら、わかるだろう!(いやさっぱりわからん・・・・ちなみに今、秘書さん精霊がおっさんに触れて、頭にアドバイスしてくれてるんだよ。)立派な炉を造って、できるドワーフとアピールしないと、女はやってこないぜ?」

・・・・いいのかこんなので?
《なあ秘書さんや、ドワーフ接待している女性に、こちらの言う事伝えられる?》
《無論できますわ。下位の精霊に、私がお願いをすれば、ドワーフに気が付かれずにやり取りできますわ。》
・・・・全員に話しかけるか・・・・
《じゃあ、女性達、ドワーフと知り合ったばかりだからどうかと思うけど、もしドワーフに結婚してくれとか言われたら、結婚してもいいかどうか確認してほしい。無論、結婚したくない場合は、はっきりそう言ってほしいし、別に結婚してほしいと思ってる訳じゃないからね。だけど、もし結婚したいなら・・・・ちょっとドワーフに仕事をさせたくてね、結婚は炉ができた後に、と。もちろん、ドワーフ個人が求婚しないといけないが・・・・》
《概ね理解しましたわ。では、そのように女性の中に働きかけます。》

暫くして・・・・
《返事がきましたわ。驚いた事に全員、求められれば、結婚したい、だそうです。》
《そうなんだ?まあそういう気持ちならいいけど、何で?》
《彼女らは、自身の体型をよく知っています。男受けしない体型、ごついので普通の男はまず近寄ってこない・・・・ですが、ドワーフは彼女らを魅力あふれる立派な女性とはっきり言ったようですわ。今までこんな事がなかったので・・・・まあこんな感じですわ。》
《じゃあな・・・・悪いけど、おっさんが合図したら、ドワーフから離れてもらうように指示出しといて?彼女らの気持ちは理解した。だけど今のままじゃあお互いのためにならないしね。それに、おっさん炉を造ってほしいからこの場に呼んだんだ。まずはその目的を達成させない事にはね。》

秘書さん精霊は理解したのか、彼女らに話を伝えたようだ。

「いいか、もう一度聞け!彼女らは一度、今から本来いるべき場所へ戻る!」
そう言って合図したら、ドワーフにくっついていた女性は皆ドワーフから離れた。もう、その潔さと言ったら・・・・
「あ!ちょ!ねーちゃんどこ行くんだ!」

親方がそんな阿呆な事を言う。
「いいか親方、この続きは炉を完成させてからだ!無論酒もだ!炉が完成したら酒も女も好き放題だぞ!!」

「ぐ・・・・手前いい根性してやがるぜ!さっきの言葉本当だろうな?炉が完成したらねーちゃん好き放題なんだな?」
「ああ、好き放題だ!(具体的にどう好き放題かまでは言ってない!しかも女と言ったがどの女とか言ってないしね・・・・)」

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