え?ボクが英雄?

よっしい

第102話 帝国の最後

「うひひ・・・・あっけなかったのう。」

あまり見たくはありませんが、皇帝だった人は、もうこの世に居ません。

ロキさんと目が合った瞬間、すべてが終わってしまったようです。

私も皇帝の顔を見ましたが・・・・酷い相をしていました。
まるで極悪人です。

相当ひどい事を命令し続けたのでしょうね。

そして、皇帝が死に、帝国も終わりがやってきました。

よく物語で、国が一夜にして滅んだ、というのを聞いたり読んだりしましたが、まさか自分がその当事者になって・・・・滅ぼす方ですが・・・・しまうとは・・・・思ってもみませんでした。

「ロキさん?一般の人には何もしないで下さいね?」

「ちょっとそれはわかんな?善良なる市民には手を出さないでおこう。だが・・・うひひ・・・・それ以外は・・・・ううひょおお!」

・・・・敢えてどうするかは聞きませんでしたが・・・・どうするつもりでしょう・・・・

・・・・
・・・
・・


お父様を中心とした独立解放軍?という何やら仰々しい名前になっているようですが、元ソーマカカ王国の国土をすごい勢いで奪還しています。

皇帝が・・・・皇帝以外の権力者も軒並みロキさんが粛清していたようで、遮るものはいません。

あっさりと奪還。

さらにはどさくさで帝国も手中に収めたようです。

・・・・ところで、誰が代表になるのでしょうね?

お父様?それとも・・・・王家の人は生き残りの方っていたのでしょうか?いるならその人を担ぎ上げるのでしょうか?

あ、確か第三王女が生きているとか何とか・・・・

まだ若いのでしょうね?留学中と言っていましたよね?確か。
結局合流できたのでしょうか?

あ・・・・もうあと数時間しかありませんね。

この時間が無くなる前にほぼ解決できてよかったですね。

私は自身にあてがわれた宿舎で休憩していると、お父様に呼び出しを受けました。何でしょうね?

「ちょっと来てくれ。」

今居る場所は、元々ソーマカカ王国のお城。
何処へ連れていくつもりなんでしょうね?

「さあ、ここだ、着いてきてくれ。」

・・・・えっと?この先はバルコニーですよね?何もないですよ?

そう思ったのですが・・・・

うわ・・・眩しいです・・・


私がバルコニーに現れた途端、強い日差しが目に入り、思わず手で隠し、なんとか眩しくない様にとするのですが・・・・

急にものすごい人々の歓声が聞こえてきます。

「救国の英雄だ!」

「英雄って言うからどんなのって思ったが・・・・まじ?別嬪さんじゃねえか!」

「あんなに小さいのに・・・・ほとんど一人で成し遂げたとか?」

「すげえ!そして・・・・祖国を救ってくれて、ありがとう!」

・・・・え?どういう事でしょう?

するとこっそりお父様が近付いてきて、

「民がお前を求めてるんだ。凄い事だぞ?」

「ええ・・・・そんなつもりはないのですが・・・・」

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