第52話　王族？が沢山いて困ってしまう

そう言えばワワラドナ王国の王族って、全く知らない。
今まで関わってこなかったから、まあ、素人も思わなかったけれど。

一生懸命諭してた。

うなだれる王子。

「失礼したヘルト卿。僕はこの国の王子で、ヘルブラントだ。以後お見知りおきを。」

「こんにちは　　おうじささま　　ぼく　　へると　　です　　きょうは　けんがくの　つもりで　　きたのですが　　いつのまにか　きょうから　　まなぶみたいです」

「うん？ヘルト卿は異国の出か？まあ出自はどうでもよいが、ここに来たからには、国の未来を背負う人材になってもらわねばならぬ。互いに切磋琢磨しようではないか。」

そうかっこよく言ってたけれど、でも僕は見た。背後から僕と同じか、もう少し年上の女性がこっそりやってきて、手にしていた何かでそう、スパッと王子の頭をはたいたのだ。

うわ・・・・痛そう。

「いたた・・・・誰だって何だ、誰かと思えばファネッサではないか。いきなり何をする！」

「何をではありません、兄さま。見ず知らずの子供にいきなり剣を向けるとは、騎士の風上にも置けませんね。」

「な！人の頭をはたいておいて、言うに事欠いて、それか！」

「はあ・・・仕方ありませんね。これは失礼、ヘルト卿？わたくし、ファネッサと申しますわ。兄さまとは腹違いの妹ですわ。」

「ぼく　へると　　こっちのは　ふぇん　　」

「フェンだよ！」

フェンはそう言えば、言葉に不便がなさそう。何故？

「・・・・そう、フェンちゃんよろしくね！」

さらに後ろから、女の子？が。

「まあ可愛らしい事。どうかしたの？」

「ねえ聞いてよメヒテルト、また兄さまがバカやったのよ？」

「はあ・・・・ファネッサはヘルブラント様にいつもお厳しいのね。仲がいいのは羨ましいけれど。」

「な！そんなんじゃないってば。」

「フフ。そう言う事にしておきましょうか。あ、申し遅れました。わたくしメヒテルト　と申しますわ。よろしくね、小さな人たち。」

何だか微妙。

その後何だかんだと話しかけられ、授業が始まると去っていくまで、ずっと話かけられちゃった。

「それではヘルト卿、失礼する。この埋め合わせは、必ず後日。」

はあ、疲れちゃった。僕、あれだけの人に一度に話しかけられるの、慣れてないんだよ。

「ごめんなさいね、あの人たちは、今後のこの国を担う王族の方々。この学院は王国随一の教育機関であると同時に、王族の学ぶ場でもありますのよ。」

まだたくさんの王族が学んでいるらしい。

この国の王様、御年７0を超えており、息子だけでも3人健在で、今ここに居る王族は、さらにその3人の子供らしく、最初に話しかけ？てたのが王太子の長男。いずれこの国の王様になる筈の人物みたい。

そして、次に話しかけてきたのが、その王子さまの腹違いの妹さんみたい。

王族ともなれば、側室とか沢山いるみたいで、大変そう、色々と。

で、その3人の息子さんたちの子供は、まだまだたくさんここで学んでいるんだって？

こうやってまた話しかけれれるんだろうか？

名前覚えられるかなあ？