え?ボクが英雄?

よっしい

第47話 貴族と言っても、位は一番下だって?

「あらごめんなさいね。ヘルト卿は何故、ドラゴンを討伐したからと言って貴族なのかを知りたいのですね。」

「うんそう。僕この国の仕組みとか、ほとんど知らないし、いきなりヘルト卿と言われても、何が何だか分からないんだ。」

僕はわからない事をありのままに聞いてみた。

「そうね、まずはヘルト卿、あなたが授かった貴族の称号は、貴族と言っても一代限りの、一番下の位なの。」

別に一番下とかはどうでもいいけど、問題は何でそんなものを僕が貰わないといけないかって事。

「ヘルト卿の爵位は騎士爵、ナイトね。準貴族。本当の意味の貴族は、公・侯・伯・子・男の5つ。これらは親から子へ引き継がれる。ヘルト卿の場合は、自ら勝ち得た功績、戦績、活躍、国への貢献が認められた場合に叙勲されるものなのよ。」

功績?そんなのないよ?

「そんなたいそうな事してないんだけど。」

「いえ、ドラゴンの討伐、これは立派な戦績ですよ。別名竜殺し、ドラゴンスレイヤーですね。冒険者のあこがれ。王族も自らの箔を高めるのに挑んだりもするけれど。」

えー?殆どフェンのせいじゃないか?
僕はフェンを睨みつけると、

素知らぬ顔をされちゃった。

「あ、僕ほとんど何もしていないんですよ。ここに居る僕の従魔、フェンって言うんですけど、フェンがほとんど一人で相手していましたから。」

僕は何とか勘違いを止めてもらおうと教えたんだけど。

「あら?ヘルト卿はテイマーの事をあまり御存知ないかしら?」

「言ってる意味が分からないのですが。」

「今はテイマーについてはどうでもいいのだけど、そうね、従魔が倒した経験値は、主にも入るものなのよ。功績もね。」


じゃあフェンが色々魔物を仕留めたら、僕も倒したって事になっちゃうの?

「色々説明して頂き有難うございます。一応、話はある程度理解しましたが、ヘルト卿というのは勘弁してほしいです。」

「あら?でもねえ、決まりなのよ。」

一体どのような決まりなんだろう?

「貴族のお話はもういいかしら?今はヘルト卿の学院への入校の話です。ヘルト卿の今後の為にも、一度学院で学んだほうがいいのですが。」

「あの、僕の希望聞いてましたか?」

「大丈夫ですよ。ちゃんと聞いてます。学院には少人数のクラスもありますから、何とかやっていけます。」

うーん・・・・不安しかないのだけれど大丈夫なのかな?

この後色々細かいお話があったけれど、2人の熱意に押され、一度学院に行ってみる事になっちゃった。

魔法を学べるのはいい事なんだろうけど、僕に果たして学院で学べるだけの語学力があるかな?
人とのおつきあいも自信がないし。

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