え?ボクが英雄?

よっしい

第44話 ギルドからの呼び出し

ありゃりゃ、結局鎧じゃなく、服になっちゃったね。

でも、体にぴったりだし、動きやすいし、それと、暫く着て見過ごしてみてわかった事があるんだけど。

まず1つ目は蒸れないんだ。

鱗だからね、もしかして蒸れ蒸れになっちゃうんじゃないかって思ったけど、快適。

2つ目は温度調節?暑くないし、寒くない。ちょうどいいんだ。
何故か知らないけれど、もしかしてドラゴンってそういう生き物だったのかなあ?

3つ目

汚れないんだ。
臭いもつかないんだよ。この鱗の服着ていると汗かかないし、だからなのかなあ?

僕はこの1カ月の間、色々な服を作ったんだ。
自分で着るのもそうだけど、男性用のおしゃれ着?女性用のも作ってみました。

後は街を歩く人を参考に、格式ある服装や、ドレスも。

でもドラゴンの鱗だから、そんなに沢山は作らなかったけれど、途中からちょっと気が付いた事があって、一着仕立てるるのにかかる時間が凄く短くなる方法があって。もはや仕立てるとは言わないかな。

手袋を作ろうと思って気が付いたんだけど、布に手を置いて、ぐるっと巻いて、
このまま手にぴったりに、ならないかなあ?

そう念じたら、あら不思議。手に凄くなじむ手袋が出来上がってて。もう驚いちゃった。

これはもしかして?と思って反対の手でも同じ事をしたら、やっぱり出来上がっちゃったんだ。

これってスキルなのかな?

これで靴も作ったんだけど、凄くって。

靴の底は、ドラゴンの鱗をそのまま利用して、滑りにくくしたんだ。

やっぱり蒸れないし、靴の中のあの臭いもしないし。



そうやって1ヶ月を過ごしていた頃、久しぶりに街へ向かい、リリアナさんの所へ顔を出しに行ったら、冒険者ギルドが僕を探していると聞いて。

えっと何か約束してたかな?

人の姿のフェンを伴い、冒険者ギルドの建物の中へ入ると、

「あ、ヘルトさん、待ってたんですよ?今お時間いいかしら?ちょっとお話というか、お知らせがあるんですよ。」

お姉さんがそう言うんだけど。ちょっと身構えちゃう。

お知らせって何かな?

「もしよかったら、そこの小さな人も一緒に、奥のお部屋へ来てもらえないかしら?」

「なにか  わるいこと した?」
「まさかまさか!どちらかと言えば、いい事ですよ?ここではちょっとなので。」

お姉さんを信じるしかないのかな?

「マスター大丈夫だよ!フェンが守ってあげる!それにその服着ていたら、たぶん大丈夫だと思うよ?」

そうだった。この外見に惑わされちゃうけど、フェンはフェンリルだから、強いんだよね?

あまり人間の姿の時の強さが分からないけれど。

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