え?ボクが英雄?

よっしい

第31話 ダンジョンは大混乱に

フェンが遠吠え?をしている。

周りの冒険者たちは、何事かと皆此方を見ているみたい。

「おい、何かやべーぜ!さっさとずらかろうぜ!」

「おう!これ持って街でうっぱらえば、大金持ちだぜ!今日はついてる!」

そう言って僕を殴り飛ばし、ああ、フェンの毛皮を持ってかないで・・・僕は気を失った。



そうしてどれだけ時間が経ったのかわからないけど、どうやらフェンが僕の頭を舐めてくれているよう。

あ、結構血が出てる。

そして、どうやら居合わせた冒険者の人たちが、回復の水で僕を治療してくれていたようで・・・・って、あ、ボス部屋の向こうで助けた人たちだ。戻ってたのね。

そして、フェンが一生懸命僕を護ってくれてたようで、

「マスター、ごめんね、フェン、動けなかったよ。」

僕は何とか起き上がり、

「仕方ないよ。それより、フェン、大丈夫なの?」

「うん。あ、ちょっと荷物見てもいい?ほしいものがあるんだ。」

「いいよ、どうぞ。」
僕はカバンをフェンに差し出す。

フェンは一生懸命中を見ている。

のどが渇いたな・・・・ちょっと口の中が血の味がする。

そう思ったら、フェンが

「これ飲んで!」

器用に前足でコップを差し出してくる。

ちょっとフェンの血が入っちゃってるけど、折角だから、飲む。

ほんのりと血の味がするけど、回復の水だね。


「フェン、ありがとう。」


「いいよ!あ、あった。ちょっとこれ頂戴ね!少し離れていい?」

「あまり遠くへ行っちゃ駄目だよ!」」


「うん、わかったよ!」

フェンは何か銜えて別の所へ行ってしまった。


で、冒険者の会話が聞こえる。
凄く沢山の冒険者が集まっているようだ。


「おい、あいつらって例のどうしようもない連中だろ?何だってこんなところであんな愚かな事を!」

「あれかなりやばいんじゃないの?フェンリルの皮でしょ?何て事をしてくれたのかしら?」

「それより、フェンリル、仲間を呼んだんじゃないのか?早く皮を取り戻さないと、ダンジョンはおろか、あいつらが向かった街が危ないんじゃないか?」

皆顔が青ざめているみたい。


そして、そんな中冒険者の人が僕に話しかけてくる。あ、あのお姉さんだ。

「小さな英雄さん、ちょっと聞いてもいいかな?」

「なに ですか?」

「あのフェンリルだけど、まだ子供よね?さっき仲間を呼んだみたいだけど、何を呼んだか分かる?」

えっと・・・・さっきの遠吠え?フェンがいないから分からないけど・・・・

「おや よんだ と  おもう。」

「親って何かな?」

「もり の おく に すんでる  あんぐるほざ はは ろき  ちち  ろき は  あったこと ない  あんぐるほざ たすけた 」

「おい!ちょーやべーじゃん!よりにもよってアングルホザ!SS級の魔獣じゃねえか!」

「あいつ等とんでもない事しやがって!」

「ごめんね小さな英雄さん。もしその母親が来たら、何とか街を破壊しないでほしいってお願いできないかしら?」


え?アングルホザさん街を破壊するの?ちょっと嫌だなあ。

「はなし  してみる」

そうして話をしていたら、フェンが声をかけてきた?

「マスター!終わったよ!」

そこには僕より少し小さな子供が立っていた。
君だあれ?

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