え?ボクが英雄?

よっしい

第28話 先に行く事に

他にも怪我をした人がいたけど、お姉さんほどの重傷じゃなかったみたいで、後は自分たちでなんとかできるという事だったので、僕達は先を行く事に。

「ねえ、本当にお礼はいいのかしら?」

怪我が治ったお姉さん姉さんがそう聞いてくるけど、別ににお礼が欲しかったわけじゃないし
気にしなくていいよと言って別れた。

「折角だからもう少し進んでみようか?」

僕はフェンにそう聞いてみると、

「マスターがそう言うなら、いいよ!」

と元気よく返事が返ってきた。」

さらに進んでみるけど、魔物が現れない。

やっぱりおかしいなあ?何でだろう?

そう思っていると、僕達が進んでいる先に冒険者が魔物と戦っている所が見えたけど、魔物が急に逃げ出した。
あれ?何で逃げたのだろう?

「助かった・・・・」

「どうしたんでしょうね、急に魔物が逃げ出すなんて。」

戦っていた冒険者たちがつぶやくのが聞こえる。

僕何もしてないよ?

そうだよね、フェン?

「どう突っ込んだらいいのかわからないよ?」

「え?何かわかるの?」

「だってフェンはフェンリルだよ?たいていの魔物は怖くて逃げだすんじゃないかな?」

え・・・・そうなの?フェンってそんなに凄いの?

じゃあ、このまま進んでも、ボス部屋以外の魔物は僕達から逃げちゃうの?

「まあマスター、中にはフェンが来たからって逃げない魔物もいると思うよ?」

あ、あまり慰めになってないよ、フェン。

一応、次のボス部屋までは行ってみようか?

「次の部屋は僕から入るからね?」

「マスター、分かったよ!」

本当だろうか・・・・またドラゴンとか、勘弁してほしいらね。

フェンを信じて前に進むけど、やっぱり魔物は現れない。

途中何度か冒険者と魔物の戦闘を見かけたけど、魔物はフェンを認識したらすぐに逃げちゃった。

助かったと喜ぶ冒険者もいれば、何で逃げるんだよ!って怒る冒険者もいて。

うーん・・・・今後は考えないといけないなあ。

暫らく進んでいると、ボス部屋らしきドアが見える。
閉まってるって事は、誰かが戦ってるんだな。

まあ、終わるまで待つほかないから、暫く休憩だね。


そして、ついウトウトしかかった頃、ようやくドアが開いた。

「マスター。ドア空いたよ?」

「あ、わかったよ。じゃあ僕から進むからね、ついてきてよ?」

僕はフェンに言い聞かせるように言葉をかけ、ドアの向こうへと進んでいった。

だけど、今度は様子がおかしい。

何だか武器や防具、道具が散乱してる。

折れた武器もあれば、壊れてない武器もあるし、穴の開いたボロボロの防具や、使ったと思われるポーションとか。

あ・・・・これはひょっとして、ボス部屋で冒険者が全滅しちゃった?

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