え?ボクが英雄?

よっしい

第21話 家の床は、草の敷物で

「どうぞ めしあがれ」

僕は土で作ったお皿と茶碗でおもてなしをしたんだけど・・・・

「え?何この器・・・・前王都で見た事があるけれど・・・・これ、高級食器よね?何でヘルトが持ってるの?」

あれ?食べないの?それに食器って・・・・自分でかまどで焼いたんだけど・・・・ただの土?

「じぶんで つち こねて  やいて  つくった」

「え?ヘルト食器作ったの?しかもこれって・・・・あ、その前のお腹すいちゃったから食べるね・・・・ってあまあいそれに・・・・ものすごく美味しいんだけど?あ・・・・・ちょっとお茶は苦いかも?だけど・・・・何これ?お茶菓子とものすごくあってるわね?!」

うんそうなんだ・・・・少しお茶は苦いけど、このお菓子の甘さを相性が良くって・・・・

「それに何この床?草を縫って作ったの?」

「ちち が むかし つくって まね した」

「そうなんだ!不思議なにおいがするね?草のにおい?」

「おちつく におい ぼく すき」

父はこの縫い付けた草の床をたーたみーと呼んでいたっけ?

昔住んでいた所で使っていたとかなんとか。

「それにこの・・・・剣?片方に刃があるの?変わった作りね?」

え?そうなの?父がこの・・・・かたーなをよく使っていたけど?

僕が使ってるのはわーきざーしという少し短めの・・・・ショートソードみたいなもの?

「ヘルトのその姿、持ってる物もそうだけど・・・・やっぱり異国の人なのかしら?」

素直に答えるべきかな・・・・?

「ごめんなさい むつかしい ことば  まだわからないこと  おおい」

ごまかしておこう。

「ちょっとリリアン、そんなにヘルト困らせちゃあ駄目じゃない?」

「ごめんごめんそうだね、ごめんねヘルト。」

「きにしない」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


おもてなしも終わり、街に帰る事になったのだけど・・・・

皆で外に出て、木で囲いをしている部分から出ると・・・・

目の前に、僕の腰の高さほどの魔獣?が座って此方を見ている。

か・・・・かわいい・・・・

くりくりな目。こちらを見つめるその瞳・・・・
駄目・・・・可愛すぎて耐えられない・・・・

僕はその魔獣?に近づこうとしたのだけど・・・・リリアンさん達の様子がおかしい。
魔獣を見て震えている。しかも武器を取り出して構えている。え?どうしたの?

「ふぇ・・・・フェンリルの子供・・・・何でこんなところに・・・・」

「今度こそ死んだ・・・・」

「人生最後に食べたのがあのお茶請け・・・美味しかったな・・・・」

何かおかしい?

僕は疑問に思いつつ、その魔獣に近づいていく。

「ヘルト駄目!それフェンリルだから!死ぬよ!」

「だいじょうぶ  しんぱいない」

僕はその魔獣に話しかける。

「前から僕を見ていた子だね?どうしたの?」

そう話しかけたら・・・・

【母を助けてほしいの】

うん?母を助けてほしい?僕が?

「どうしたの?」

【怪我をして、動けないの。】

「え?わかったよ、何処に居るのかな?」

【ついてきて】

「え?ヘルト!そのフェンリルの子供と話が通じてるの?」

「え うん  おかあさん たすけて  ほしいって」

「私達は遠慮しておくね・・・・」

そう?まあ仕方ないよね。僕が1人で行けばいい事だしね。

「わかった おくってから  この この  はは  たすける」

僕は皆を安全な所まで送って、引き返した。

          

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