完璧な辺境伯のお父様が大好きな令嬢は、今日も鈍感

蓮 怜

18、お父様は…

「ライマ!!」


ミゲルと別れた後にすぐにライマを見つけた。


「エミリア様!どこに行かれてたんですか?!」
「ライマのところに行こうと思ったんだけど迷子になっちゃって…」
「はぁ〜…とりあえず団長のところに行きますよ」


と言われてそのままお父様のところに連れて行かれる。お父様は相当私を探してくれてようで私を見るとギュッと私を抱きしめた。


「お、お父様…?」


深いため息をはいた後お父様は静かに言った。


「勝手にどこかに行ったらダメだといつも言っているだろう?」
「ごめんなさい」
「なんで勝手にいなくなったんだ?」
「ライマのところに行こうと思ったんだけど騎士団ぽい声が聞こえたのは国の騎士団でそこから迷子になっちゃって」
「そうか…今度からは一緒に入れない時は騎士団の誰かと一緒か1人の時はそこから動かないように」


うぅ〜、行動が少し制限されてしまったが、お父様の辛そうな顔を見たら何も言えなかった


「わかった」


「ごめんなさい」と小さく言った。


お父様はしばらく私を抱きしめた後、そのまま私を抱っこして団長室まで行った。




「エリー、迷子になったときにどうするか前に教えたよね?」
「はい…お父様…」
「どうするのか言ってみなさい」
「その場から身の危険を感じない限り離れない」
「そうだね」


しばらく黙った後にお父様は


「本当は、エリーを大きくなるまでは外に出したくないんだ。
今回は無事だったがもしかしたら連れ去られていたかもしれない。
だけどね、それじゃあエリーは外のことを何も知らずに生きていくことになる。
普通の令嬢ならそれでもいいかもしれないが、エリーは嫌だろ?」


そう聞かれて首をブンブンと縦に振る。


「なら、勝手に行動してはいけない、これが守れる?」
「はい!お父様!!」






結局このあとはお父様の仕事が終わるまで一緒に団長室におり陽が傾き始めた頃にお父様と屋敷へ帰った。


屋敷に戻るとお父様は落ち込んでいた私に優しかったが、今日のお父様の悲しそうな表情をしているのを思い出しよく反省するのだった。
寝る前に会ったライマからも何か言われるかなと思ったが何も言われずに、頭をそっと撫でて「おやすみなさいませ」と言って行ってしまった。
それが余計に胸を苦しめた。結局、寝室に行きベットに入り、目を瞑った。









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