完璧な辺境伯のお父様が大好きな令嬢は、今日も鈍感

蓮 怜

17、ミゲル

「ミゲルも剣術を習っているの?」
「3歳から習っているよ」
「3歳!?いいなぁ!!
私もそれぐらいから習いたかった!」
「なんで習えなかったの?」
「お父様から小さい頃からはあまり習わないって言われてて最近やっと習えることになったの!」
「小さい頃は危ないからね」
「ミゲルはならえたのに!」
「僕は、習い始めるの早い方だと思うよ?」
「ふぅん、、あっ、ねぇ!ミゲルは何歳なの?」
「僕?」
「うん」
「10歳だよ」
「なら7年も習ってるってこと?」
「そういうことになるかな?」
「いいよ!一緒に練習しよう!」


(初めて3歳年上とはいえ同年代と剣術が練習できる!しかも剣術を習い始めて7年!!今の実力を試せるチャンス!!)
なんて思って目をキラキラさせながらうなずいた私にキラキラした笑顔で「よかった」と言った。


「じゃあそろそろ辺境伯も戻っただろうしエミリアを辺境伯のところまで送るよ」


そう言われて、国の騎士団の鍛錬の声が聞こえないことに気がついた。
(結構時間が経ってしまってたんだな)


「今ってどれくらい経ったんだろう?」


そういうとミゲルは胸ポケットから懐中時計を取り出して


「3時間ぐらいだよ」
「そんなに?!」


(お父様の『この辺』は流石にここはダメだ!)


「すぐにお父様のところに戻らなきゃ!」


(私がいなくなったことを気づいたらみんなが私を探してしばらく外出禁止令が出てしまうかもしれない!)
それに私たちは、話すときに移動してしまっていてどこかの部屋の中にいる。どんなに探しても見つからないと騒ぎになってしまうかもしれない!


「早く戻らないと!!」


そう言って慌てる私に「おいで」と言ってミゲルは私の手を引いて歩き出した。


「どこに行くの?」
「辺境伯のところに戻りんでしょ?」
「お父様の場所がわかるの?」
「カロディアン騎士団の団長室に行ったことがあるから、ほらこっち」


そういうミゲルに言われるまま進んでいくと「エミリア様ー!」と私を探している声が聞こえた。


「ほら言っておいで」


そう言ってミゲルは私の背中を押した。


「??」
「僕も自分のところへ戻るよ」


そう言ったミゲルになんの疑問も持たずに


「じゃあ、またね!」


と言って私は、うちの騎士たちがいるところへ向かった。





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