完璧な辺境伯のお父様が大好きな令嬢は、今日も鈍感
9、団長とエミリア様が着きました
庭で他の騎士達と鍛錬をしていると「ライマ!!」と俺を呼ぶ幼い声が聞こえた。
「エミリア様、お帰りなさい」
「騎士のみんな私達より遅くに屋敷を出たのに早く着いているの?!!」
驚いて大きな目がこぼれ落ちそうなほど目を見開いている。
「それは、エミリア様達とは、別のルートを使いましたから」
「それでも早すぎるよ!」
「馬車と馬ではスピードも違いますから」
「エミリア様も剣の練習をなさいますか?」
「もちろん!!」
「なら着替えてきてください」
大通りを馬車でノロノロと行くのと森を馬で突っ切るのとではだいぶ違う。しかし、森を突っ切ってきたと言うとエミリア様も行きたいといわれてはまずいので話をそらした。
最初は、質問への答えがはぐらかされて頬を膨らませいたが剣の練習と聞くとすぐに質問を忘れたようだ。すぐに着替えるために走って行った。
「ライマはいいよなぁ。エミリア様の剣の先生とか」
エミリア様が行ったのをみていると他の騎士から言われた。
「お前も立候補すれば良かっだろ?」
「俺だって立候補したに決まってるだろ?あぁ〜俺にもライマみたいな体格だったら良かった…そしたら俺も天使と一緒にいれたのになぁ」
「お前…自分の言ってる事分かっているのか?完全に変態だろ…」
「なんだよ、ちょっとぐらい慰めろよ!!」
と大袈裟に体格の良い騎士が嘆く。
「うるさいな、そろそろエミリア様が戻ってくる頃だからさっさとどっか行け」
「酷いやつだな、今度エミリア様にあったら言うぞ」
「そんな機会があったらいいな」
「ライマ!俺とその立場を交換しろ!!」
エミリア様が見えたのかそれだけ言うと自分の鍛錬場所に戻って行った。
ガサガサ
俺はてっきりエミリア様がきたのかと思って「エミリア様…」と言いながら振り向くと
「なんだ、これからエリーも練習するのか」
「だ、団長!!」
「私もエリーと一緒にやるよ」
「かしこまりました!」
そう言うと
「ライマ、着替えた来たよ!ってお父様も一緒にするの?」
なんて言う呑気な声が聞こえてきた。
「エリー、一緒に鍛錬するか?」
「はい!お父様!!」
と嬉しそうにエミリア様が言う。今日は、エミリア様がいるからもしかしたらいつもの団長とは違うかもしれない…と希望を持つ前に砕かれた。
「よしっ、その前にライマと久しぶりに一戦しとくか〜?」
なんて言う恐ろしい言葉が聞こえてきた。
「マジで言ってます!?」
「ライマ!!頑張って!」
「エミリア様まで…
ハァ〜分かりました…」
こうして俺は団長と戦うことになったのだが結果は予想通りだった。そもそも俺と団長とでは次元が違うのだ。俺を100とすると団長は1000とか2000とかなのだ。一回一回剣が交わるたびに重さを感じる。この剣が真っ向からくると俺は何も出来ない。しかも団長はわざと本気を出さずにやっている。一瞬で結果が出るのに俺にも返せそうな強さでくる。その証拠に団長は楽しそうに顔を緩ませている。何が狙いなのかと思いつつ団長と正面から剣がぶつかった時にようやく分かった。
団長がグニャと言う音がつきそうなほど顔を歪めて笑った。そして次の瞬間信じられないほどの重さが手首に伝わってきた
「いっっっっった!!!!」
剣を持つことすらできないほどの痛みを感じた。そして、剣はカランと音を立てて落ちていった。
痛すぎてそのまま手首を抑えているとエミリア様が呑気に何があったのかを聞いていた。それに団長が楽しそうにこたえている。
俺は手首が大丈夫か確かめながら
「隊長!本気でやりましたよね!!」
と抗議した。
「ライマ!私も出来るかな??」
「エミリア様、アレはそう簡単に出来るものではありません。」
「なんで?」
「剣の位置をずらすには正面にいる敵の力がかかった状態で手首にだけ力がかかるように微妙にずらすんです。正面から力がかかっている分変な方向にいってしまい、逆に自分に敵の剣が当たって怪我をしてしまうかもしれないのです。」
「お父様はなんで狙ったところに力を加えることができるの?」
正論で言ってもエミリア様にはまだ分からないのかもしれない。と思ってもっと詳しく説明しようと口を開いた時
「相手の力がどこにどのくらい加わっているのか見極めるんだ。見極めれる様になるにはたくさんの人と剣を交え、見極めて剣を動かせる様になり、思ったところに動かせる様になるにはもっと多くの練習と傷がつきものだ。力もな。
エリーは、どんなに練習をしても実戦で使うには危険が多すぎる。他の練習をした方が勝率は、上がるだろう」
そう言った団長はエミリア様に一生治らないキズがつくことを一番に心配している。そんなことなど露ほども知らないエミリア様が
「えぇ〜〜〜!」
という悲壮な声を上げる。
「ライマ、危険な練習はエリーにさせるなよ」
「分かっております。」
「お父様、本当のホントに言ってるの!?」
「もちろんだ。怪我でもしたら大変だろう?」
「怪我なんかしないよ?安全にするから〜
私もカッコよく使ってみたい〜〜!!」
「そんなことを言うなら、危険な剣の練習もやめないといけないな」
「わ、わ、分かりました!!」
そう言った後エミリア様が悪いことを考える団長と同じ顔をした。親子は煮るもんだなぁ
「ライマは、エリーが危険な真似をしないようにしっかりみておけ」
「えぇ〜!!そんなぁ!!」
そう言ったエミリア様から絶対に目を離さないようにしようと心に決めた。
「エミリア様、お帰りなさい」
「騎士のみんな私達より遅くに屋敷を出たのに早く着いているの?!!」
驚いて大きな目がこぼれ落ちそうなほど目を見開いている。
「それは、エミリア様達とは、別のルートを使いましたから」
「それでも早すぎるよ!」
「馬車と馬ではスピードも違いますから」
「エミリア様も剣の練習をなさいますか?」
「もちろん!!」
「なら着替えてきてください」
大通りを馬車でノロノロと行くのと森を馬で突っ切るのとではだいぶ違う。しかし、森を突っ切ってきたと言うとエミリア様も行きたいといわれてはまずいので話をそらした。
最初は、質問への答えがはぐらかされて頬を膨らませいたが剣の練習と聞くとすぐに質問を忘れたようだ。すぐに着替えるために走って行った。
「ライマはいいよなぁ。エミリア様の剣の先生とか」
エミリア様が行ったのをみていると他の騎士から言われた。
「お前も立候補すれば良かっだろ?」
「俺だって立候補したに決まってるだろ?あぁ〜俺にもライマみたいな体格だったら良かった…そしたら俺も天使と一緒にいれたのになぁ」
「お前…自分の言ってる事分かっているのか?完全に変態だろ…」
「なんだよ、ちょっとぐらい慰めろよ!!」
と大袈裟に体格の良い騎士が嘆く。
「うるさいな、そろそろエミリア様が戻ってくる頃だからさっさとどっか行け」
「酷いやつだな、今度エミリア様にあったら言うぞ」
「そんな機会があったらいいな」
「ライマ!俺とその立場を交換しろ!!」
エミリア様が見えたのかそれだけ言うと自分の鍛錬場所に戻って行った。
ガサガサ
俺はてっきりエミリア様がきたのかと思って「エミリア様…」と言いながら振り向くと
「なんだ、これからエリーも練習するのか」
「だ、団長!!」
「私もエリーと一緒にやるよ」
「かしこまりました!」
そう言うと
「ライマ、着替えた来たよ!ってお父様も一緒にするの?」
なんて言う呑気な声が聞こえてきた。
「エリー、一緒に鍛錬するか?」
「はい!お父様!!」
と嬉しそうにエミリア様が言う。今日は、エミリア様がいるからもしかしたらいつもの団長とは違うかもしれない…と希望を持つ前に砕かれた。
「よしっ、その前にライマと久しぶりに一戦しとくか〜?」
なんて言う恐ろしい言葉が聞こえてきた。
「マジで言ってます!?」
「ライマ!!頑張って!」
「エミリア様まで…
ハァ〜分かりました…」
こうして俺は団長と戦うことになったのだが結果は予想通りだった。そもそも俺と団長とでは次元が違うのだ。俺を100とすると団長は1000とか2000とかなのだ。一回一回剣が交わるたびに重さを感じる。この剣が真っ向からくると俺は何も出来ない。しかも団長はわざと本気を出さずにやっている。一瞬で結果が出るのに俺にも返せそうな強さでくる。その証拠に団長は楽しそうに顔を緩ませている。何が狙いなのかと思いつつ団長と正面から剣がぶつかった時にようやく分かった。
団長がグニャと言う音がつきそうなほど顔を歪めて笑った。そして次の瞬間信じられないほどの重さが手首に伝わってきた
「いっっっっった!!!!」
剣を持つことすらできないほどの痛みを感じた。そして、剣はカランと音を立てて落ちていった。
痛すぎてそのまま手首を抑えているとエミリア様が呑気に何があったのかを聞いていた。それに団長が楽しそうにこたえている。
俺は手首が大丈夫か確かめながら
「隊長!本気でやりましたよね!!」
と抗議した。
「ライマ!私も出来るかな??」
「エミリア様、アレはそう簡単に出来るものではありません。」
「なんで?」
「剣の位置をずらすには正面にいる敵の力がかかった状態で手首にだけ力がかかるように微妙にずらすんです。正面から力がかかっている分変な方向にいってしまい、逆に自分に敵の剣が当たって怪我をしてしまうかもしれないのです。」
「お父様はなんで狙ったところに力を加えることができるの?」
正論で言ってもエミリア様にはまだ分からないのかもしれない。と思ってもっと詳しく説明しようと口を開いた時
「相手の力がどこにどのくらい加わっているのか見極めるんだ。見極めれる様になるにはたくさんの人と剣を交え、見極めて剣を動かせる様になり、思ったところに動かせる様になるにはもっと多くの練習と傷がつきものだ。力もな。
エリーは、どんなに練習をしても実戦で使うには危険が多すぎる。他の練習をした方が勝率は、上がるだろう」
そう言った団長はエミリア様に一生治らないキズがつくことを一番に心配している。そんなことなど露ほども知らないエミリア様が
「えぇ〜〜〜!」
という悲壮な声を上げる。
「ライマ、危険な練習はエリーにさせるなよ」
「分かっております。」
「お父様、本当のホントに言ってるの!?」
「もちろんだ。怪我でもしたら大変だろう?」
「怪我なんかしないよ?安全にするから〜
私もカッコよく使ってみたい〜〜!!」
「そんなことを言うなら、危険な剣の練習もやめないといけないな」
「わ、わ、分かりました!!」
そう言った後エミリア様が悪いことを考える団長と同じ顔をした。親子は煮るもんだなぁ
「ライマは、エリーが危険な真似をしないようにしっかりみておけ」
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