〜異世界で契約した従魔がEXランクの魔物達でした〜

ノベルバユーザー327690

第34話〜終結のスタンピードとランク昇格〜

第2章 イングレア王立学園編
第34話〜終結のスタンピードとランク昇格〜
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 僕達、蒼銀の双翼がそれぞれ単独で高ランクの魔物(Sランク〜EXランク中心)を倒している間、他の冒険者達で、Aランク〜Bランク帯の魔物を倒してくれていた。


 そして、スタンピードが起こって2日後の朝、遂に終結を迎えたのだ。


 その次の日、王都で1番大きな広場で陛下によるスタンピードの報奨金の授賞式が行われた。


ガルム「では、これより此度のスタンピードにて活躍した者の報奨金授賞式を行う。なお、ここで発表されなかった者も今回の以来に参加してくれた報酬は出すからギルドに向かってくれ。そして、ここで発表する討伐された魔物の名は危険度が高い者しか言わないがちゃんと低ランクの魔物も討伐していればそれも報償金に入ってるから安心してくれ。まずは、夜風の丘を代表して、ガリウス・デリア!」


ガリウス「はっ!」


ガルム「貴殿は、蒼銀の双翼のルディ・リザベートと結託し、キングオーガの討伐。またAランクの魔物であるクルイガ及びジャイアントコボルドを討伐した。この度の活躍を称して、白金貨30枚を授与する。良く頑張ってくれた」


ガリウス「はっ!有り難く頂戴致します」


ガルム「続いて、紅銀の大地を代表して、ブライト・シンフィールド!前へ」


ブライト「はっ!」


 父さんが呼ばれたようだ。


ガルム「貴殿は、パーティーで連携してSランクの魔物であるレッドドラゴン及びサーライト、Aランクの魔物であるアークウィザード及びスレンバレー、ベオウルフを討伐した。この度の活躍を称して、紅銀の大地に白金貨70枚を授与する。頑張ってくれたな」


ブライト「はっ!ありがたき幸せ!陛下のご厚意に感謝致します」


 父さんは、陛下に膝をついて、見たことがない口調で喋っていた。


ガルム「続いて、この度のスタンピードにて1番の活躍をした蒼銀の双翼についてはメンバー1人1人称していく。まずは、シルフィ・ホーンベルク!」


シルフィ「はっ!」


ガルム「貴女は、従魔と連携し、Aランクであるオークマジシャン及びオークジェネラル、Sランクであるオークキングを討伐した。その活躍を称して、白金貨100枚を授与する。活躍見事であったぞ」


シルフィ「ありがたき幸せにございます。嬉しく頂戴します」


 シルフィは、礼儀作法がしっかりしているようで、緊張するであろうこの状況でもスラスラ言っていた。


ガルム「続いて、蒼銀の双翼のルディ・リザベート!」


ルディ「はい!」


ガルム「貴女は、自らの従魔や夜風の丘のガリウス・デリアと連携してSランクであるキングオーガを討伐し、また通常種のオーガ、Aランクであるレヴォーバルク及びカバンディスを討伐した。その活躍を称して、白金貨130枚を授与する。此度の活躍見事であった」


ルディ「はっ!有り難く頂戴いたします」


 ルディも終わって、あとは僕だけだな。


ガルム「次で最後だな。最後は蒼銀の双翼のリーダー、ユーマ・シンフィールド!」


  「はっ!」


ルディ「ユーマ君来たよ!」


ブライト「一体どれくらいの報奨金になるのか想像がつかないな」


ユリウス「ルディやシルフィも凄かったが、それより少ないって事は無いだろうしやばそうだな」


ガルム「貴殿は、自らの従魔と連携しEXランクの魔物であるエンシェントドラゴン、Sランクの魔物であるフェイクカオスドラゴン及びクォークバタフライ、Aランクの魔物であるミブリアムを討伐した。この度の活躍を称して白金貨300枚を授与する。此度の活躍見事であった!」


  「はっ!ありがたき幸せにございます。心より嬉しく思い有り難く頂戴いたします!」


 僕の報奨金額を聞いて周囲の冒険者はざわついていた。


「おい!白金貨300枚って聞いたことないぞ⁉︎」


「一生遊んで暮らせるんじゃないのか?」


「俺もあれぐらい稼いでみたいけど無理だろうなぁ」


ルディ「ユーマ君、凄いね!」


ユリウス「ああ!強くて厄介な魔物ばかり倒しているし、何より今回のスタンピードで1番強いEXランクのエンシェントドラゴンまで討伐しているもんな。流石ユーマ君だ!なぁ、ブライト」


ブライト「そうだな!俺達もうかうかしてられないな!」


 父さん達のそんな会話が聞こえるはずもない僕は、周囲の歓声を手を挙げて受け止めた。




 授賞式から数日後、僕達蒼銀の双翼はギルドに報奨金の受け取りに来ていた。
 実は、授賞式の後、ギルドに行ったのだがまだ準備が出来ていないとの事だったので、討伐した魔物の討伐証明部位だけ納品していたのだ。


  「こんにちわ、エミリア」


エミリア「あら、ユーマ君にルディちゃん!それにシルフィさんもこんにちわ。今日はどんな御用で来たの?」


 エミリアの挨拶にルディもシルフィも笑顔で返していた。


  「今回のスタンピードの報奨金を受け取りに来たんだ」


エミリア「そうだったのね。みんな今回の活躍聞いたわよ。凄いじゃない!」


  「ありがとう、それぞれの従魔達が協力してくれたからさ。僕達1人だけなら倒せていない魔物もいたよ」


 僕のその言葉に、ルディもシルフィも、うんうんと頷いていた。


エミリア「なるほどね。それよりも報奨金だったわよね。少し待っててね、今準備して貰ってるから」


 報奨金の準備ができるまでの間、僕達はエミリアと今回のスタンピードについてどんなふうに倒したとかきつかったかとか話し合った。


ミラル「エミリアー。持ってきたよ」


エミリア「ありがとう、ミラル。ユーマ君おまたせ。じゃあ、早速報奨金の受け渡しをしちゃうわね。まずはシルフィさんが報奨金白金貨100枚。魔物の討伐証明部位を持ってきて頂いてたので、白金貨5枚、金貨6枚を加えまして白金貨105枚、金貨6枚です。お疲れさまでした」


シルフィ「ありがとうございます。うわ、重たいですね。ユーマ、持ってて」


  「うん、良いよ」


 僕は、アイテムボックスにシルフィが受け取った報奨金が入った袋を入れた。


 こう言う時にも、アイテムボックスがあると楽だよな。


エミリア「次はルディちゃんね」


ルディ「はい!」


エミリア「ルディちゃんが報奨金として白金貨130枚。それと魔物の討伐証明部位を持ってきてくれてたからそれが白金貨6枚、金貨37枚分だったから、それを加えて白金貨139枚、金貨7枚ね。お疲れさま」


ルディ「ありがとうございます。重っ笑。ユーマ君、私のもアイテムボックスに入れて貰える?」


  「うん、大丈夫だよ」


 ルディも僕にお願いしてきた。
 頼られるのは嬉しいけど、荷物持ちと化してないか?僕。


エミリア「最後はユーマ君ね。ユーマ君は報奨金が白金貨300枚ね。それに魔物の討伐証明部位を持ってきてくれたからそれが白金貨30枚、金貨58枚。それを加えて白金貨335枚、金貨8枚よ。お疲れさま」


  「ありがとう、エミリア」


 僕も、自分が受け取った報奨金が入った袋をアイテムボックスに入れた。


エミリア「みんな凄いわね。あと今日時間あるかしら?」


  「うん、大丈夫だよ。どうしたの?」


エミリア「実はギルド長のグリスが君達が来たら、会いたいから通してくれって言われてるの」


  「うん、断る理由がないし、会うよ」


エミリア「分かったわ。じゃあ、私について来て」


 エミリアの案内で、ギルド長室に来た。


エミリア「ギルド長。冒険者パーティー、蒼銀の双翼の方達を連れて来ました」


グリス「うん、入って良いよ」


エミリア「失礼します」


 部屋に入ると、ギルド長が机で何かしら作業をしていた。


グリス「エミリア君、ご苦労様。でも、君にも居てもらおうかな」


エミリア「はい」


 ギルド長は、僕達をソファーに座るように促して来た。


グリス「久しぶりだな、ユーマ君」


  「お久しぶりです、グリスさん」


グリス「聞いたよ。今回のスタンピード、蒼銀の双翼が1番の稼ぎ頭らしいじゃん」


  「それぞれの従魔達が頑張ってくれたお陰ですよ。僕達1人だけなら、倒せていない魔物もいたと思います」


グリス「相変わらず謙虚だね。まあそういったところが、君の良いところなんだろうね」


  「あ、ありがとうございます。ところで僕達に何か用事があったのでは?」


グリス「そうだったね。ユーマ君、ルディちゃん、シルフィ君、みんなおめでとう!君達の冒険者ランクを上げることになったよ」


ユーマ、ルディ、シルフィ「「「ええー‼︎」」」


 ランクが上がることを聞いて、僕達は変な声が出てしまった。


  「ランク昇格ってどういうことですか?」


グリス「討伐した魔物はAランクから上ばかりで、Sランクの魔物討伐の量が1番多い。ユーマ君に関しては、今回のスタンピードで1番厄介で強いEXランクのエンシェントドラゴンを討伐してるからね。実力のある人は子どもでも正当に評価をされるべきだと俺は思ってるし、それにそんなに実力がある子達を低ランクにいつまでも置いとくと舐めてかかる冒険者達も出て来て絡まれたらめんどくさいでしょ?」


  「まあ、そうですね」


 実際、ランクが低いとか美女と美少女を連れ歩いてるとか難癖つけられて何回か絡まれたことがある。


 まあ絡まれたら追い返すだけだが、ランクが高ければそもそも絡んでこられる率が下がるだろうという事らしい。


  (断る理由なんかないよな)


 僕が、ルディとシルフィに目をやると2人とも笑顔で頷いてくれた。


  「その話、受けさせて頂きますよ」


グリス「そうか、良かった。では、3人とも特例で昇格試験無しでCランクに昇格させてあげるよ。本来なら盗賊の討伐が昇格試験なんだけど、これに関しては追々依頼とかで嫌でも関わってくることだからね。じゃあ、エミリア君。3人のギルドカードを更新してあげてよ」


エミリア「分かりました。では、3人ともまたついて来てね」


  「グリスさん、今日はありがとうございました。また何かあったらよろしくお願いします」


グリス「うん、こちらこそよろしくね。ユーマ君達なら大丈夫だと思うけどやり過ぎたり、深追いしないようにね。依頼とかで深追いとか自分の力を過信しすぎて大怪我を負った冒険者を嫌というほど見てきたからね」


  「ありがとうございます。肝に命じておきますよ」


 僕達は、ギルド長に別れを告げ、一階の受付カウンターに戻って来た。


エミリア「3人とも、昇格おめでとう。さっきギルド長も言ってたけど、このランクからは護衛依頼や盗賊、高ランクの魔物討伐がメインになってくるから気を付けてね。ユーマ君達なら負けないと思うけどね」


  「大丈夫だよ、エミリア。僕達はコツコツやって行こうってパーティー組んだ時に約束してるんだ」


 僕の言葉に、2人とも頷いていた。


エミリア「なら、大丈夫そうね。3人とも、本当におめでとう!また依頼受けに来てね」


  「勿論だよ。じゃあね、エミリア」


ルディ「エミリアさん、またね」


 僕達は、気分よくギルドを後にした。




---------エミリア視点------
 ユーマ達が、ギルドを後にする少し前。


  (ユーマ君なら大丈夫だと思うけど、気を付けてね。この世界はユーマ君が思ってる以上に厳しくて残酷な世界なんだから)


 心の中でユーマに対して姉心で思っていると、ユーマ達がギルドを後にした少しして、1組の冒険者達がギルドを後にしていた。


  (あの人達、ユーマ君達の後を追ったのかしら?・・・まさかね)


 私の淡い期待はこの後、消えるのだった。


---------------------
 僕達がギルドから出て、少ししたところで、後ろから声をかけられた。


「おい!そこのガキども。止まりな」


  「何か用ですか?」


「お前ら、蒼銀の双翼っていうパーティーだろ?」


  「そうですが?」


「じゃあ、金はたんまり貰ってるはずだな!お前らには使えないだろうし、俺たちが有用に使ってやる。怪我したくなかったら有り金とそこにいる女2人を置いていきな!そこの女2人は上玉だからなぁ。夜のお供に使ってやるよ」


「ギャハハハハハハハ!」


「違いねぇな!」


 こいつらなんて言った?
 僕の婚約者をそんな下衆びた目で見やがって!


ルディ【シルフィ、これやばくない!ユーマ君本気で怒ってるよ】


シルフィ【あの人達の自業自得だけど、これはまずいかもね。】


 ルディとシルフィが念話で会話しているとは知る由もない僕は絡んできた冒険者のリーダー的な男に近付いていき、男の右手を取ると、捻って潰した。


「痛てぇぇぇぇぇぇ!」


「何すんだ!このガキ!」


  「僕の大事な婚約者をそんな下衆びた目で見やがって!これくらいで見逃してやるからさっさと失せな!」


 僕がリーダーに向かって、冷たい目線で睨みつけると、そいつらは街中だという事を忘れて腰にあった剣を抜いた。


「チクショウ!もう許さねぇ。お前ら!やっちまえ」


「死ねやクソガキ!」


「くたばりやがれ!」


  「あーあ。剣抜いちゃったよ。先に絡んできたのはお前らだから、どうなっても文句言うなよ」


 僕は、魔法を発動し、男達の方に向けて撃った。


  〈風弾エアバレット!〉


 僕が撃った風の弾は、男達の体を吹っ飛ばして壁にぶつかっていた。


「グハッ!」


「痛てぇぇぇぇぇぇ!」


「なんだ⁉︎この魔法の威力は?」


  「先に絡んできたのはそっちだからな。衛兵に捕まって、牢屋で反省しな!」


 僕は、闇鎖シャドウバインドで絡んできた男達を拘束して、衛兵に突き出しておいた。


  「ふぅ。やっぱりランクが上がっても、絡んでくる奴は出てくるなぁ」


ルディ、シルフィ「「ユーマ君!(ユーマ!)」


 安心した所で、2人が僕に抱きついて来た。


  「うわっと⁉︎どうしたの?」


ルディ「怖かったから!ユーマ君がいるって分かってても、あのおじさん達の嫌な目つきを見たら怖くなっちゃったの泣」


シルフィ「私も怖かったかな。ユーマなら守ってくるって分かってても、体が震えちゃった」


 僕は、抱きついて来た2人の頭をそっと撫でた。


  「もう、大丈夫だよ。それに僕がついてるから安心しなよ。僕がいる間は、2人には指一本触れさせないよ」


ルディ「ありがとう、ユーマ君」


シルフィ「期待してるよ、ユーマ」


 2人と手を繋ぎながら心の中でこの2人の笑顔を守れただけでも、成長したのかな?と思っていた。

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