〜異世界で契約した従魔がEXランクの魔物達でした〜
第33話〜スタンピード④ sideシルフィ〜
第2章 イングレア王立学園編
第33話〜スタンピード④ sideシルフィ〜
...
...
ユーマやルディと別れた私は神獣様に乗せてもらい、戦場を駆けていた。
「神獣様、私は重くないですか?」
ルクス【大丈夫だ。それに我は陸上に生息する魔物の中の頂点に君臨するフェンリルだ。これくらい造作もないことだ】
「失礼をいたしました」
ルクス【構わん。それとシルフィ殿】
「はい、何でしょうか?」
ルクス【お主ら獣人族が我を崇拝してくれているのは知っているし嬉しい事なのだが、今はユーマの従魔だ。ユーマの婚約者に特別扱いされるとそわそわするから出来ればルクスと呼んでくれ。様はつけなくて良いぞ】
「恐れ多い事ですが、神獣様にそこまで言われてしまっては仕方ありませんね。では、これからはルクスと呼ばせて頂きます」
ルクス【ああ、それで構わん】
私と神獣様であるルクスがまた一つ仲良くなれた所で魔物が現れた。
「あれは、オークの上位種集団ですね。右から、オークマジシャン、オークジェネラル、左にも同じような布陣で、真ん中にオークキングですか。その前には通常種もいますし、厄介そうですね」
ルクス【確かに厄介だが、我らなら倒せない敵ではないだろう。シルフィ殿は剣も魔法もできたよな?】
「ええ、できますよ」
ルクス【なら、我が身体強化をかけてスピードで撹乱するからシルフィ殿はタイミングを見計らって魔法を撃ってくれ】
「分かりました」
作戦も決まって、ルクスが相手に向かって走っていった。
5年前始まった紅銀の大地さんとの修行に加え、最近の冒険者活動のお陰で既に持っていた火属性に強化を加え、更に風属性と炎属性を覚えた。
火属性のレベルは7まで上昇して、風は5、炎は6とかなり強化されていた。
そこで私は、炎属性を選んだ。
オークはマジシャンを除き、魔法攻撃への耐性が高くなく、基本的にはどの属性でも通る。
「ルクス、準備ができたので避けてください!」
ルクス【承知!】
私はまず、通常種のオークと両サイドにいるオークジェネラルに向けて魔法を放った。
〈炎よ、我が手に集いて、敵を射抜く槍となれ!炎槍!〉
炎槍は火属性のファイアランスの強化版である。
ファイアランスより多くの魔力を消費してしまうが、その威力と弾速はそれの比ではない程高い。
炎槍が直撃したオークとオークジェネラルは断末魔を挙げる事なく絶命しており、そこには黒焦げになった亡骸だけ残っていた。
「かなりの高威力だったようですね。あとは魔法耐性のあるオークマジシャンと大将のオークキングだけですね。ルクス、先にどっちを倒しますか?」
ルクス【オークキングを牽制しつつ、オークマジシャンを先に倒す方が良いだろう。オークマジシャンは魔法耐性があるのだな?】
「はい、それもかなりの耐性を持っているそうです。一説には高威力の魔法を何発食らっても耐えるとか」
ルクス【なるほどな・・・ではこうしよう。我が物理メインでオークマジシャンを倒す。その間シルフィ殿は自身に身体強化をかけてオークキングのヘイトを集めておいてくれ。我がオークマジシャンを倒したら、すぐそちらに向かう】
「分かりました。それでいきましょう」
ルクスはそう言うと、オークマジシャンの方に向けて走った。
(さて、私には私の出来ることをしよう。オークキングはキング種の中では弱い部類に入るけど、それでも伊達にキングの名は名乗っていない。気を引き締めよう)
私がオークキングに向かおうとした瞬間不意に声が聞こえてきた。
???「はん!狐の獣人、しかも白狐如きがオークキングに勝てるわけないだろ?怪我しないうちに帰りな」
「貴方は?」
???「俺か?俺はホーリブ。見ての通り犬の獣人だ。冒険者としてのランクはAだ。俺の隣にいるワイバーンのゼヌアとソロでAまで上がったのさ」
「ホーリブさんですね。私はシルフィです。私も見てわかると思いますが狐の獣人で白狐です。Eランクの冒険者で、私の従魔は戦闘向きではないため、あそこでオークマジシャンと戦ってる神獣フェンリルを使わせて貰ってます」
ホーリブ「神獣様だと⁉︎それに今神獣様を使ってると言ったのか?」
「ええ、と言っても私の従魔ではなく、私の大切な人の従魔で、その人からいま貸してもらってるんですよ」
私達が歪みあっていると、ルクスが戻ってきた。
ルクス【シルフィ殿、終わったぞ。お、そちらの貴殿はお初だな。我は神獣フェンリルのルクスと申す。よろしく頼む」
ホーリブ「お声をかけて頂きありがとうございます。私はホーリブと申します。横にいるのは私の従魔でワイバーンのゼヌアと言います」
ルクス【その名覚えたぞ。さて、シルフィ殿これから2人でオークキングを倒しに行くか】
「はい!頑張りますよ」
ホーリブ「待ってください。神獣様」
ルクス【どうした?】
ホーリブ「なぜそのような汚らわしい狐の獣人、しかも白狐なぞと一緒に居られるのですか?神獣様にはもっとふさわしいお方がいるはずですよ」
ホーリブがそう言った瞬間、ルクスから今まで見たことがないような殺気のようなオーラが見えた。
これは本気で怒ってるなと見ただけでもわかった。
ルクス【貴様!我が主の婚約者を愚弄するとはどういうつもりだ。ここにいるシルフィ殿は我の主であるユーマと同じく我と対等に接することを許すぐらいの実力の持ち主だ。貴様なぞ足元にも及ばんわ】
ホーリブ「くっ⁉︎」
ホーリブはルクスに睨まれて腰が引けたのか、足を震わせながら尻餅をついていた。
ルクス【この程度で足が震えるのか。これで分かったであろう。貴様が何故シルフィ殿に勝てないか。分かったなら、ここから立ち去ると良い!邪魔になるんでな】
ルクスに言われ、踵を返し私達から遠ざかっていった。
「ありがとうございます。ルクス」
ルクス【これくらい構わんさ。さて、そろそろオークキングを倒すとするか】
「はい!」
私はもう既に魔力を高め、魔法を撃つ準備をしていた。
ルクス【行くぞ!】
〈風よ、塊となり、敵に衝撃を与え、吹き飛ばせ!風塊砲!〉
私が使ったのは、風属性の超級魔法だ。
風塊砲は風を大砲の球のように、形成して撃ち出す魔法だ。
その威力は絶大で、使い方を間違えれば方向数十kmは何も残さぬまま吹き飛ばすことができるのだ。
私は、この強すぎる魔法をなんとかコントロールが出来るようになり、周りに被害を出す事なく相手だけを吹き飛ばすことに成功できていた。
「グギャアアアア!」
オークキングは、これをもろに食らってしまい心臓部に風穴を開けて、絶命した。
私は魔力の大半を使ってしまった為、動けなくなっていた。
ルクス【やったな、シルフィ殿。魔力切れを起こすほどの高威力の魔法を撃つなど咄嗟に出来ることではないな】
「ありがとうございます。もっと効率良く撃てるようにまだまだ修行が必要ですね」
私は念話で、ユーマを呼び出しアイテムボックスにオークキングとオークマジシャン、オークジェネラル、通常種のオークを入れてもらった。
ルクスはユーマの空間魔法の中に入り、私はユーマに抱えられて、リムルに乗って移動した。
第33話〜スタンピード④ sideシルフィ〜
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「神獣様、私は重くないですか?」
ルクス【大丈夫だ。それに我は陸上に生息する魔物の中の頂点に君臨するフェンリルだ。これくらい造作もないことだ】
「失礼をいたしました」
ルクス【構わん。それとシルフィ殿】
「はい、何でしょうか?」
ルクス【お主ら獣人族が我を崇拝してくれているのは知っているし嬉しい事なのだが、今はユーマの従魔だ。ユーマの婚約者に特別扱いされるとそわそわするから出来ればルクスと呼んでくれ。様はつけなくて良いぞ】
「恐れ多い事ですが、神獣様にそこまで言われてしまっては仕方ありませんね。では、これからはルクスと呼ばせて頂きます」
ルクス【ああ、それで構わん】
私と神獣様であるルクスがまた一つ仲良くなれた所で魔物が現れた。
「あれは、オークの上位種集団ですね。右から、オークマジシャン、オークジェネラル、左にも同じような布陣で、真ん中にオークキングですか。その前には通常種もいますし、厄介そうですね」
ルクス【確かに厄介だが、我らなら倒せない敵ではないだろう。シルフィ殿は剣も魔法もできたよな?】
「ええ、できますよ」
ルクス【なら、我が身体強化をかけてスピードで撹乱するからシルフィ殿はタイミングを見計らって魔法を撃ってくれ】
「分かりました」
作戦も決まって、ルクスが相手に向かって走っていった。
5年前始まった紅銀の大地さんとの修行に加え、最近の冒険者活動のお陰で既に持っていた火属性に強化を加え、更に風属性と炎属性を覚えた。
火属性のレベルは7まで上昇して、風は5、炎は6とかなり強化されていた。
そこで私は、炎属性を選んだ。
オークはマジシャンを除き、魔法攻撃への耐性が高くなく、基本的にはどの属性でも通る。
「ルクス、準備ができたので避けてください!」
ルクス【承知!】
私はまず、通常種のオークと両サイドにいるオークジェネラルに向けて魔法を放った。
〈炎よ、我が手に集いて、敵を射抜く槍となれ!炎槍!〉
炎槍は火属性のファイアランスの強化版である。
ファイアランスより多くの魔力を消費してしまうが、その威力と弾速はそれの比ではない程高い。
炎槍が直撃したオークとオークジェネラルは断末魔を挙げる事なく絶命しており、そこには黒焦げになった亡骸だけ残っていた。
「かなりの高威力だったようですね。あとは魔法耐性のあるオークマジシャンと大将のオークキングだけですね。ルクス、先にどっちを倒しますか?」
ルクス【オークキングを牽制しつつ、オークマジシャンを先に倒す方が良いだろう。オークマジシャンは魔法耐性があるのだな?】
「はい、それもかなりの耐性を持っているそうです。一説には高威力の魔法を何発食らっても耐えるとか」
ルクス【なるほどな・・・ではこうしよう。我が物理メインでオークマジシャンを倒す。その間シルフィ殿は自身に身体強化をかけてオークキングのヘイトを集めておいてくれ。我がオークマジシャンを倒したら、すぐそちらに向かう】
「分かりました。それでいきましょう」
ルクスはそう言うと、オークマジシャンの方に向けて走った。
(さて、私には私の出来ることをしよう。オークキングはキング種の中では弱い部類に入るけど、それでも伊達にキングの名は名乗っていない。気を引き締めよう)
私がオークキングに向かおうとした瞬間不意に声が聞こえてきた。
???「はん!狐の獣人、しかも白狐如きがオークキングに勝てるわけないだろ?怪我しないうちに帰りな」
「貴方は?」
???「俺か?俺はホーリブ。見ての通り犬の獣人だ。冒険者としてのランクはAだ。俺の隣にいるワイバーンのゼヌアとソロでAまで上がったのさ」
「ホーリブさんですね。私はシルフィです。私も見てわかると思いますが狐の獣人で白狐です。Eランクの冒険者で、私の従魔は戦闘向きではないため、あそこでオークマジシャンと戦ってる神獣フェンリルを使わせて貰ってます」
ホーリブ「神獣様だと⁉︎それに今神獣様を使ってると言ったのか?」
「ええ、と言っても私の従魔ではなく、私の大切な人の従魔で、その人からいま貸してもらってるんですよ」
私達が歪みあっていると、ルクスが戻ってきた。
ルクス【シルフィ殿、終わったぞ。お、そちらの貴殿はお初だな。我は神獣フェンリルのルクスと申す。よろしく頼む」
ホーリブ「お声をかけて頂きありがとうございます。私はホーリブと申します。横にいるのは私の従魔でワイバーンのゼヌアと言います」
ルクス【その名覚えたぞ。さて、シルフィ殿これから2人でオークキングを倒しに行くか】
「はい!頑張りますよ」
ホーリブ「待ってください。神獣様」
ルクス【どうした?】
ホーリブ「なぜそのような汚らわしい狐の獣人、しかも白狐なぞと一緒に居られるのですか?神獣様にはもっとふさわしいお方がいるはずですよ」
ホーリブがそう言った瞬間、ルクスから今まで見たことがないような殺気のようなオーラが見えた。
これは本気で怒ってるなと見ただけでもわかった。
ルクス【貴様!我が主の婚約者を愚弄するとはどういうつもりだ。ここにいるシルフィ殿は我の主であるユーマと同じく我と対等に接することを許すぐらいの実力の持ち主だ。貴様なぞ足元にも及ばんわ】
ホーリブ「くっ⁉︎」
ホーリブはルクスに睨まれて腰が引けたのか、足を震わせながら尻餅をついていた。
ルクス【この程度で足が震えるのか。これで分かったであろう。貴様が何故シルフィ殿に勝てないか。分かったなら、ここから立ち去ると良い!邪魔になるんでな】
ルクスに言われ、踵を返し私達から遠ざかっていった。
「ありがとうございます。ルクス」
ルクス【これくらい構わんさ。さて、そろそろオークキングを倒すとするか】
「はい!」
私はもう既に魔力を高め、魔法を撃つ準備をしていた。
ルクス【行くぞ!】
〈風よ、塊となり、敵に衝撃を与え、吹き飛ばせ!風塊砲!〉
私が使ったのは、風属性の超級魔法だ。
風塊砲は風を大砲の球のように、形成して撃ち出す魔法だ。
その威力は絶大で、使い方を間違えれば方向数十kmは何も残さぬまま吹き飛ばすことができるのだ。
私は、この強すぎる魔法をなんとかコントロールが出来るようになり、周りに被害を出す事なく相手だけを吹き飛ばすことに成功できていた。
「グギャアアアア!」
オークキングは、これをもろに食らってしまい心臓部に風穴を開けて、絶命した。
私は魔力の大半を使ってしまった為、動けなくなっていた。
ルクス【やったな、シルフィ殿。魔力切れを起こすほどの高威力の魔法を撃つなど咄嗟に出来ることではないな】
「ありがとうございます。もっと効率良く撃てるようにまだまだ修行が必要ですね」
私は念話で、ユーマを呼び出しアイテムボックスにオークキングとオークマジシャン、オークジェネラル、通常種のオークを入れてもらった。
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