〜異世界で契約した従魔がEXランクの魔物達でした〜

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第23話〜合格発表と驚愕の事実〜

第2章 イングレア王立学園編
第23話〜合格発表と驚愕の事実〜
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 試験が終わってから、1週間がたった。
 今日はその合格発表の日だから、僕とルディ、シルフィの3人は試験会場であったイングレア王立学園に来ていた。
 この後帰ったら、父さん達と一緒にガルム陛下に会いに行く約束もあるらしいから手短に帰るつもりだ。


  「やっと、来れたよ。王都、本当に人多すぎだよ」


ルディ「そうだね、ここに来る途中にも一回絡まれちゃったしね」


シルフィ「でも、ユーマのお陰で追い払うことができたし、怪我なくて良かったよ」


 そう、僕達はここの学園に来る途中に例の如く絡まれてしまったのだ。


 今回もルディとシルフィ絡みだったこともあり僕がバインド系の魔法で捕らえた後、街を巡回中の衛兵に突き出しておいた。


  「まあ僕を含めてルディとシルフィに絡んでくるやつは、これからも僕が懲らしめていくから2人とも安心しなよ」


ルディ「ユーマ君、カッコいい!」


シルフィ「そうだね、期待してるよ。ユーマ」


 僕は婚約者2人に笑顔を向けられ、照れてしまった。


 そんなやりとりをしつつ、僕らは合格発表のある校庭に来ていた。


  「3人とも同じクラスになれるといいね。狙うは3人全員Sクラス」


ルディ「そうだね!」


シルフィ「紅銀の大地の皆さんに鍛えられた私達なら大丈夫だよ」


 そんな会話をしていると後ろから声をかけられた。


オーグ「ユーマ、おはよう」


  「お!オーグ、おはよう」


ルディ「オーグ君、おはよう」


シルフィ「殿下、おはようございます」


オーグ「同級生になるんだし、君も2人みたいに殿下ではなくオーグと呼んでくれ。ここでは平民も貴族も、ましてや王族も関係ないからね。勿論タメ口で構わないよ」


シルフィ「分かったよ。よろしくね、オーグ」


オーグ「うん、よろしく。ところでユーマ?」


  「うん?どうしたの?」


オーグ「試験の時も気になったんだが、3人はどんな関係なんだい?見るからにすごく仲良さそうなのは伝わるけど」


  「ルディとシルフィは僕の婚約者だよ。ルディとは家族ぐるみの付き合いからだし、シルフィは元々僕の専属のメイドだったんだ。だからここに入学する前に2人に告白とプロポーズをしたんだよ」


オーグ「婚約者だったのか!それはめでたいな」


 オーグと笑いあいながら話をしていると、試験官だった先生が2名現れた。


ラルフ「これより、合格者の書かれた紙を掲載する。各自自分の受けた番号を確認するように」


 そういうと、2人の先生によって紙が掲示され、どっ!と歓声がおこった。


 中には歓喜のあまり泣く者や、不合格だったのか肩を落とす者もいた。


  「お、僕の番号あった。え⁉︎」


 僕は驚愕の事実に気づいた。
 なんと、僕の番号があったのは1番上。


 つまり、試験の主席合格を表していた。
 因みに次席がルディ、3席がシルフィ、その次がオーグとなっていた。


オーグ「4席か。ユーマ達に勝てなかったな。まあ紅銀の大地の方々が鍛えたのならある程度は仕方ないか」


 そんな呟きはユーマ達に聞こえるはずもなく、当人達は抱き合って喜んでいた。


ルディ「ユーマ君、主席おめでとう!」


  「ありがとう、ルディも次席じゃないか」


ルディ「うん!頑張ってきてよかったよ」


  「シルフィも3席、おめでとう」


シルフィ「ありがとう。これで3人ともSクラスだね」


 そう、クラス分けは試験の順位で区分けされているのだ。


 Sクラスは主席である1位から10位まで、Aクラスは11位から25位まで、Bクラスは26位から40位まで、Cクラスは41位から60位までとなっている。


 クラス分けはされているが、実際の所落ちこぼれクラスというのはなく、どのクラスもレベルの違いはあれど、皆の実力はかなり高い。


オーグ「ユーマ、ルディ、シルフィ。トップ3おめでとう」


  「ありがとう、オーグ」


オーグ「負けたのは悔しいが、入ったらクラスメイトだ。これからも仲良くしあい研鑽して行こう」


  「おう!」


 そうして、オーグと別れ僕達は家に帰って行った。


 家に帰ると、父さんが出迎えてくれた。


ブライト「みんな、お帰り。試験の結果はどうだった?」


 どうやら、ユリウスさん達もいるらしくルディが一緒でも何も言ってこなかった。


  「ただいま、父さん。結果はみんなの前で言うよ。ユリウスさん達もいるんでしょ?」


ブライト「ああ、いるぞ。この後、みんなで国王陛下に会いにいくからな」


シルフィ「私も行くんですか?」


ブライト「勿論だ。今回は全員で行くぞ」


シルフィ「分かりました」


 そうして、みんなでリビングに向かうと母さんにユリウスさん、エイナさんがいた。


サリー「みんなおかえり。結果はどうだった?」


 やはり、みんな結果が気になっているようだ。


  「まず、僕から言うね。僕は主席合格でした」


ブライト「おお!凄いな!」


サリー「主席なんてすごいわ!今夜はパーティーね」


ユリウス「流石ユーマ君だな!」


エイナ「そうね!」


ルディ「次は私ね。私は次席合格だったわ」


ブライト「ルディちゃんは次席か!凄いな、ユリウス」


ユリウス「ああ!今夜はみんなで宴会しよう」


サリー「最後はシルフィね。どうだったの?」


シルフィ「はい、私は3席合格でした」


ブライト「紅銀の大地の子供達が今年のトップ3か!大変名誉な事だな!」


サリー「ええ、そうね」


 こうして、試験の結果発表を終え、僕達は王城に来ていた。
 服装は今回は陛下の方から硬くなくていいと言われていたらしく、ラフな格好できていた。


衛兵A「そこの者たち、ここは王城である」


衛兵B「今日は何用で参られた」


 いつもの衛兵さんじゃなかったのか、身分を聞かれていた。


ブライト「紅銀の大地のブライト・シンフィールドだ。今日は陛下と大事な話があり、参上した。陛下に合わせてもらえるかな?」


衛兵A「畏まりました。ではご案内致します」


 衛兵さんの案内で、僕達は謁見の間に通された。


衛兵A「陛下!紅銀の大地の方々がお見えになられました」


ガルム「うむ、入れ!」


衛兵A「失礼します」


 衛兵さんが扉を開けると、赤い絨毯が敷いてありその奥の玉座にガルム陛下がいた。


ガルム「ご苦労だったな。君はもう戻って良いぞ」


衛兵A「はっ!」


ガルム「ほかの者たちも、今回は私用の話し合いである。暫くは私と宰相だけにしてくれ。あと息子であるオーグを呼んできてくれ」


 そう言うと、陛下の周りにいた近衛騎士や大臣たちは下がっていった。


ガルム「今日はようこそおいでくださいました。そこのお嬢さんは初めましてですね。このイングレア王国の国王を務めているガルムと申します」


シルフィ「お初にお目にかかります、ガルム陛下。私は隣にいるユーマの専属のメイドであり婚約者のシルフィと申します。以後よろしくお願いします」


ガルム「シルフィというのか。こちらこそよろしく頼む。して今、婚約者と聞こえたのですが?」


  「はい!僕の両隣にいるルディとシルフィにプロポーズをして、婚約者となりました」


ガルム「おお!そうなんですか。それはおめでたいですな」


ヨハン「おめでとうございます。ユーマ殿」


ブライト「そろそろ良いでしょうか?陛下」


ガルム「出来れば息子であるアウグストにも聞かせなければならない事なので、息子が来てからでもよろしいですか?」


ブライト「分かりました」


 みんなで話していると、後ろの扉が開き、オーグが入ってきた。


オーグ「お呼びですか?父上。あれ?ユーマ達じゃないか。どうしたんだ?」


ガルム「おお、来たかオーグ。お前もこの話し合いに参加するが良い」


オーグ「はぁ、では失礼します」


 オーグは僕の近くに来た。


ガルム「では、ブライト殿。よろしくお願いします」


ブライト「分かりました」


 そうして、父さんが立ち上がり話し始めた。


ブライト「この話は俺と陛下、そしてギルド長であるグリスしか知らない事だ。実はここから北に50kmほど離れた場所にあるラピルスという村が大量の魔物に襲われ、壊滅した」


ユリウス「なんだって⁉︎」


サリー「もしかしてスタンピード?」


ブライト「ああ、俺と陛下、そしてグリスはそう読んでる」


エイナ「規模はどれくらいなの?」


ブライト「魔物の総数は4万から5万匹。その中で数が多いのがAランクからBランク体の魔物だ。その中にはSランクの魔物もいて、そしてその魔物達の1番奥には、EXランクの魔物であるエンシェント・ドラゴンがいるそうだ」


ヨハン「数がかなり多いですな。それにSランクに加え、EXランクのエンシェントドラゴンまでいるとは」


ブライト「ええ、だから今回のスタンピードに我々紅銀の大地は勿論、私達の子供であり弟子でもあるユーマ、ルディ、シルフィにも参加してもらいます」


オーグ「ブライトさん、1つ良いですか?」


ブライト「どうされました?殿下」


オーグ「ユーマやルディ、シルフィが強いのは分かりますが、魔物に対抗できるほどなのですか?それに弟子って一体?」


ブライト「ユーマやルディ、シルフィには5年前から私達紅銀の大地が修行をつけていたんです。だから私たちの修行をクリアした3人は、恐らく3人個々の力だけでAランクの魔物にも引けを取らないと思われます。そこに彼らの従魔が加わるので充分以上の戦力になるかと思います」


オーグ「その彼らの従魔とは何ですか?それによってかなり変わります」


  「オーグ、そこからは僕やルディの秘密に関わる事だ。他言しないのであれば言えるけど、約束できるかい?」


ガルム「因みにその約束が違われた場合は、息子であろうと容赦しないからな」


オーグ「父上がここまで言うとは。分かったよ、絶対誰にも言わない」


 僕は父さんの方を向くと意図を読んでくれたのかと首を縦に振っていた。


  「分かったよ、オーグ。じゃあ僕から紹介するね。おいで、ルクス、リムル」


ルクス【お呼びですか?主よ】


リムル【ユーマ、呼んだ?】


 僕の隣に、2匹の従魔が現れた。


オーグ「その2匹がユーマの従魔なのか?でも従魔って1匹だけじゃないのか?」


ガルム「どういう事ですか?ユーマ君」


  「あれから数日後、森で弱っていたこの子を発見しまして、回復魔法で助けたら仲間になってくれたので従魔契約できました」


ガルム「本来は1匹しか従魔契約出来ないところを、君は2匹目と契約出来たのか。これは凄い事だ!」


  「さあ2人とも。オーグに挨拶して」


ルクス【お初にお目にかかります殿下。私は神獣フェンリルのルクスと申します。以後お見知り置きを】


リムル【私も初めましてですね。神龍のリムルです。今後ともよろしくです】


オーグ「こちらこそよろしくお願いします」


ルディ「次は私の従魔ね。おいで、クリス」


クリス「クルクルゥ」


ルディ「オーグ君、この子が私の従魔であるグリフォンのクリスよ」


 クリスは自分なりの挨拶としてオーグの足に頭をつけていた。


オーグ「なるほど、この従魔達ならSランクどころかEXランクでさえも倒せるかも知れませんね」


ブライト「ええ、なので今回ユーマ達も今回の魔物大量討伐に参加してもらいます」


ガルム「分かりました。今まで出払っていた騎士達も戻ってきたので、後は物資の補給ですかね」


ブライト「ええ、その辺はお任せしましたよ。陛下」


ガルム「分かりました。こちらで準備しておきます。ブライト殿達も準備の方よろしくお願いします」


ブライト「はい!」


 こうして、陛下への謁見を終えた僕達は、家に帰った。
 今日は合格祝いのパーティーをするらしい。
 今から楽しみだ。

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