〜異世界で契約した従魔がEXランクの魔物達でした〜
第11話〜王への謁見と意外な関係〜
第1章 異世界転生編
第11話〜王への謁見と意外な関係〜
...
...
兵士A「国王陛下、紅銀の大地の方達をお連れしました」
???「うむ、入れ!」
扉の向こうから男性の声が聞こえてきて、扉が開き僕達は中へと入った。
部屋の中心付近で止まると父さん達は片膝をついて、頭を下げた。
僕とルディも同じようにした。
???「よくぞ参られました。紅銀の大地の皆さん。どうか頭を上げてください」
ゆっくり顔を上げると、玉座に座っている国王陛下は30代前半ほどのブロンドの若い人だった。
しかも、冒険者である父さん達に敬語で話かけている辺り、何だか妙な雰囲気を感じる。
???「皆の者、ここはいいから下がれ。暫くは私と宰相だけで十分だ」
その言葉によって、陛下の周りや近くにいた大臣や兵士さん達は玉座の間から退出していった。
そして残ったのは、僕達と国王陛下、それに宰相と呼ばれた初老の男性だけとなった。
???「お久しぶりです、皆さん。全くお変わりがない様で嬉しい限りです」
ブライト「陛下もお元気そうで何よりです」
???「有難うございます。処でそちらの子供達は?」
国王陛下の視線が僕らに向いた。
「初めまして国王陛下。ブライト、サリーの息子で名をユーマ・シンフィールドと申します」
ルディ「初めまして。ユリウス、エイナの娘、ルディ・リザベートです。よろしくお願いいたします」
僕達は父さん達から教わった挨拶を国王陛下にした。
???「おお、君達が。初めまして。私はここイングレア王国の国王、ガルム・テラ・イングレアです。君達のことはブライト殿達からの手紙で知ってました。こうして会えた事を嬉しく思います」
国王陛下は優しく手を差し伸べてきて、僕とルディは握手を交わした。
挨拶が済んで国王陛下の視線は、再び父さん達に向いた。
ガルム「して、今日は如何なる御用で参られたのですか?」
ブライト「実は昨日、こちらの子供達が5歳になったので、従魔契約を行ったのです。しかし、その従魔の召喚で現れたのが少々大変な魔物でして」
ガルム「ほう。して、その魔物はこちらにいらしているのですか?」
ブライト「はい。さあ、2匹をここへ」
僕とルディは、後ろにいた従魔達を国王陛下の前に連れてきた。
ガルム「これはこれは、随分と可愛らしい魔物ですが、これのどこが大変なのですか?」
うん、その質問は尤もだ。
何故なら、今のルクス達はまだミニサイズのままなんだから。
「あの国王陛下、少し後ろに下がっていただけませんか?」
ガルム「うむ、分かりました」
国王陛下が安全な距離まで下がったのを確認した後、僕はルクスに指示を出した。
「ルクス、元の姿に戻って」
ルクス【承知しました】
ルディ「クリスもお願い」
クリス「クルゥ」
そして次の瞬間、2匹の体が輝き出し、2匹の体はたちまち元の魔物の姿になった。
ガルム「なっ・・・・・・何と⁉︎」
やっぱり国王陛下も驚いているようだ。
宰相閣下に至っては尻もちすらついている。
「国王陛下、改めてご紹介します。僕の従魔のフェンリル、名前はルクスと言います」
ルディ「同じく、私の従魔のグリフォン、名前はクリスです」
ルクスとクリスはその紹介と共に、国王陛下に深く頭を下げての挨拶をした。
ガルム「なっ・・・何と・・・・神獣とは、しかもそのグリフォンは姿を変えた事から特異種か。つまり、その子どもたちはEXランクの魔物と適合していたという事ですな」
ブライト「ええ。我々の言った大変という意味が分かりましたでしょう」
ガルム「それは勿論。では皆さんが今日いらした目的は、私に後ろ盾になって頂きたいという事ですな」
ユリウス「その通りです」
ブライト「私とユーマはもう一つ目的がありますが、それは後ほどで大丈夫です」
ガルム「分かりました。ガルム・テラ・イングレアの名にかけて、ここに誓います。ユーマ君とルディちゃんとその従魔、ルクスとクリスの安全を守る盾となることを約束しましょう」
「ありがとうございます。国王陛下」
僕がお礼を言うと、陛下は微笑んだ後、ルクスに向き合っていた。
ガルム「お久しぶりです。神獣様」
ルクス【やはり、何処かで感じた事のある魔力だと思ってましたが、あの時の少年でしたか】
「えっ⁉︎国王陛下とルクスって知り合いなんですか?」
ガルム「うむ。かなり昔の話なのだがな」
国王陛下の話では、彼がまだ子どもの時で当時は殿下だった頃、彼は好奇心から自身の従魔と一緒に城から抜け出し、近くの森に入ったが道に迷ってしまい帰る方向が分からなくなったそうだ。
そんな時、彼の目の前に現れたのがルクスと、彼の母親で当時の神獣だったそうだ。
彼らに帰り道を教えてもらい、王様は無事に城に帰れたそうだ。
ガルム「あの神獣様」
ルクス【ルクスとお呼び下さい。それが、今の僕の名前です】
ガルム「分かりました、ルクス殿。それで、先代の神獣様はお元気ですか?」
ルクス【残念ですが、お母様はあれから暫くして寿命で亡くなりました。僕はその跡を継ぎ神獣となり、主であるユーマと出会いました】
そうか・・・・・ルクスのお母さん亡くなってたのか。
ガルム「そうですか・・・ですが、再びルクス殿と会えて、私は嬉しく思います。ユーマくん、私がルクス殿と会えた事、誠に感謝します」
「はっ・・・・はい。恐れ入ります」
そこから僕達は仕事を終わらせたのでゆっくりお茶でもしようと言う陛下に甘えて世間話をしながら談笑した。
そして、外もいい感じに暗くなっていたので帰ることにしたのだ。
ユリウス「では、陛下。私達はそろそろ失礼します」
ガルム「そうですか。久しぶりに皆さんとお話できたので時間を忘れてしまいました。またいつでもいらしてください」
サリー「その時にはまたこの子たちも連れてきていいですか?」
ガルム「勿論ですよ。歓迎いたしますよ」
ルディ「ありがとうございます」
ブライト「あ、悪い。俺とユーマは陛下と大事な話があるからみんなは先に帰っていてくれ。そんなに遅くならずに帰るから」
ユリウス「そうか、分かった。今日は俺らみんなでご飯食べる予定だから早めにな。場所はブライトの家でな」
ブライト「わかった」
そういうと僕と父さん以外のみんなは国王陛下に一礼した後、玉座の間を出て行った。
ブライト「すみません、国王陛下。私達はまだ残ってしまって」
ガルム「いえ、今日の分の仕事は終わらせていたので大丈夫ですよ。何やら大事な話があるとか」
ブライト「はい。私の息子であるユーマについてお話ししておきたいことがあります。さ、ユーマ。陛下に話すんだろう?」
「うん。国王陛下、今から僕が話すことは全て事実です。その上で決して他言しないで下さい」
国王陛下が僕の言葉に無言で頷いたのを見て、僕は自分の秘密について語った。
第11話〜王への謁見と意外な関係〜
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兵士A「国王陛下、紅銀の大地の方達をお連れしました」
???「うむ、入れ!」
扉の向こうから男性の声が聞こえてきて、扉が開き僕達は中へと入った。
部屋の中心付近で止まると父さん達は片膝をついて、頭を下げた。
僕とルディも同じようにした。
???「よくぞ参られました。紅銀の大地の皆さん。どうか頭を上げてください」
ゆっくり顔を上げると、玉座に座っている国王陛下は30代前半ほどのブロンドの若い人だった。
しかも、冒険者である父さん達に敬語で話かけている辺り、何だか妙な雰囲気を感じる。
???「皆の者、ここはいいから下がれ。暫くは私と宰相だけで十分だ」
その言葉によって、陛下の周りや近くにいた大臣や兵士さん達は玉座の間から退出していった。
そして残ったのは、僕達と国王陛下、それに宰相と呼ばれた初老の男性だけとなった。
???「お久しぶりです、皆さん。全くお変わりがない様で嬉しい限りです」
ブライト「陛下もお元気そうで何よりです」
???「有難うございます。処でそちらの子供達は?」
国王陛下の視線が僕らに向いた。
「初めまして国王陛下。ブライト、サリーの息子で名をユーマ・シンフィールドと申します」
ルディ「初めまして。ユリウス、エイナの娘、ルディ・リザベートです。よろしくお願いいたします」
僕達は父さん達から教わった挨拶を国王陛下にした。
???「おお、君達が。初めまして。私はここイングレア王国の国王、ガルム・テラ・イングレアです。君達のことはブライト殿達からの手紙で知ってました。こうして会えた事を嬉しく思います」
国王陛下は優しく手を差し伸べてきて、僕とルディは握手を交わした。
挨拶が済んで国王陛下の視線は、再び父さん達に向いた。
ガルム「して、今日は如何なる御用で参られたのですか?」
ブライト「実は昨日、こちらの子供達が5歳になったので、従魔契約を行ったのです。しかし、その従魔の召喚で現れたのが少々大変な魔物でして」
ガルム「ほう。して、その魔物はこちらにいらしているのですか?」
ブライト「はい。さあ、2匹をここへ」
僕とルディは、後ろにいた従魔達を国王陛下の前に連れてきた。
ガルム「これはこれは、随分と可愛らしい魔物ですが、これのどこが大変なのですか?」
うん、その質問は尤もだ。
何故なら、今のルクス達はまだミニサイズのままなんだから。
「あの国王陛下、少し後ろに下がっていただけませんか?」
ガルム「うむ、分かりました」
国王陛下が安全な距離まで下がったのを確認した後、僕はルクスに指示を出した。
「ルクス、元の姿に戻って」
ルクス【承知しました】
ルディ「クリスもお願い」
クリス「クルゥ」
そして次の瞬間、2匹の体が輝き出し、2匹の体はたちまち元の魔物の姿になった。
ガルム「なっ・・・・・・何と⁉︎」
やっぱり国王陛下も驚いているようだ。
宰相閣下に至っては尻もちすらついている。
「国王陛下、改めてご紹介します。僕の従魔のフェンリル、名前はルクスと言います」
ルディ「同じく、私の従魔のグリフォン、名前はクリスです」
ルクスとクリスはその紹介と共に、国王陛下に深く頭を下げての挨拶をした。
ガルム「なっ・・・何と・・・・神獣とは、しかもそのグリフォンは姿を変えた事から特異種か。つまり、その子どもたちはEXランクの魔物と適合していたという事ですな」
ブライト「ええ。我々の言った大変という意味が分かりましたでしょう」
ガルム「それは勿論。では皆さんが今日いらした目的は、私に後ろ盾になって頂きたいという事ですな」
ユリウス「その通りです」
ブライト「私とユーマはもう一つ目的がありますが、それは後ほどで大丈夫です」
ガルム「分かりました。ガルム・テラ・イングレアの名にかけて、ここに誓います。ユーマ君とルディちゃんとその従魔、ルクスとクリスの安全を守る盾となることを約束しましょう」
「ありがとうございます。国王陛下」
僕がお礼を言うと、陛下は微笑んだ後、ルクスに向き合っていた。
ガルム「お久しぶりです。神獣様」
ルクス【やはり、何処かで感じた事のある魔力だと思ってましたが、あの時の少年でしたか】
「えっ⁉︎国王陛下とルクスって知り合いなんですか?」
ガルム「うむ。かなり昔の話なのだがな」
国王陛下の話では、彼がまだ子どもの時で当時は殿下だった頃、彼は好奇心から自身の従魔と一緒に城から抜け出し、近くの森に入ったが道に迷ってしまい帰る方向が分からなくなったそうだ。
そんな時、彼の目の前に現れたのがルクスと、彼の母親で当時の神獣だったそうだ。
彼らに帰り道を教えてもらい、王様は無事に城に帰れたそうだ。
ガルム「あの神獣様」
ルクス【ルクスとお呼び下さい。それが、今の僕の名前です】
ガルム「分かりました、ルクス殿。それで、先代の神獣様はお元気ですか?」
ルクス【残念ですが、お母様はあれから暫くして寿命で亡くなりました。僕はその跡を継ぎ神獣となり、主であるユーマと出会いました】
そうか・・・・・ルクスのお母さん亡くなってたのか。
ガルム「そうですか・・・ですが、再びルクス殿と会えて、私は嬉しく思います。ユーマくん、私がルクス殿と会えた事、誠に感謝します」
「はっ・・・・はい。恐れ入ります」
そこから僕達は仕事を終わらせたのでゆっくりお茶でもしようと言う陛下に甘えて世間話をしながら談笑した。
そして、外もいい感じに暗くなっていたので帰ることにしたのだ。
ユリウス「では、陛下。私達はそろそろ失礼します」
ガルム「そうですか。久しぶりに皆さんとお話できたので時間を忘れてしまいました。またいつでもいらしてください」
サリー「その時にはまたこの子たちも連れてきていいですか?」
ガルム「勿論ですよ。歓迎いたしますよ」
ルディ「ありがとうございます」
ブライト「あ、悪い。俺とユーマは陛下と大事な話があるからみんなは先に帰っていてくれ。そんなに遅くならずに帰るから」
ユリウス「そうか、分かった。今日は俺らみんなでご飯食べる予定だから早めにな。場所はブライトの家でな」
ブライト「わかった」
そういうと僕と父さん以外のみんなは国王陛下に一礼した後、玉座の間を出て行った。
ブライト「すみません、国王陛下。私達はまだ残ってしまって」
ガルム「いえ、今日の分の仕事は終わらせていたので大丈夫ですよ。何やら大事な話があるとか」
ブライト「はい。私の息子であるユーマについてお話ししておきたいことがあります。さ、ユーマ。陛下に話すんだろう?」
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