サムライだけど淫魔なので無双します ~淫魔王の血を引く少年は、剣と淫力で美少女達を屈服させる~
第22話 目覚める淫魔王の血
「ちょ、ちょっと。オリガさん、変なこと言わないでよ。今はそんなことしてる場合じゃないよ」
「あら、息抜き位してもいいじゃない」
「トリックスター一味にいつ襲われるかわからないし、僕は師匠の関係でサムライ達に狙われてるんだよ!」
「……」
スリードがまくし立てている間、オリガは黙っている。彼女のそんな態度を、純粋に反省しているのだと思い、スリードは話を続けた。
「ニーザはニーザでヴェストリアに敵対するナジュラの重要人物なんだから、さらわれたりでもしたら大変なんだから、気を抜いてる場合じゃないって!」
急に、オリガはプッと吹き出した。それから朗らかに笑い始めた。
「あははは、ムキになっちゃって可愛い」
「真面目に話してるんだけど!」
スリードはむくれた表情になる。
そんなスリードに対して、オリガはクスッと笑って、ベッドから降りた。
「スリード君、怒ってるの?」
「……」
「もう、そんな可愛い顔で怒っても、そそられるだけよ……」
少しずつ近付いていたオリガは、ある程度の距離まで行くと、一気にスリードに抱きついた。首に腕を絡ませ、耳たぶを甘噛みする。
「ひゃ、ひゃあ!?」
チュルッ、チュパ……。
耳元で派手に聞こえる音が、淫猥な響きを持って、鼓膜を直撃する。
「だから、これで許してちょうだい……」
「こ、これで、って?」
「もちろん……体で」
甘い囁き声をスリードの耳に吹きかけた後、オリガは抱きついたまま、一緒になってベッドの上に倒れた。
「さあ、始めましょう……」
オリガは、前口上を終えると、すぐにスリードの唇を舌でチロチロと舐め始めた。ゆっくりと、スリードの衣をはだけさせながら、アゴ、のど、胸、腹……と舌で舐め伝っていく。唾液の跡が、線となって残っている。
「ふっ、く……」
体中から伝わってくる心地よい感覚に、スリードは快感の声を漏らした。
やがてオリガは、スリードの股の下へと、頭を潜り込ませた。
「ん……!」
耐えきれず、大きな声を上げてしまう。
そんな二人の様子を見守っていたソフィアとイリーナは、頬を紅潮させてモジモジしていたが、やがて我慢できなくなってきたか、
「イリーナ、私達も……」
「う、うん、そうね……」
ベッドの上で服を脱ぎ、下着姿になると、二人とも四つん這いになりながら、スリードとオリガが絡み合っているところへと近寄っていった。
すでにウットリとした表情のソフィアが、オリガの体に密着しながら、スリードの太ももへと舌を這わせた。
「灯りが点いてると、落ち着いて遊べないよね」
イリーナは、枕元のテーブルに置いてあるランプを消し、さらに壁にかかっている室内灯の火を吹き消した。
途端に、部屋の中が真っ暗になる。丸窓から、月光が差し込んでくるだけ。
「ふふ、ムードが出てきたわね……」
衣ずれの音。オリガが、ボンテージのレオタードを脱ぎ、一糸まとわぬ格好になった。完全な闇ではないが、室内の暗さが、かえって見えない部分の想像力を掻き立て、オリガのシルエットを刺激的に見せている。
「さあ……いよいよ本番よ」
オリガは、スリードの上に覆い被さった。互いの腰の位置を合わせ、ゆっくりと自身の下腹部を沈めていく。やがて「あああ」と喜びの声を上げた。
室内に水音が響き渡る。
「もしかして……ん、くぁ……スリード君、これが初めて……?」
「う……うん……」
「うふふ、そうしたら……私が一番乗り、ね……ぁあ、すごく、いい……」 
オリガはギュッと目をつむり、切なそうに眉根を寄せ、全神経を下半身に集中させている。
その間も、ソフィアとイリーナは、スリードの全身のあらゆるところに舌を這わせて、隙の無い快楽を与え続けている。
スリードは脳味噌がピリピリと痺れるほどの快感を覚えていた。 
(これが……女の人を……抱く、ということ……)
自分の意識が闇の中へと溶けていってしまいそうになる。三人娘から発せられる、柔肌の甘い香りが、体内の血を昂ぶらせていく。
ドクン。
心臓が脈打つのを感じた。 
「あぐ――!」
胸を押さえて、スリードはうめき声を上げる。
『スリード』
こえが、きこえた。
『スリード』
ひどくなつかしく、そのこえは、なつかしく、
『スリード』
こえは――。
 「うあ、が、ああああああああ!」
突然叫びだしたスリードに驚き、三人娘はすぐにベッドから飛び降りた。 
「ス、スリード?」
イリーナは身震いをした。暗がりの中、立ち上がったスリードの背中から、何本もの触手が生えているからだ。
ぼくはぼくはうえてうえているいる――。
 「逃げ――て――!」
自分の中から湧き上がってくる邪悪な欲望に、全身を突き動かされる。背中から生えている触手が、早く獲物を捕食したいと蠢いているのを感じる。このままでは、オリガ達に大変なことをしてしまう、とわかっていた。
「まさか、嘘でしょ」
オリガは怯えた目で、スリードのことを見つめている。どこかで淫魔王のことは御伽噺の存在だと思っていたし、アウスティア王家がその血を引いているという話も、スリードがそのアウスティア王家の第一王子であるのではという疑念も、どこか疑っているところがあった。
だが、全ては真実だったようだ。
今、自分達の目の前で、スリードは異形と化しつつある。 
おかすおかすおかすおかすうえておかすおかすおかすおかすおかすうえておかすおかすおかすおかす――。
スリードの中に眠る邪悪な血が目覚めようとしていた。
※ ※ ※
同時刻、砂上船ガラテア号の操舵室にて。
窓から艦首方向を確認しつつ、操舵手ロムフィは地図通りに船を動かしていく。前面に広がるガラス窓の向こうには、怪しい影は見当たらない。最近、サンドライダーズによって定期船が一隻破壊されているため、油断は出来なかった。
「出てくるなよー、骸骨戦士ども」
航海士のキクレインは、丸テーブルの上に乗っている半球型のガラスを見て、祈るように呟いた。
半球型のガラスには、何も怪しい影は映っていない。
ヴェストリアより支給された、魔道レーダー。昔から魔道レーダーは存在しているが、初期のタイプは、動くものは木の葉であろうと雲であろうと捕捉してしまっていた。
キクレインが常に見張っているこのレーダーは、生命体を捕捉するのはおろか、植物を誤認識しない、幽霊やアンデッドの類をも認識する、最新式の優れたレーダーである。
「どうだね、キクレイン。調子は」
操舵室に戻ってきたキャプテン・ホークに、キクレインは敬礼して答えた。
「はいっ、異常はありません!!」
「うむ。ならば、このまま監視を続けていてくれ」
「了解です!!」
そのとき、キクレインはレーダーに背中を向けていた。
運命の神の悪戯か、わかっていたとしても逃れようのない状況になっていたのか、誰にもわからない。
もしも、この瞬間、キクレインがレーダーの方を振り向いていたなら、多少は未来は変わっていたかもしれない。
レーダーの端に、ほんの一瞬、赤い光点が映し出された。隅から隅まで目を配っているキクレインなら、絶対に発見していたであろう、不穏な影。しかし、彼がレーダー監視の業務に戻る頃には、すでに赤い光点は索敵範囲外に出てしまっていた。
航海一日目の夜、夜明けまでの長い悪夢の時間が、今始まろうとしていた。
「あら、息抜き位してもいいじゃない」
「トリックスター一味にいつ襲われるかわからないし、僕は師匠の関係でサムライ達に狙われてるんだよ!」
「……」
スリードがまくし立てている間、オリガは黙っている。彼女のそんな態度を、純粋に反省しているのだと思い、スリードは話を続けた。
「ニーザはニーザでヴェストリアに敵対するナジュラの重要人物なんだから、さらわれたりでもしたら大変なんだから、気を抜いてる場合じゃないって!」
急に、オリガはプッと吹き出した。それから朗らかに笑い始めた。
「あははは、ムキになっちゃって可愛い」
「真面目に話してるんだけど!」
スリードはむくれた表情になる。
そんなスリードに対して、オリガはクスッと笑って、ベッドから降りた。
「スリード君、怒ってるの?」
「……」
「もう、そんな可愛い顔で怒っても、そそられるだけよ……」
少しずつ近付いていたオリガは、ある程度の距離まで行くと、一気にスリードに抱きついた。首に腕を絡ませ、耳たぶを甘噛みする。
「ひゃ、ひゃあ!?」
チュルッ、チュパ……。
耳元で派手に聞こえる音が、淫猥な響きを持って、鼓膜を直撃する。
「だから、これで許してちょうだい……」
「こ、これで、って?」
「もちろん……体で」
甘い囁き声をスリードの耳に吹きかけた後、オリガは抱きついたまま、一緒になってベッドの上に倒れた。
「さあ、始めましょう……」
オリガは、前口上を終えると、すぐにスリードの唇を舌でチロチロと舐め始めた。ゆっくりと、スリードの衣をはだけさせながら、アゴ、のど、胸、腹……と舌で舐め伝っていく。唾液の跡が、線となって残っている。
「ふっ、く……」
体中から伝わってくる心地よい感覚に、スリードは快感の声を漏らした。
やがてオリガは、スリードの股の下へと、頭を潜り込ませた。
「ん……!」
耐えきれず、大きな声を上げてしまう。
そんな二人の様子を見守っていたソフィアとイリーナは、頬を紅潮させてモジモジしていたが、やがて我慢できなくなってきたか、
「イリーナ、私達も……」
「う、うん、そうね……」
ベッドの上で服を脱ぎ、下着姿になると、二人とも四つん這いになりながら、スリードとオリガが絡み合っているところへと近寄っていった。
すでにウットリとした表情のソフィアが、オリガの体に密着しながら、スリードの太ももへと舌を這わせた。
「灯りが点いてると、落ち着いて遊べないよね」
イリーナは、枕元のテーブルに置いてあるランプを消し、さらに壁にかかっている室内灯の火を吹き消した。
途端に、部屋の中が真っ暗になる。丸窓から、月光が差し込んでくるだけ。
「ふふ、ムードが出てきたわね……」
衣ずれの音。オリガが、ボンテージのレオタードを脱ぎ、一糸まとわぬ格好になった。完全な闇ではないが、室内の暗さが、かえって見えない部分の想像力を掻き立て、オリガのシルエットを刺激的に見せている。
「さあ……いよいよ本番よ」
オリガは、スリードの上に覆い被さった。互いの腰の位置を合わせ、ゆっくりと自身の下腹部を沈めていく。やがて「あああ」と喜びの声を上げた。
室内に水音が響き渡る。
「もしかして……ん、くぁ……スリード君、これが初めて……?」
「う……うん……」
「うふふ、そうしたら……私が一番乗り、ね……ぁあ、すごく、いい……」 
オリガはギュッと目をつむり、切なそうに眉根を寄せ、全神経を下半身に集中させている。
その間も、ソフィアとイリーナは、スリードの全身のあらゆるところに舌を這わせて、隙の無い快楽を与え続けている。
スリードは脳味噌がピリピリと痺れるほどの快感を覚えていた。 
(これが……女の人を……抱く、ということ……)
自分の意識が闇の中へと溶けていってしまいそうになる。三人娘から発せられる、柔肌の甘い香りが、体内の血を昂ぶらせていく。
ドクン。
心臓が脈打つのを感じた。 
「あぐ――!」
胸を押さえて、スリードはうめき声を上げる。
『スリード』
こえが、きこえた。
『スリード』
ひどくなつかしく、そのこえは、なつかしく、
『スリード』
こえは――。
 「うあ、が、ああああああああ!」
突然叫びだしたスリードに驚き、三人娘はすぐにベッドから飛び降りた。 
「ス、スリード?」
イリーナは身震いをした。暗がりの中、立ち上がったスリードの背中から、何本もの触手が生えているからだ。
ぼくはぼくはうえてうえているいる――。
 「逃げ――て――!」
自分の中から湧き上がってくる邪悪な欲望に、全身を突き動かされる。背中から生えている触手が、早く獲物を捕食したいと蠢いているのを感じる。このままでは、オリガ達に大変なことをしてしまう、とわかっていた。
「まさか、嘘でしょ」
オリガは怯えた目で、スリードのことを見つめている。どこかで淫魔王のことは御伽噺の存在だと思っていたし、アウスティア王家がその血を引いているという話も、スリードがそのアウスティア王家の第一王子であるのではという疑念も、どこか疑っているところがあった。
だが、全ては真実だったようだ。
今、自分達の目の前で、スリードは異形と化しつつある。 
おかすおかすおかすおかすうえておかすおかすおかすおかすおかすうえておかすおかすおかすおかす――。
スリードの中に眠る邪悪な血が目覚めようとしていた。
※ ※ ※
同時刻、砂上船ガラテア号の操舵室にて。
窓から艦首方向を確認しつつ、操舵手ロムフィは地図通りに船を動かしていく。前面に広がるガラス窓の向こうには、怪しい影は見当たらない。最近、サンドライダーズによって定期船が一隻破壊されているため、油断は出来なかった。
「出てくるなよー、骸骨戦士ども」
航海士のキクレインは、丸テーブルの上に乗っている半球型のガラスを見て、祈るように呟いた。
半球型のガラスには、何も怪しい影は映っていない。
ヴェストリアより支給された、魔道レーダー。昔から魔道レーダーは存在しているが、初期のタイプは、動くものは木の葉であろうと雲であろうと捕捉してしまっていた。
キクレインが常に見張っているこのレーダーは、生命体を捕捉するのはおろか、植物を誤認識しない、幽霊やアンデッドの類をも認識する、最新式の優れたレーダーである。
「どうだね、キクレイン。調子は」
操舵室に戻ってきたキャプテン・ホークに、キクレインは敬礼して答えた。
「はいっ、異常はありません!!」
「うむ。ならば、このまま監視を続けていてくれ」
「了解です!!」
そのとき、キクレインはレーダーに背中を向けていた。
運命の神の悪戯か、わかっていたとしても逃れようのない状況になっていたのか、誰にもわからない。
もしも、この瞬間、キクレインがレーダーの方を振り向いていたなら、多少は未来は変わっていたかもしれない。
レーダーの端に、ほんの一瞬、赤い光点が映し出された。隅から隅まで目を配っているキクレインなら、絶対に発見していたであろう、不穏な影。しかし、彼がレーダー監視の業務に戻る頃には、すでに赤い光点は索敵範囲外に出てしまっていた。
航海一日目の夜、夜明けまでの長い悪夢の時間が、今始まろうとしていた。
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