サムライだけど淫魔なので無双します ~淫魔王の血を引く少年は、剣と淫力で美少女達を屈服させる~
第4話 淫力覚醒
(来る!)
咄嗟にスリードは刀を水平に構え、顔の高さまで撥ね上げた。
間一髪で、轟音と共に突っ込んできたエイミの攻撃を防ぐ。激突の勢いで、スリードの上体は大きくバランスを崩した。
のけぞったスリードの視界に、短針に飛び移って、真下を見下ろすエイミの姿が飛び込んできた。その狙いに気が付いたスリードは、手すりに掴まって倒れるのを防ぎ、大声で叫んだ。
「オリガさん、上に行った!!」
スリードの声が届く前に、超高速でエイミが飛びかかる。
「ガルゥ!!」
「くっ!」
落雷の如き落下攻撃を、紙一重の差でオリガはかわした。
ズゴン。鉄で出来た足場が、エイミの落下の衝撃で大きく震動し、大時計との接着面がメキメキと剥がれ始めた。
ピン、ピン、ピン……足場を大時計にくっ付けているボルトが、次々と音を立てて外れていく。足場が崩落するのも、時間の問題だ。
「オリガさん、急いで!」
「わかってるわ!」
スリードは時計の針の根元に飛び乗り、オリガはスリードに向けて、鞭を振った。スリードがその鞭を掴んだ瞬間、二人の乗っていた足場は時計台の壁から剥がれ、下の図書館の屋根へと落ちていった。この高さだと、重傷か、死は免れられない。
オリガは、スリードが握っている鞭にぶら下がる形で、空中に投げ出された。
「あいつはどこ!?」
時計の中心で、自分の鞭を命綱にぶら下がっているオリガは、慌てて周囲を見回した。
「ここよ」
声に驚いてオリガが斜め上方を向くと、獣人エイミは数字の「9」の、下の鉤型の部分にぶら下がっていた。
「容赦はしない……」
エイミは数字の「9」から手を離した。
(まずい!)
オリガは両手に力を込めて、思い切り時計台の壁を蹴飛ばした。
ドンッ。オリガがぶら下がっていた場所に、大きな穴が空く。飛びかかったエイミが、渾身の力を込めて、壁を殴りつけたのだ。壁際から離れていたオリガは、何とか難を逃れた。しかし……。
「甘い」
今空いたばかりの穴に手を突っ込んだまま、片手で自分の体を持ち上げ、エイミは穴の中に入った。外を向いて、待ち伏せする。一度壁から離れたオリガだが、なす術もなく、エイミが待ち受ける壁の方へと戻っていく。
「覚悟はいい?」
(しまった!)
オリガは眼を閉じた。もう、殺されるしか道は残されていない。
「うおおお!!」
スリードは吼え、大時計の壁面に背中を着けて、力の限り鞭を引っ張った。肩の傷口から、大量の血が吹き出る。痛みを耐えて、全身に力を込めた。
鞭が上に引かれると同時に、オリガの体が持ち上げられる。その直後、寸前までオリガがいた場所を、エイミの爪が空振りした。もしもスリードがオリガを持ち上げなかったら、エイミの攻撃はオリガの美しい顔を無残に切り裂いていただろう。
「そう来ないと」
楽しそうにエイミは言って、穴の中に姿を消した。
かと思えば、スリード達の頭上で、時計盤に穴が空いた。中からエイミが顔を覗かせてくる。
「そろそろ死んでもらうわ」
舌なめずりをし、エイミが身構えた。
このままでは、エイミの攻撃を避けることは出来ない。足場が悪すぎる。どこかに逃げ場はないかと思い、スリードは周囲を見回した。そして、ある場所に気が付いた。
「オリガさん、僕に抱きついて」
「えっ」
「変な意味はないから。早く」
「わ、わかったわ」
オリガはスリードの首に手を回し、真正面から抱きついた。柔らかい巨乳が、胸に押し当てられ、スリードは顔を赤くした。
「オリガさん、この高さから落ちても、大丈夫?」
「は? 何言ってるの、大丈夫なわけないでしょ」
「やっぱりね。僕もそう」
オリガは気が付いた。ずっと、スリードが下を見ていることを。
「ちょっと、何考えてるの!!」
スリードは口に出さず、自らの行動で答えた。
時計台の壁を蹴り、空中に飛び出したのである。
「いやあああ!!」
恐怖のあまり、オリガは悲鳴を上げた。
落下しながら、スリードは時計台に自分の刀を突き刺した。耳をつんざく摩擦音が響き、壁を縦一文字に切り裂いていく。それでも、刀は刃こぼれ一つしない。師匠の蒼麟からもらった妖刀イツバミの恐るべき力である。
やがて、十分にスピードが落ち、図書館の屋根まで近付いたところで、パッと刀から手を離し、時計台の壁を蹴飛ばした。再び宙に舞ったスリードとオリガは、図書館の屋根に叩きつけられた。スピードは落ちていたが、それでも痛いことには変わりない。二人はその場でのた打ち回った。
「痛たたた……」
「何て、無茶するのよ……」
「あれしか方法を思い付かなかったんだ……」
「もっと、いい方法が……」
なおも文句を言おうとしたオリガだったが、上空を見た瞬間、目を見開き、大声で叫んだ。
「危ない!!」
オリガは、スリードの体を抱えて、脇へと飛びのいた。
ズンッッ。
時計盤の長針が落下してきて、さっきまで二人がいた場所に、深々と突き刺さった。
図書館の屋根から突き出すように、長針が目の前に立っている。そして、その上には、猫座りをしているエイミの姿があった。
「よくかわせたわね。でも、その様子だと、もう負け確定」
「……」
落下する時、スリードはオリガをかばって、自分が下敷きとなった。だからすぐには動けない。一番ダメージの低かったオリガが、抵抗しようと立ち上がる。
「まだ、諦めないわ!」
鞭を振り、エイミに全力で攻撃を仕掛ける。ブゥン――空を切り裂く、強力な鞭攻撃。それを、エイミは片手で鞭を掴んで、いとも簡単に防いでしまった。
「そ、そんな!?」
「だから、負け確定、と言ったの」
刹那、オリガの腹部に衝撃が走った。
いつのまに接近していたのか――エイミの拳が、腹にめり込んでいる。だが、貫いてはいない。
崩れ落ちるオリガを見下ろして、エイミは笑みを浮かべた。
「すぐに楽にしてあげるわ」
それから、エイミはスリードの方を向いた。
「まずは一番厄介なのから、始末しておかないとね」
スリードに向けた瞳は、ゾクッとするほど冷たく輝いている。エイミは四つんばいになり、獣のように腰を振りながら、ゆっくりと近寄ってきた。
(こんな……ところで……)
あと少しで蒼麟を見つけられるかもしれない、というのに、殺されるわけにはいかない。だけど、体は動かない。落下によるダメージから回復できずにいる。
「あなた、とても強かった。殺すのが惜しいくらい」
エイミは、多くの人を殺した獣人にしては、可愛らしすぎる笑顔を浮かべ、スリードの体の上にまたがった。そして、拳を振り上げた。
「でも、バイバイ」
(まだ死ねない!)
スリードは必死の思いで、エイミのことを睨みつけた。
二人の目線が合った、その瞬間。
「あんっ⁉ くっ!」
急にエイミは悩ましい声を上げ、全身から力が抜けたかのように、ぐにゃりと崩れ落ちた。
「え……?」
何が起きたかわからず、困惑するスリード。
その下腹部のあたりで、エイミはハァハァと荒い息づかいをし、潤んだ瞳で、スリードの股間のあたりを見ている。
「なん……で……こんな……に……これが……」
「うっ」
スリードは思わず声を出した。
エイミは、袴の上からスリードの股間をさすっている。頬を上気させ、物欲しそうな表情で、一心不乱に下腹部の一点を見つめ続けている。
「ん、く……」
何かに耐えようとしているのか、エイミはうっすらと涙を浮かべている。荒い鼻息が、スリードの耳元まで届いてくる。
「体が……んぅ……熱い……よぉ……」
エイミはお尻を突き出す格好で四つん這いになりながら、片手で自分のビキニパンツをずらした。たちまち下半身は何もはいていない状態になる。
もう我慢の限界なのか、額に汗を滲ませている。褐色の頬を、大粒の涙が伝った。勝ったエイミが、スリードに服従しているかのような有様だ。
恍惚の表情で、エイミはスリードのことを見てきた。
「まさか……」
ついに白ビキニのブラにまで指をかけ、脱ぎ始めようとしている。
「まさか……あなたが……」
涙をこぼしながら、雌のように迫り来るビキニ姿の美少女を見ていると、スリードもまた体内に熱いものが込み上げてくるのを感じた。
(どうしよう……僕も……このままだと……)
さっきまで殺し合いをしていたはずなのに、いまや二人は一線を越えようとしている。ほんのちょっと目線が合っただけで、なぜこのような状態になっているのか。
「や、いや、こんなに……あ、あんん……」
エイミはスリードの体の上で身悶えした。何もはいていない下半身が露わになるが、恥じらいは無かった。そして、ビキニのブラを外した。
「欲し、い……」
その豊かな乳房を、スリードの腹部に押し当てる。その表情は、もはや戦士としての顔ではない。スリードに心の底から屈服している、一人の雌の顔だった。
「濃いの……いっぱい……ちょうだい……」
エイミは無我夢中で、スリードの袴に手をかけた。ゆっくりと、紐を解き、足元のほうへとずり下げていく。
あと少しで、何もかもが外に出てしまう、というところで、
「やめんかッ!」
誰かの大喝一声とともに、その場を疾風が駆け抜けた。
打撃音が響き、エイミは白目を剥いてグラリと倒れる。
(な……何が……⁉)
状況を把握しようと、体を動かせないながらも、周囲を確認しようとしたスリードだったが、その頭部に衝撃が走った。
そしてスリードもまた、意識を失ったのであった。
咄嗟にスリードは刀を水平に構え、顔の高さまで撥ね上げた。
間一髪で、轟音と共に突っ込んできたエイミの攻撃を防ぐ。激突の勢いで、スリードの上体は大きくバランスを崩した。
のけぞったスリードの視界に、短針に飛び移って、真下を見下ろすエイミの姿が飛び込んできた。その狙いに気が付いたスリードは、手すりに掴まって倒れるのを防ぎ、大声で叫んだ。
「オリガさん、上に行った!!」
スリードの声が届く前に、超高速でエイミが飛びかかる。
「ガルゥ!!」
「くっ!」
落雷の如き落下攻撃を、紙一重の差でオリガはかわした。
ズゴン。鉄で出来た足場が、エイミの落下の衝撃で大きく震動し、大時計との接着面がメキメキと剥がれ始めた。
ピン、ピン、ピン……足場を大時計にくっ付けているボルトが、次々と音を立てて外れていく。足場が崩落するのも、時間の問題だ。
「オリガさん、急いで!」
「わかってるわ!」
スリードは時計の針の根元に飛び乗り、オリガはスリードに向けて、鞭を振った。スリードがその鞭を掴んだ瞬間、二人の乗っていた足場は時計台の壁から剥がれ、下の図書館の屋根へと落ちていった。この高さだと、重傷か、死は免れられない。
オリガは、スリードが握っている鞭にぶら下がる形で、空中に投げ出された。
「あいつはどこ!?」
時計の中心で、自分の鞭を命綱にぶら下がっているオリガは、慌てて周囲を見回した。
「ここよ」
声に驚いてオリガが斜め上方を向くと、獣人エイミは数字の「9」の、下の鉤型の部分にぶら下がっていた。
「容赦はしない……」
エイミは数字の「9」から手を離した。
(まずい!)
オリガは両手に力を込めて、思い切り時計台の壁を蹴飛ばした。
ドンッ。オリガがぶら下がっていた場所に、大きな穴が空く。飛びかかったエイミが、渾身の力を込めて、壁を殴りつけたのだ。壁際から離れていたオリガは、何とか難を逃れた。しかし……。
「甘い」
今空いたばかりの穴に手を突っ込んだまま、片手で自分の体を持ち上げ、エイミは穴の中に入った。外を向いて、待ち伏せする。一度壁から離れたオリガだが、なす術もなく、エイミが待ち受ける壁の方へと戻っていく。
「覚悟はいい?」
(しまった!)
オリガは眼を閉じた。もう、殺されるしか道は残されていない。
「うおおお!!」
スリードは吼え、大時計の壁面に背中を着けて、力の限り鞭を引っ張った。肩の傷口から、大量の血が吹き出る。痛みを耐えて、全身に力を込めた。
鞭が上に引かれると同時に、オリガの体が持ち上げられる。その直後、寸前までオリガがいた場所を、エイミの爪が空振りした。もしもスリードがオリガを持ち上げなかったら、エイミの攻撃はオリガの美しい顔を無残に切り裂いていただろう。
「そう来ないと」
楽しそうにエイミは言って、穴の中に姿を消した。
かと思えば、スリード達の頭上で、時計盤に穴が空いた。中からエイミが顔を覗かせてくる。
「そろそろ死んでもらうわ」
舌なめずりをし、エイミが身構えた。
このままでは、エイミの攻撃を避けることは出来ない。足場が悪すぎる。どこかに逃げ場はないかと思い、スリードは周囲を見回した。そして、ある場所に気が付いた。
「オリガさん、僕に抱きついて」
「えっ」
「変な意味はないから。早く」
「わ、わかったわ」
オリガはスリードの首に手を回し、真正面から抱きついた。柔らかい巨乳が、胸に押し当てられ、スリードは顔を赤くした。
「オリガさん、この高さから落ちても、大丈夫?」
「は? 何言ってるの、大丈夫なわけないでしょ」
「やっぱりね。僕もそう」
オリガは気が付いた。ずっと、スリードが下を見ていることを。
「ちょっと、何考えてるの!!」
スリードは口に出さず、自らの行動で答えた。
時計台の壁を蹴り、空中に飛び出したのである。
「いやあああ!!」
恐怖のあまり、オリガは悲鳴を上げた。
落下しながら、スリードは時計台に自分の刀を突き刺した。耳をつんざく摩擦音が響き、壁を縦一文字に切り裂いていく。それでも、刀は刃こぼれ一つしない。師匠の蒼麟からもらった妖刀イツバミの恐るべき力である。
やがて、十分にスピードが落ち、図書館の屋根まで近付いたところで、パッと刀から手を離し、時計台の壁を蹴飛ばした。再び宙に舞ったスリードとオリガは、図書館の屋根に叩きつけられた。スピードは落ちていたが、それでも痛いことには変わりない。二人はその場でのた打ち回った。
「痛たたた……」
「何て、無茶するのよ……」
「あれしか方法を思い付かなかったんだ……」
「もっと、いい方法が……」
なおも文句を言おうとしたオリガだったが、上空を見た瞬間、目を見開き、大声で叫んだ。
「危ない!!」
オリガは、スリードの体を抱えて、脇へと飛びのいた。
ズンッッ。
時計盤の長針が落下してきて、さっきまで二人がいた場所に、深々と突き刺さった。
図書館の屋根から突き出すように、長針が目の前に立っている。そして、その上には、猫座りをしているエイミの姿があった。
「よくかわせたわね。でも、その様子だと、もう負け確定」
「……」
落下する時、スリードはオリガをかばって、自分が下敷きとなった。だからすぐには動けない。一番ダメージの低かったオリガが、抵抗しようと立ち上がる。
「まだ、諦めないわ!」
鞭を振り、エイミに全力で攻撃を仕掛ける。ブゥン――空を切り裂く、強力な鞭攻撃。それを、エイミは片手で鞭を掴んで、いとも簡単に防いでしまった。
「そ、そんな!?」
「だから、負け確定、と言ったの」
刹那、オリガの腹部に衝撃が走った。
いつのまに接近していたのか――エイミの拳が、腹にめり込んでいる。だが、貫いてはいない。
崩れ落ちるオリガを見下ろして、エイミは笑みを浮かべた。
「すぐに楽にしてあげるわ」
それから、エイミはスリードの方を向いた。
「まずは一番厄介なのから、始末しておかないとね」
スリードに向けた瞳は、ゾクッとするほど冷たく輝いている。エイミは四つんばいになり、獣のように腰を振りながら、ゆっくりと近寄ってきた。
(こんな……ところで……)
あと少しで蒼麟を見つけられるかもしれない、というのに、殺されるわけにはいかない。だけど、体は動かない。落下によるダメージから回復できずにいる。
「あなた、とても強かった。殺すのが惜しいくらい」
エイミは、多くの人を殺した獣人にしては、可愛らしすぎる笑顔を浮かべ、スリードの体の上にまたがった。そして、拳を振り上げた。
「でも、バイバイ」
(まだ死ねない!)
スリードは必死の思いで、エイミのことを睨みつけた。
二人の目線が合った、その瞬間。
「あんっ⁉ くっ!」
急にエイミは悩ましい声を上げ、全身から力が抜けたかのように、ぐにゃりと崩れ落ちた。
「え……?」
何が起きたかわからず、困惑するスリード。
その下腹部のあたりで、エイミはハァハァと荒い息づかいをし、潤んだ瞳で、スリードの股間のあたりを見ている。
「なん……で……こんな……に……これが……」
「うっ」
スリードは思わず声を出した。
エイミは、袴の上からスリードの股間をさすっている。頬を上気させ、物欲しそうな表情で、一心不乱に下腹部の一点を見つめ続けている。
「ん、く……」
何かに耐えようとしているのか、エイミはうっすらと涙を浮かべている。荒い鼻息が、スリードの耳元まで届いてくる。
「体が……んぅ……熱い……よぉ……」
エイミはお尻を突き出す格好で四つん這いになりながら、片手で自分のビキニパンツをずらした。たちまち下半身は何もはいていない状態になる。
もう我慢の限界なのか、額に汗を滲ませている。褐色の頬を、大粒の涙が伝った。勝ったエイミが、スリードに服従しているかのような有様だ。
恍惚の表情で、エイミはスリードのことを見てきた。
「まさか……」
ついに白ビキニのブラにまで指をかけ、脱ぎ始めようとしている。
「まさか……あなたが……」
涙をこぼしながら、雌のように迫り来るビキニ姿の美少女を見ていると、スリードもまた体内に熱いものが込み上げてくるのを感じた。
(どうしよう……僕も……このままだと……)
さっきまで殺し合いをしていたはずなのに、いまや二人は一線を越えようとしている。ほんのちょっと目線が合っただけで、なぜこのような状態になっているのか。
「や、いや、こんなに……あ、あんん……」
エイミはスリードの体の上で身悶えした。何もはいていない下半身が露わになるが、恥じらいは無かった。そして、ビキニのブラを外した。
「欲し、い……」
その豊かな乳房を、スリードの腹部に押し当てる。その表情は、もはや戦士としての顔ではない。スリードに心の底から屈服している、一人の雌の顔だった。
「濃いの……いっぱい……ちょうだい……」
エイミは無我夢中で、スリードの袴に手をかけた。ゆっくりと、紐を解き、足元のほうへとずり下げていく。
あと少しで、何もかもが外に出てしまう、というところで、
「やめんかッ!」
誰かの大喝一声とともに、その場を疾風が駆け抜けた。
打撃音が響き、エイミは白目を剥いてグラリと倒れる。
(な……何が……⁉)
状況を把握しようと、体を動かせないながらも、周囲を確認しようとしたスリードだったが、その頭部に衝撃が走った。
そしてスリードもまた、意識を失ったのであった。
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