【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

745話 ミティvsロッシュ

 ミティが変態五人衆を返り討ちにした。

「な、なんだあの嬢ちゃんは……」

「このカジノが誇る五英傑をこうも簡単に……」

「しかも、まだガキじゃないか……」

「あんな子どもがあの人たちを倒すなんて……」

「ありえない……」

 観客や『闇蛇団』の職員が動揺している。

「もっと強い人はいないのですか! このカジノも大したことはありませんね!!」

 ミティが威勢よく叫ぶ。
 そのときだった。

「へへへ。活きの良いガキがいるじゃねぇか」

 ドレッドヘアーの男が姿を現した。

「お前がボスですね! 勝負です!!」

 ミティが嬉々として勝負を申し込む。

「ふっ……。俺の名は”ギャンブル王”ロッシュ。最強の賭博師だ」

「なんですって!? 私だって最強ですよ!」

「ほう。言うじゃねぇか……。じゃあよ、お前はパンツについてどう思う?」

「はあ!?」

 いきなり妙なことを聞いてくる男だ。

「なぜ急に下着の話をするのです?」

 ミティが困惑顔になる。

「パンツはいい。”パンがなければパンツを食べればいいのに”という素晴らしい言葉があるように、人類にとって、下着はなくてはならない存在なのだ」

「意味不明です! さっさと勝負しなさい!!」

「お前も下着を穿いているのなら、当然わかるはずだ。俺とお前は同じ穴のムジナだとな……」

「私はそんなことわかりません!」

「そうか。お前はパンツを履いていないということか……」

「履いてます!! 失礼なことを言わないでください!」

 ミティが顔を真っ赤にして怒る。
 どうにも会話が噛み合っていない。

「では、俺と同じ人種だということだ。仲良くやろうぜ? パンツを履いている奴に悪い奴はいねぇ」

 ロッシュがミティに手を差し出す。
 握手を求めているようだ。

「黙れ! 変態のゴミ虫が!!」

 ミティは怒りをあらわに叫ぶと、ロッシュの手をはたいて握手を拒絶した。

「そうか。お前とは分かり合えないようだな……。ならば仕方ない。力づくでわからせてやるぜ!」

 男はそう叫ぶと、テーブルの上にトランプを置いた。

「俺がカードで負けることは絶対にない!」

「ふんっ! 何を言っているのですか!! あなたはここでおしまいです!!」

 ミティが高らかに宣言する。
 そして、いよいよポーカー勝負が始まった。

「レイズです」

「ふん……。俺がそんなプラフにビビるとでも思っているのか?」

 ロッシュが余裕の表情で言う。
 そして、手札をオープンにした。

「ワンペアだ」

「むう……強敵ですね……。私はブタです……」

 ミティは悔しげにうめいた。
 ブタと言えば役なしのことなんだが、ミティのような美少女が言うとまた別の意味に聞こえて興奮する。
 夜の彼女は、どちらか言えばパワフルに責めてくるタイプだ。
 しかし、たまには攻守を逆転してみるのも面白いかもしれない。
 ”私はブタです”と夜に聞かせてほしいものだ。

(むっ! いかん、モノが大きくなってきた……)

 ミティとの営みを想像して、うっかり興奮してきた。
 これは少しマズい。

 ここは『闇蛇団』のアジト。
 場合によっては、いきなり戦闘になる可能性がなくもない。
 その際に、股間にテントを張ったまま戦うのは格好が付かない。

 何とか鎮めなければ。
 心を落ち着かせて……。

「あひっ! そ、そこはらめですぅ……」

「ん?」

「いやぁん……」

「おいおい、変な声を出すなよ……」

 突然、泥酔状態のトパーズから艶っぽい吐息が漏れてきた。
 ただでさえ興奮しているときに、余計な刺激を与えてくれるな。
 俺は、心の中でため息をついた。

「で、でもぉ。あなた様の手がぁ……」

「手? おおっ!? いつの間に……」

 俺が自分の手を見ると、知らない間にトパーズの股間をまさぐっていた。

「すまん。無意識のうちに手が動いてしまったみたいだ」

 俺は謝り、手を引き抜く。

「い、いえぇ。気持ちよかったので大丈夫れふぅ……」

「そうか」

 トパーズは意外にも寛容だった。
 酔っ払って判断能力が落ちているのだろうか?
 まったく、自己管理ができていないからこうなるんだ。
 まあ、最初にアルハラをかましたのは俺だが……。
 俺はトパーズのことを意識から振り払い、ミティとロッシュの勝負に視線を戻す。

「くっ! これで3連敗ですか……!」

「へへ。強気の賭けは、資金に乏しい奴や新参者には有効だがな。この俺には通じねぇ」

 ミティは劣勢のようだ。
 やはり頭目ともなれば、それなりの実力を持っているということだろう。

「さあ、次の勝負だ」

「望むところです!」

 2人はさらにカードをシャッフルし、新たな勝負を始めた。
 もしミティが負けてしまったら、次は俺が出るか。
 今のうちにロッシュの戦法を分析しておかないと。

 これまでの勝負では、ロッシュは真っ当に勝負をしているようだ。
 イカサマでもしてくれたら、対応が楽なのになぁ。
 俺がそんなことを考えているときだった。

「……ん?」

 俺は右手に不思議な感触を覚えた。
 それはマシュマロのように柔らかい感覚だった。

「なんだ? トパーズ」

「さっきのつづきのしてほしいのれふぅ……」

 トロンとした瞳で俺を見つめるトパーズ。

「お前は本当に酒癖が悪いな。今はダメだ」

「そんなこと言わないれくらさいぃ……。もっとさわってほしいれすぅ」

「やれやれ……。仕方ないな……。少しだけだぞ?」

「はい……。ありがとうございまず……。はぁんっ……」

 やれやれ。
 モテる男はツライぜ。
 トパーズの相手を適当に終わらせて、ミティとロッシュの試合を見ていかないとな。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品