【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

574話 男同士(?)の付き合い

 ジェイネフェリアと男同士の親睦を深めている。
 湯船にはゆっくりと浸かり、疲れを癒やした。
 続いて、彼の背中を流そうとしているところだ。

「ううっ……」

 彼は恥ずかしそうに背中を丸め、俺の視線から逃れようとしている。

「おいおい。そんな態度だと、俺が襲っているみたいじゃないか」

 俺が苦笑しながらそう指摘する。
 ジェイネフェリアの態度は、まるで恥じらう乙女みたいな反応だ。

「だって……。……騎士爵さんのアレが……」

「ん?」

 彼の言葉がいまいち理解できない。

「俺のモノがどうかしたのか?」

「ぼ、僕の背中に当たってるんだよー……」

 ジェイネフェリアが消え入りそうな声でそう言う。

「むっ! またか……。本当にすまない」

 なぜ俺のモノはこれほど大きくなっているのだろうか?
 俺には男色の趣味はないのだが。
 実際、キリヤ、トリスタ、セバスあたりと入浴しても、もちろん俺のモノはピクリとも反応しない。

 中性的なジェイネフェリアを見ていると、なぜか息子が元気になってしまう。
 これも【精力強化レベル1】や【夜戦術レベル1】の副作用なのか?

「ほ、本当に騎士爵さんは噂通り……。いや、噂以上の人だったんだよー。油断していたんだよー……」

 ジェイネフェリアは相変わらず、顔を赤くしたままだ。
 その表情は何というか、妙に艶っぽい。

「噂? 何の話だ? そんなことより、俺はジェイの事を気に入っている。だから、もっと仲良くなりたいと思っているんだ」

 彼は、なかなか優秀な魔道技師のようだった。
 仲良くなっておいて損はないだろう。

「そ、それはありがたい話なんだよー。でも、さすがにここまでの深い付き合いは覚悟してなかったんだよー」

「覚悟? 俺はただ、背中を流してやろうとしているだけだ。何か問題でもあるのか?」

「ううっ……」

 ジェイネフェリアは目を潤ませながら、こちらを見てくる。

「わ、わかったんだよー。お手柔らかに頼むんだよー」

 彼がなぜ逡巡していたのかよく分からないが、やっと観念したか。
 俺は満足げに微笑む。

「では、行くぞ」

「よ、よろしくなんだよー」

 俺はまず、彼の頭から洗っていくことにした。

「熱くないか?」

「大丈夫なんだよー」

 シャワーで軽く頭を濡らし、シャンプーで髪を洗ってやる。
 そして、そのままゆっくりと指で地肌をマッサージするように洗っていった。

「あぁー。気持ちいいんだよー」

 どうやら喜んでくれているようだ。
 シャンプーを洗い流す。
 次は体を洗ってやろう。

「では、背中からいくぞ」

「う、うん」

 ボディソープをつけた手で、ゆっくりとジェイネフェリアの背中をなでていく。

「ふむ……。なかなかきめ細かな肌だな」

「あ、ありがとうなんだよー。ちょっと恥ずかしいけど……」

 ジェイがそう言う。
 肌がきめ細かいこと自体は、何ら恥ずかしいことではないだろう。
 恥ずかしいと言えば……。

「少し筋肉が足りないかもしれないな。魔道技師にどのような能力が必要なのかはよく知らないのだが、もう少し鍛えた方ができることは増えるんじゃないか?」

「僕は魔法の才能は少しだけあるけど、肉体的な能力は高くないんだよー……。確かに、筋肉もあった方が作れる魔道具は増えるけど……」

 ジェイがそう呟く。
 天は二物を与えず。
 なかなかうまくいかないものだな。

 そんな彼に加護(小)を付与できれば、さらに高性能な魔道具の開発も可能かもしれない。
 その恩恵により、一部のスキルレベルが上がると同時に、基礎ステータスが2割向上するからな。

 彼の忠義度は、既に20台後半に達している。
 初対面のときから20を超えていて、商談が成立した時点で20台中盤に達した。
 さらにこの裸の付き合いによって、少し上下に振れながらも微増傾向にあるのだ。

「まあいい。今後、ゆっくり時間をかけて鍛えていけばいいだろう。さて、次は前を洗ってやろう」

「えっ!?」

「何を驚いている? 頭と背中を洗ったのだから、次は前だろう?」

「そ、そうなんだけど……。やっぱり自分でやるんだよー……」

「遠慮することはない。俺に任せろ」

 俺は有無を言わさず、彼の前に手を回す。
 そして、彼の胸板を洗い始めた。

「ううっ……」

 ジェイの横顔は真っ赤になっている。
 なぜ男同士でそんなに赤くなるんだ。
 彼はそういう趣味があるのか?
 俺まで少し変な気持ちになってきてしまう。

 落ち着け。
 今洗っているのは、男の胸板なのだ……。
 心頭滅却すべし。

 だが、無情にも俺の手に伝わってくる感触は……。
 ふにっ、ふにっ。
 柔らかい感触だった。

 男のくせに、ずいぶんと柔らかい。
 あまり太っているようには見えなかったのだが、胸部だけは脂肪があるようだ。

「はあ、はあ……」

 しかも、ジェイの呼吸が荒くなっている。
 一体どういうことだ?

「騎士爵さん……? あの……、もう……、やめてほしいんだよー。僕、おかしくなりそうなんだよー……」

 彼が消え入りそうな声でそう言ってくる。

「そ、そうだな。そうしよう」

 俺はそう返答する。
 これ以上やると、俺も何だか一線を越えてしまいそうだ。

 この世界において、男色はどの程度受け入れられているのだろうか?
 地球上においては、時代や地域によっては死罪や追放レベルの禁忌だったこともある。
 あまり大っぴらにはしない方がいいだろう。
 ミティやアイリスがドン引きするかは分からないが、少なくともプラスの感情は抱かれない気がする。

 ここは変な気を起こさないうちに退散すべきだ。
 俺はそう思った。
 しかし……。

「ひゃうんっ!? そ、そこはダメなんだよー!」

 ジェイがそんな声を上げる。

「む? どうした?」

「ど、どこを洗おうとしてるんだよー! 騎士爵さん、エッチなんだよー!」

 ジェイが顔を真赤にして、こちらに振り返りながら抗議してくる。

「何の話だ?」

 俺はそう問い返す。

「だから、僕の……」

 彼がそう言い掛けたところで、気付いた。
 俺は、自分でも気づかないうちに彼の下半身に手を伸ばしていたのだ。
 無意識の行動だ。

 自分の欲望を抑えられない。
 【精力強化レベル1】の副作用か?
 いや、そもそもの俺の精神力の問題かもしれない。

「すまん。すぐにやめる」

 俺はそう言って、彼の下半身のモノから手を離そうとする。
 だが、まるで吸い付くようにして離れない。
 物理的に吸い付かれているのではなく、俺の本能がそれを手放さないのだ。

「んんっ! ダ、ダメなんだよー。そこをそんなに強く握っちゃ……。あうっ!」

 彼が切なそうな表情で、喘ぎのような声を出す。
 それにしても、ずいぶんと小さなモノだ。
 俺のモノと比べると、1割以下のサイズ感しかないような……。

 小さいなんてレベルじゃねーぞ!
 俺は違和感を覚える。
 だが、そんな違和感は、興奮によって塗りつぶされた。

「騎士爵さ……。ああっ! ほ、本当にダメだんだよーっ!」

「…………」

 ジェイが抗議の声を上げるが、暴走状態の俺には届かない。
 俺は無言で手を上下に動かす。
 そして……。

「ああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

 彼の叫びと共に、俺の手に温かい液体が掛けられたのだった。

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