【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

504話 参加者の決定

 ハイブリッジ家の関係者で試合を行うことになった。
 今の参加人数は11人。
 せっかくなので、16人集めてトーナメント形式にしよう。
 参加者をあと5人集めたい。
 セバスが視線を向けた先には……。

「では、私が参加致しましょう」

 オリビアがそう言う。
 彼女はサリエの付き人だ。
 家事や料理に加えて、戦闘能力もそれなりにある。
 さらに、セバスの視線が他の者にも向かう。

「レインさん。参加してみなさい」

「ええっ!? 私ですか?」

「はい。あなたも戦闘の訓練はしたことがあるでしょう」

「う~。でも、実戦経験なんてありませんよ」

 レインがそう言う。
 何らかの戦闘技法は習っていたことがあるが、兵士や冒険者として活動していたわけではないといったところか。
 そう言えば、モニカも幼少期から格闘を習っていたのだったか。
 彼女に加護を付与した時点で、格闘術レベル1を所持していた。
 その分、冒険者としてデビューした後も順調に成長して活躍してみせた。

「いいじゃないか。出てみるといい。何かあっても、治療魔法使いはたくさんいる。大事にはならないさ」

 俺はそう声を掛ける。
 ミリオンズには治療魔法使いが多い。
 まずは、治療魔法レベル5のサリエ。
 他にも、俺、アイリス、マリア、リーゼロッテがいる。

「……わかりました。やってみます!」

 レインがそう言う。

「よし。では、他には……」

「セバスさんも出てくださいよ。私にお手本を見せてください」

 レインがそう言う。
 老体に戦闘は無理だろう。
 俺はそう思ったが……。

「ほほ。よろしいですよ。それでしたら、私も参加させていただきます」

「おお! セバスも戦えるのか。それは初耳だ」

 彼は執事として非常に有能で、ソツのない仕事をしてくれている。
 それに加えて戦闘の心得まであったとはな。

「昔取った杵柄です。しかし、まだまだ若い者には負けませんよ」

「そうか。セバスもレインも、期待しているぞ」

「「はい」」

 これで参加者は14人になった。

「あと2人だな。誰かいないか?」

 俺はそう言って、辺りを見回す。
 いつの間にか、みんなが集結している。

「……アイリス、モニカ。どうだ?」

 ミリオンズの中でも肉弾戦に秀でるのが彼女たちだろう。
 ミティやニムも強いが、彼女たち2人は出場が決まっている。
 他にもユナ、マリア、サリエ、リーゼロッテはもちろん強いが、遠距離攻撃や魔法に秀でたタイプだ。
 今回のトーナメントに無理に出る必要はない。

「そうだねー。出たいところだけど……。やめておくよ」

「私もそうする」

 アイリスとモニカの2人ともが出場辞退だ。

「ふむ……。まあ、2人が出たら他の者が萎縮してしまうか」

 近接戦闘において、彼女たちはミリオンズ内でも最強クラスである。
 ミティやニムに加えて彼女たちも出場してしまうと、優勝は実質的にその4人の争いとなってしまうだろう。
 それは少し面白くない。

「うーん。それもあるけど、実はまだ体調不良気味なんだよね」

 アイリスがそう言う。
 少し前から、調子を崩しがちだ。
 元気な日もあるのだが……。

「同じく。そう言えば、ミティは大丈夫なの?」

「ここ最近は大丈夫です! あまり無理はしないようにします!」

 モニカの問いに、ミティが元気よくそう答える。
 体調を崩しがちなのは、ミティ、アイリス、モニカの3人だ。
 この3人の共通点は何だろう?
 俺が考えこもうとしていたとき……。

「ふっ。それなら、ヴィルナが出てみろよ」

「私? でも、私は1対1の戦闘向きじゃないですよ?」

 キリヤの言葉を受けて、ヴィルナがそう言う。
 彼女は屋敷の警備兵として働いている。
 細剣を使った戦闘能力は、それなりにある。
 冒険者で言えばDランクといったところだろう。
 ただし、彼女の長所はその索敵能力だ。
 兎獣人として優れた聴力を持っている。

「いいじゃねえか。組み合わせ次第ではワンチャンあるかもしれねえぜ? 優勝して、賞金をたんまりもらえばいいだろう」

 キリヤがそう言う。
 優勝候補はミティかニムだ。
 しかし、組み合わせによっては誰しもが優勝する可能性がある。
 ミティとニムが早い内に潰しあった上で、その次の戦いでも疲労が残っていたりすれば、彼女たちでも負けることはあり得る。

「わかりました。では、私も参加でお願いします」

「おう。なら、いよいよ最後の1人だが……」

 俺はそう言う。

「拙者が出させてもらおう。これも修行の一環でござる」

「おお、蓮華もか」

 エルフの侍、蓮華の参戦だ。

「うむ。この中には、まだ手合わせをしたことのない者もいる。興味を惹かれたでござる」

「そうか。健闘に期待しているぞ」

「任せるでござる」

 これで16人が揃った。
 キリヤとナオン。
 トミーと雪月花。
 クリスティ、ネスター、ヒナ。
 ミティとニム。
 オリビア、セバス、レイン。
 ヴィルナと蓮華だ。
 ハイブリッジ家の関係者は他にもいるが、さすがに全員が出場するわけではない。
 しかし、それでもなかなかの人数だ。

「では、早速トーナメント表を作るとする。準備してくれ」

 簡易的なクジを用意し、各自に引いてもらっていく。
 しばらくして、無事に組み合わせは決まった。

「では、北の練習場に向かうか」

「ちょっと待ってよ。ハイブリッジ騎士爵様」

 そう声を掛けてきたのは……。
 文官のトリスタだ。
 彼は参戦しないが、騒ぎを聞きつけてこの場にいる。

「どうした?」

「せっかくだし、観戦客を集めよう。観戦料を取れば街の運営費や開発費の足しにできるよ」

「なるほど」

 抜かり無いな。
 労働嫌いの割には、きちんと考えるべきことを考えている。

「しかし、そんなにすぐに集まるだろうか?」

「そうだね。数日後の開催にすれば、興味のある人は予定を空けてくれると思うけど」

 数日後か。
 まあ問題あるまい。
 参加者は全員、この街を拠点に活動している者たちだからな。

「な、なるほど。悪くありませんね。それなら、その間にわたしの土魔法で”北の練習場”にステージをつくっておきましょう」

「私も手伝いますよ。むんっ!」

 ニムとミティがそう言う。
 そんな感じで、トーナメントは数日後に開催されることになった。
 みんなの戦いを見届けさせてもらうことにしよう。

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