【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

462話 下卑た快感

 女風呂を覗こうとする不埒者の蛮行を阻止しようとしているところだ。
 トミーとギルバートは無事に撃破したが、勢い余って俺は女風呂に落下してしまった。
 さらには、セリナの悲鳴を聞いたストラスが猛スピードでこちらに向かってくる。

「うおおおぉ!!!」

 彼が雄叫びを上げる。
 バシャーン!!!
 盛大な水しぶきを上げて、彼は俺のすぐ側に着水した。

「セリナ! セリナはどこだ!?」

「彼女なら、お前の後ろにいるが……」

 俺はそう言う。
 セリナは、俺から体を隠すために湯船に深く浸かっている。
 本当は逃げたかったのだろうが、深く浸かったままでは移動しにくい。
 逃げ遅れた感じだ。
 ちなみにソフィアはセリナよりも少し遠くに移動済みだ。

 俺の言葉を受けて、ストラスが振り向く。

「セリナ! 無事か!?」

「ぶ、無事ではあるの。……で、でも……」

「そうか! 無事でよかった!!!」

 ストラスがセリナを抱きしめる。
 ギルバートたち覗き勢や俺の乱入というハプニングを超えて、思い合っている2人が無事に再会できた。
 一見、感動的なシーンに見えなくもない。
 しかしーー。

「あ、あう……。ストラス君、当たってるの……」

 セリナが赤面してそう言う。

「? 何がだ?」

 ストラスが首をかしげる。
 必死すぎて、自分の状態を忘れているようだ。

「ストラス。お前、自分が全裸ということを忘れていないか?」

 俺はそう言う。
 男湯からここまで急いでいたこともあり、俺たちは全裸のままだ。
 ストラスは全裸でセリナを抱きしめていたことになる。

「なっ!? え……。あ……」

 ストラスがセリナから少し離れ、自分の状態とセリナを交互に見やる。
 そして、みるみるうちに顔が赤くなっていきーー。
 鼻血を出して倒れた。
 お前は一昔前のラブコメの純情主人公か。

「ひっ! い、いったい何事ですの……?」

 カトレアがそうつぶやく。
 事態を飲み込めていない様子だ。
 そりゃ、全裸の男が女湯に乱入してきたら混乱するよな。

「カトレアさん。これを。不快な思いをさせて申し訳無い」

 マクセルがタオルをカトレアにかける。
 いつの間にか彼も来ていたようだ。
 彼自身も全裸であるということに目をつぶれば、なかなかイケメンな仕草である。

「やれやれ……。盟友タカシとストラス君の暴走には困ったものだ」

 シュタインがそう言って、女湯に静かに降り立つ。

「シュタインくん。これはいったい……?」

 ミサがそう問う。
 体にタオルを巻いているので、彼女の裸体は見えない。
 その他の者たちも同じくタオルを巻いていたり湯船に浸かっていたりしており、防御体勢は整えられている。

「騒がせてすまなかったな、ミサ。それに他の方々も。ここを覗こうとしている不埒な奴らがいたので、阻止したのだ」

「タカシ君とストラスが落ちるというハプニングが起きてしまったが……。大人数の男たちに覗かれるよりはマシだったと思ってもらうしかないだろう。俺たちの実力不足が招いた結果だ。申し訳無い」

 シュタインとマクセルがそう言って、頭を下げる。
 この説明で、女性陣も一応は納得してくれたようだ。
 一部まだ混乱気味の者はいるが、怒り狂っているような者はいない。

「マクセル、シュタイン。ジルガたちは片付けてくれたのか?」

 俺はそう声を掛ける。

「ああ。彼らは外で伸びているよ」

「さっさと撤収するぞ、我が盟友よ」

 彼らがそう答える。
 あの場には、ジルガ以外にもCランク冒険者が複数名いた。
 それをわずか2人で短時間で撃破するとは、やはり彼らの実力は確かである。

 そして、覗き犯たちの脅威が取り除かれた今、いつまでもここにいるわけにはいかない。
 迅速に撤収する必要がある。

「わかった。……ストラスは、俺が抱えていくか。よっと」

 俺はストラスを肩に担ぐ。
 全裸の男に触れるのはあまり気乗りしないが、仕方あるまい。
 このまま放っておくわけにはいかないからな。

「あ、あれが男の人の……」

 小さな声でそうつぶやくのは、ソフィアだ。
 俺から少し離れたところにいる。
 両手で目を覆っている仕草をしているが、肝心の手の指が隙間だらけだ。
 指の隙間から、照れたような興奮したような目が見えている。

「あわわ……」

 彼女の視線の先は……。
 俺の下半身だ。
 というか、俺のマグナムだ。
 全裸のまま突撃してしまったし、今はストラスを抱えているので、隠す手段がないのである。

 彼女はあまり男耐性がないのかもしれない。
 生まれ故郷であるミネア聖国では、この世界ではややめずらしい一夫一妻の制度をとっている。
 また、何やら宗教的な戒律により男女間の関係も制限されていると言っていたような気がする。

 これはこれで興奮するな。
 ”キャベツ畑”や”コウノトリ”を信じている可愛い女のコに無修正のポルノをつきつける時を想像する様な下卑た快感がある。
 その点、実物を見て顔を真っ赤にしているソフィアの反応は実に理想的だ。
 近寄って見ることも見ぬふりもできずに、ただ遠巻きに見ている。

「(…………! し、しまったぁ!!!)」

 俺は焦る。
 変なことを考えていたので、俺のマグナムが大きくなり始めている。
 突入時にソフィアやセリナの全裸を見てしまったのも関係している。
 せっかく必死にガマンしてきたのに。

 これ以上の醜態を見せる前に、撤収しよう。
 それに、男耐性のないソフィアに俺のモノをこれ以上見せつけるのは酷だしな。

「よし、いくぞ!」

 俺たちは、それぞれのモノをぶらぶらさせながら女湯を脱出した。
 トミー、ギルバート、ジルガたちを男湯に連れ帰り、一応は介抱してやった。
 そして、少し冷えたので再度温泉に浸かって温まった。

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