【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

388話 ダンジョン攻略メンバーの選別試験

 ラスターレイン伯爵領の領都ルクアージュに着いて、1週間ほどが経過した。
 寿司を中心とした海の幸を活かした料理を堪能しつつ、選別試験に向けてみんなで対策を練ってきた。

 そして、今日はその選別試験の日である。
 リーゼロッテから告げられた場所に、ミリオンズのみんなで赴く。

 会場は、港の広場。
 直径30メートルほどの円形の広場である。
 どうやら人工的に埋め立てられてつくられてた場所のようだ。
 円の一部だけが街側と陸続きになっているが、残りは海と面している。


 海海海海海海海海海海海
 海海海海海海海海海海海
 海海海海海○海海海海海
 海海海海○○○海海海海
 海海海○○○○○海海海
 海海海海○○○海海海海
 △△海海海○海海海△△
 △△海海海○海海海△△
 △△△△△△△△△△△


 ○……円形の広場(闘技場)
 △……街側の陸地


 図にするとこんな感じだ。

 俺たちミリオンズは、海に囲まれた円形の広場で待機する。
 ちなみにリーゼロッテだけは別行動だ。
 彼女は、試験官側の人間である。

 シュタインたち一行も、俺たちから少し離れたところに立っている。
 そのまましばらく待つ。

 ざわっ。
 広場の入口のほうが、何やら騒がしい。

「むっ!? どうやら、来たみたいだね」

 モニカが兎耳をピクピクさせながらそう言う。

「くんくん……。リーゼロッテさんの匂いもします。それに彼女と似た匂いの人が5人……」

 ニムが鼻を鳴らしながらそう言う。

「合計6人か。リーゼロッテさんの両親と、2人の兄。そして妹。全員が来ているわけか」

 俺はそう言う。
 リーゼロッテから、ラスターレイン伯爵家の家族構成は聞いている。
 両親、2人の兄、リーゼロッテ、妹の6人家族だ。

 下の兄はリルクヴィストだ。
 ガルハード杯でミティ、マクセル、エドワード司祭と並んで同時優勝した実績がある。
 当時の俺に勝ったミッシェルに、リルクヴィストは勝利を収めていた。
 それに、その後の防衛戦でも水魔法などで活躍していた。
 かなりの実力を持つ。

 リルクヴィストは次男である。
 単純に考えると、長男や当主である父などは、リルクヴィストよりも強いかもしれない。
 彼らの実力のほどにも注視したいところだ。

 そんなことを考えつつ、俺たちは待つ。
 リーゼロッテとリルクヴィストを含むラスターレイン伯爵家らしき6人組が広場にやってきた。
 貴族らしいきらびやかな服装だ。
 水魔法の名門だけあって、水色を基調とした服装である。
 コーバッツなど、護衛の騎士たちも引き連れている。

 しーん……。
 高名な伯爵家の登場を受けて、広場が静まり返る。
 そして、6人組の中でも年重の男が口を開く。

「皆のもの、よくぞ我が呼びかけに応じて集まってくれたな。まずは、この我リールバッハ=ラスターレインが、領主として歓迎の意を述べさせてもらう」

 やはり彼がラスターレイン伯爵家の当主だったか。
 リーゼロッテの父親となる。
 彼女との結婚話が進めば、俺の義理の親となる人だ。
 心証を損ねないようにしないとな。

 リールバッハがしばらくあいさつの言葉を続ける。
 そして、彼の話がひと段落した頃、入れ替わるようにして1人の女性が1歩前に出た。
 40代以上の、美しい熟女だ。

「私は妻のマルセラ=ラスターレインです。今回のダンジョン攻略にあたり、申し訳ありませんが戦闘能力のテストをさせていただきます。概要は事前に布告していた通りとなります」

 彼女がリールバッハの妻のようだ。
 つまりは、リーゼロッテの母である。
 彼女の心証も損ねないようにしないと。

 リーゼロッテ、リルクヴィスト、リールバッハ、マルセラ。
 これで4人の顔は覚えた。

 あと残っているのは長男と次女か。
 リーゼロッテから名前だけは聞いている。
 リカルロイゼとシャルレーヌだ。

 ここで、ラスターレイン伯爵家の家族構成と名前を整理しておこう。

 当主、リールバッハ=ラスターレイン。
 奥方、マルセラ=ラスターレイン。
 長男、リカルロイゼ=ラスターレイン。
 次男、リルクヴィスト=ラスターレイン。
 長女、リーゼロッテ=ラスターレイン。
 次女、シャルレーヌ=ラスターレイン。

 リールバッハとマルセラのあいさつが終わる。
 戦闘能力のテストに向けて、リルクヴィストやコーバッツたちにより準備が進められていく。

「では、これよりグループ分けを行う。パーティごとに、抽選で4つのグループに分かれてもらう。そして、各グループでバトルロワイヤル方式にて戦ってもらうことになる」

 リルクヴィストがそう説明する。
 事前に説明されていたのと同じ内容だ。

 ダンジョンという環境下では、個の戦闘能力だけが高くてもあまり意味がない。
 パーティメンバーと連携して、パーティとして総合的に高い戦闘能力を持つことが重視される。
 その他、索敵能力や継戦能力も大切だ。

「よし、いよいよ戦闘能力のテストか。俺たちミリオンズの結束の力を見せつけるときがきたな」

「そうですね! 偉大なるタカシ様の実力を、世界に知らしめましょう! むんっ!」

 ミティが気合を入れる。
 少し声が大きい。

 ジロッ。
 周囲の人たちが、こちらに視線を向けてくる。

「タカシ……? どこかで聞いた名前だ」

「あれだろ、紅剣のタカシだ。登録して1年ちょっとでギルド貢献値8000万ガルに達して、騎士爵を授かったらしいぞ」

「ばっか。その情報はもう古いぜ。1か月ほど前に単独パーティでゴブリンキングを討伐して、1億ガルに達しているんだ」

「なるほど……。いわゆる、超新星とやらか。その実力に偽りがないか、実際に戦ってみせてもらうとするか」

 周囲の人たちが口々にそう言う。
 彼らの声量はさほど大きくない。
 しかし俺は聴覚強化のスキルを取得しているので、バッチリ聞き取れるのである。
 彼らが話を続ける。

「それだけじゃねえ。周りにいるのも、強力な女たちばかりだ」

「百人力のミティ、武闘聖女アイリス……。ガルハード杯で活躍しているのを見たことがある」

「それに、雷脚のモニカと鉄心ニムだ。あんな、どこにでもいそうな普通の女の子が強いなんてな。到底信じられねえぜ」

「まだいるぜ。つい先日に特別表彰者になった、魔弾のユナだ。後は……、あの2人は知らねえな……」

 俺だけじゃなくて、ミティ、アイリス、モニカ、ニム、ユナもなかなかの知名度を持つようだ。
 しかしさすがに、マリアとサリエはまだ有名じゃないみたいだな。
 まあ、つい先日Dランクに上がったばかりだしな。

 俺たちミリオンズの名声が広く轟いているようで、何よりだ。
 一般市民などにはまだまだの知名度だが、同業者である冒険者には高い知名度があると言っていいだろう。

 ドヤ顔して誇りたい気持ちがある一方で、プレッシャーも感じる。
 彼らやラスターレイン伯爵家を失望させてしまわないよう、ちゃんと活躍を見せないとな。

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