【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

372話 風呂場でばったり

 シュタイン=ソーマ騎士爵の協力を取り付けた日の夜。
俺たちは、さっそく豪勢なディナーに招かれた。

「うまいうまい。魚がこんなにおいしいとはな!」
「本当ですね! 魚料理に対する認識を再び改めないといけません」

 俺とミティがそう言う。
俺たちは、肉料理が好きだ。
魚料理はさほど好きではない。

 例外として、モニカの魚料理だけはよく食べるが。
あくまで例外だった。
ここにきて、2つ目の例外ができたといったところだ。

「うん。いい味だね。魚の新鮮さをうまく活かしている。新鮮な魚を仕入れられる前提なら、こういう調理方法もありなのか……」

 モニカが難しい顔をしながら魚料理を食べている。
彼女は料理人として、旅先での名物料理の習得に熱心だ。

「はぐはぐ。量もたくさんあって大満足です」
「マリアもたくさん食べる!」

 ニムとマリアがどんどん食べている。
彼女たちの身長はミリオンズ内でも小さいほうだが、食べる量は結構多い。
特にニムはたくさん食べる。

 ミリオンズの身長を整理しておこう。
マリア<ニム<ミティ<アイリス<サリエ<ユナ<モニカ<タカシといった感じだ。

 10歳のマリアが一番小さい。
目測で、だいたい130センチぐらいだ。
ハーピィの種族特性として、そもそもの平均身長が低めという事情もある。

 次に小さいのはニムとミティだ。
145~150センチぐらい。
ニムは12歳という年齢相応で、もう少し伸びるかもしれない。
ミティはドワーフの種族特性があるので、このあたりで打ち止めの可能性が高い。

 アイリスとサリエは平均的だ。
155~160センチぐらい。
アイリスは武闘家としては残念ながら恵体とは言えないが、彼女は技巧やスピードを重視したスタイルなので大きな問題はない。

 ユナとモニカは高めだ。
165~170センチぐらい。
モニカは足が長く、胸やお尻のスタイルも抜群だ。
日本なら、モデルとしても通用するかもしれない。

 そして俺は、175センチ程度だ。
日本の成人男性としては、ちょうど平均かやや高めなぐらいである。

「我がラスターレイン伯爵領の海魚もおいしいですが、こういった川魚もおいしいですわね。もっと早く来るべきだったかもしれません」

 リーゼロッテがそう言う。
ラスターレイン伯爵領は海に面している。
領都のルクアージュは海洋都市として有名だ。

 そこでは、いろいろな海の幸を堪能できるだろう。
期待しよう。

「そうですね……。私も、話には聞いたことがありましたが、やはり実際に食べると感動があります。ミリオンズに加入させていただいて正解でした」

 サリエがそう言う。
彼女は難病により長期間伏せっていた。
自室で冒険の物語を読んだり、俺の冒険話を聞いたりしているうちに冒険者への憧れが強くなったという事情を持つ。

 彼女は、もちろん冒険者としての心得を持っていなかった。
せいぜい、棒術や治療魔法が初級である程度である。
そんな彼女がBランクパーティであるミリオンズに加入を申請するのは、なかなかの勇気が必要だったことだろう。

「気に入ってもらえたようで何よりだ。さらに、明日の昼にはデザートも用意しておこう。楽しみにしていてくれたまえ」

 シュタインがそう言う。

「ふふん。それは楽しみね。期待させてもらうわ」
「そうだねー。どんなデザートなんだろ? ボクも楽しみだよ」

 ユナとアイリスがそう言う。

 そんな会話をしつつ、食事会はなごやかに進んでいった。


●●●


 食事会は終わった。
次は風呂だ。

 俺たちの宿泊先には、風呂が用意されている。
みんなで混浴するぞ。

 ミティやアイリスたちは先に向かったようだ。
俺も準備を整え、いそいそと浴室に向かう。

 脱衣所にみんなの服が散乱している。
やはり、みんな先に入っているようだな。

 俺も服を脱ぎ、腰にタオルを巻く。
ガラッ!
俺は勢いよく風呂場のトビラを開け放つ。

 そして、俺の目の前に広がった光景はーー。

「え……?」
「ひ……」

 リーゼロッテとサリエだ。
彼女たちが全裸で立っていた。
どうやら、彼女たちは体を洗い終えて今から湯船に浸かろうとしていたところらしい。

 しまった。
彼女たちもいたのだった。
ついうっかり、今までのノリで風呂場に突撃してしまった。

 これはマズイ。
やべえ。

「きゃああぁっ!」

 リーゼロッテが慌てて手で大切なところを隠し、湯船に直行する。
お湯越しでも肌色は見えるが、あまり詳細な体つきは見えなくなった。

 そして、サリエは……。

「タ、タカシさん……? あうっ!」

 彼女は数歩後ずさりして、足を滑らせて尻もちをついた。

「いたた……」

 彼女が尻を強打して痛がっている。
彼女の足は、ちょうどMのような形となっている。
俺からは、大切なところが丸見えだ。

「サリエさん! 見えてますよ!」
「こ、これで隠してください!」

 ミティとニムがサリエの下半身にタオルをかける。
これで、彼女の大切なところは見えなくなった。

 少し遅れて、俺も視線を背ける。
俺のエクスカリバーは既に聖剣エクスカリバーになっている。
理性が崩壊する寸前だ。

「タカシ~? 何をやっているのかな~?」
「私たちだけならともかく……。リーゼロッテさんやサリエさんがいることはもちろん知っていたよね?」

 アイリスとモニカが責めるような雰囲気でそう言う。
いや、責めるような雰囲気ではなくて、実際に責められているのか。

「わあい! タカシお兄ちゃんとお風呂だ!」
「ちょ、ちょっとマリアちゃん。そんな空気じゃないわ。おとなしくしていなさい」

 無邪気なマリアを、ユナが落ち着かせる。

「う……。す、すまない。うっかりしていた。すぐに出ていく」

 言い訳はあとでいくらでもできる。
今は、非を認めて一刻も早く出ていくのが先だ。

 俺は彼女たちに背を向け、足早に脱衣所のほうへ戻りだす。
焦りで足元がおぼつかないようになっていたのだろうか。

 ツルッ!
俺は足を滑らせ、盛大に後ろ向きに転んだ。
背中を強かに浴室の床に打ち付ける。

 その衝撃で、俺の腰に巻いていたタオルが取れてしまったようだ。

「まあ! あらあら……」
「ひっ。あれが殿方の……。大きいような、かわいいような……」

 リーゼロッテとサリエが何やらつぶやいている。

「タカシお兄ちゃんのは、パパのとは少し違うね! 何だかかわいい!」

 マリアが無邪気な声でそう言う。

 や、やめろぉ!
男のあれを見て、かわいいは禁句だろうが!

 これ以上のトラウマをもらわないよう、俺はすぐに起き上がってそそくさと退散した。
風呂上がり以降、リーゼロッテやサリエから俺に対する態度が少しだけよそよそしかったが、いずれ時間が解決してくれるだろう。

 しかし、貴族の未婚女性の裸を見てしまったからには、責任を取る必要があるかもしれない。
今日の昼頃にも話題に出たが、彼女たちとの結婚を本格的に検討していく必要がある。

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