【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

242話 ユナのスキル強化

 ミリオンズの面々を集めて、緊急会議を行う。
俺、ミティ、アイリス、モニカ、ニムだ。

「みんな。少しいいか? 大事な話がある」

「大事な話? なんだろう」

「も、もしかすると、あれかもしれませんね」

 俺の言葉に、モニカとニムがそう言う。
ニムは何となく察していたようだ。

「ユナが加護の条件を満たした。さっそく彼女に内容を伝えようと思う。構わないよな?」

「もちろんだいじょうぶです! またタカシ様のすばらしさに気がついた人が増えたのですね。喜ばしいことです」

「うん。いいんじゃないかな。シトニさんたちを連れ戻しにいかないといけないしね。戦力は増えたほうがいい」

 俺の言葉を受けて、ミティとアイリスがそう言う。
モニカとニムも異論はないようだ。
さっそく、ユナに加護の件を伝えよう。


●●●


 周りに人がいないタイミングで、ユナに話しかける。
俺たちが泊まっている家の一室まで来てもらう。

「ふふん。いったい何かしら? 内密の話なんて」

「実は、かくがくしかじかでな……」

 ユナに力の件を説明する。
俺と一定以上親密になった人は、身体能力が全体的に強化され、特定の方向性で技術や力を伸ばすことができるようになる、というような説明だ。
ユナの反応は、半信半疑といったところである。
アイリス、モニカ、ニムのときと同じような感じだ。

「いくらタカシの言うことでも、にわかには信じがたいわね……」

 ユナがそう言う。
普通に考えれば、もっと疑われてもおかしくはない。
しかし、そもそも加護付与の条件を満たしている時点で、俺に対する信頼度が一定以上あると言える。
過度に疑われたりはしないということだろう。

「よし。論より証拠だ。なんでもいい。手に入れたい力を言ってみてくれ。まずはそれを強化しよう」

「手に入れたい力ね。本当になんでもいいのかしら?」

「ああ。弓でも火魔法でもいいぞ。もしくは、腕力や脚力を強化することもできる」

「ええと。じゃあ、火魔法かしら? ずっと中級が使えずに苦労しているのよね」

 ユナがそう言う。
一般的には初級のファイアーアローから中級のファイアートルネードで苦労する人が多いと、以前彼女が言っていた。
ステータス操作に頼りまくっている俺には実感がないが。

 さっそくユナのステータス操作画面を開く。
スキルポイントを10使用し、火魔法レベル2を3に強化する。

「強化したよ。どうだ?」

「……っ! なるほどね。中級の火魔法のイメージが頭に流れ込んできたわ。今なら使えそうな気がする」

「ああ。おそらく実際に使えると思うぞ。それで、他にも強化したい力はあるか?」

 俺はそう言う。
シトニとクトナの奪還作戦に向けて、スキルは強化しておいたほうがいい。

 俺はユナに、スキルのリストを書いて渡す。
彼女の現状のスキルと、取得できるスキルの主な候補だ。
参考に、俺、ミティ、アイリス、モニカ、ニムのスキル構成も説明する。
あんまり方向性が被るのもよくないしな。

「ふふん。かなりの強化ができるみたいね。タカシやミティの急成長は、この力のおかげだったのね。合点がいったわ」

「そうだな。俺にも詳しい理屈はわかっていないが、ありがたい力だよ」

「こんな力、インチキにもほどがあるわ……。でも、これからは私もこの力を受けられるわけね。文句は言わないでおくわ」

 ユナがそう言う。
確かに、第三者から見ればずるいとしか言えないだろう。
文句も言いたくなる。

 しかし、恩恵を受ける立場になれば、これほどありがたい力もない。
細かいことは気にせず、チートを満喫していこうぜ。

「ええっと。まずは、弓かしら。それとも続けて火魔法? 水とかの新しい魔法も使ってみたいけど。うーん」

「新しい力を得ても、慣れるまでは少し時間がかかる。奪還作戦に向けて、既存の力を強化するのがいいんじゃないかな。もしくは、純粋に身体能力や魔力を強化するか」

「それもそうね。ええと、私の既存の力は……」

 ユナがそう言って、俺が渡したメモにあらためて目を通す。

「剣術、弓術、闘気術、火魔法、獣化術、操馬術だな」

「そうね。操馬術は、要するに御者の技術のことよね。戦闘には関係ないし、今回は保留にしましょう。他のものを1ずつ伸ばすわ」

 剣術レベル1を2に。
弓術レベル3を4に。
闘気術レベル1を2に。
火魔法レベル3を4に。
獣化術レベル1を2に。
合計でスキルポイントを45使用することになる。

「それがいいだろう。ええっと。まだまだ強化できるぞ」

 先ほど火魔法レベル2を3に強化した分と合わせて、スキルポイント55の使用だ。
ユナのスキルポイントはまだ40残ることになる。

「そうなの? じゃあ、身体能力を伸ばしてもらおうかしら」

「わかった。ユナの戦い方だと、腕力や脚力よりも、手先の器用さが大切だな?」

「そうね。あとは、火魔法の制御で魔力も大切かしら」

「それだと、MP強化、器用強化、魔力強化あたりがよさそうだな。2つをレベル2に、1つをレベル1にすることができるぞ」

 ちょうど残りスキルポイントが0になる計算だ。

「器用強化と魔力強化をレベル2に、MP強化をレベル1にしてもらおうかしら。……でも、こんな大切なことをすぐに決めるのは少し怖いわね」

「うーん、確かに。しかし、大きな問題はないだろう。経験を積めば、また強化できるようになるからな」

「わかったわ。シトニとクトナを助けにいかなくちゃいけないし、グズグズ悩んでいる場合じゃないものね。それで強化してちょうだい」

「了解した」

 俺はユナのステータス操作画面を開く。
先ほど話した通りに、スキルを強化していく。

 これで、ユナの戦闘能力は格段に向上したことになる。
一度の強化量としては、今までの俺たちの中でも最大ではなかろうか。
急激な強化により、力を持て余さないように気をつけないといけない。

「ふふん。これほど強くなれるなんてね……。タカシの力は、本当にすばらしいわ」

「そうですね。タカシ様の力はすばらしいです!」
「うん。ボクもお世話になっている。ありがたいよ」

 ミティとアイリスがそう言う。

「でも、力を得ただけじゃうまくいかないかも。明日の朝までに、新たな力に慣れておこうよ」
「そ、そうですね。わたしも手伝いますよ」

 モニカとニムがそう言う。

「ふふん。よろしくお願いするわね」

 俺たちは明日の朝、ディルム子爵領に向けて出発する。
モニカの言う通り、それまでに最低限の調整は済ませておかないとな。

 パワーアップしたユナ。
そして、俺たちミリオンズ。
村の戦士たちや、特別表彰者のアルカの協力もある。
奪還作戦はきっと成功する。
そう信じよう。


レベル19、ユナ
種族:ライカンスロープ(赤狼族)
職業:弓士
ランク:D
HP:147(113+34)
MP:121(67+20+34)
腕力: 78(60+18)
脚力: 87(67+20)
体力: 78(60+18)
器用:186(81+24+81)
魔力:182(79+24+79)

武器:ウッドボウ
防具:布の服

残りスキルポイント0
スキル:
剣術レベル2
弓術レベル4
MP強化レベル1
器用強化レベル2
魔力強化レベル2
闘気術レベル2
火魔法レベル4「ファイアーボール、ファイアーアロー、ファイアートルネード、ボルカニックフレイム」
獣化術レベル2
操馬術レベル1

称号:
タカシの加護を受けし者

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