【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

183話 ニムの畑の再整備 前編

 数日が経過した。 
俺、ミティ、アイリス、モニカ、ニム。
5人いっしょに俺の自宅で夕食をとっているところだ。

 ここラーグの街に帰ってきてからは、北の草原で犬狩りをしたり、西の森に日帰りの遠征に行ったりしている。
たまに冒険者活動を休みとする日も設けている。

 俺、ミティ、アイリスは、この自宅でゆっくりと過ごすことが多い。
俺とアイリスは、時おり治療回りをしたりもする。
ミティは、筋トレなどの鍛錬をすることもある。

 モニカとニムは、休みの日はそれぞれの実家で過ごしている。
モニカは、ラビット亭で父親のダリウスの手伝いをしているそうだ。
ニムは、母親のマムの畑仕事を手伝っているらしい。

 モニカとニムは、冒険者活動と合わせると実質的に休みなしで働いていることになる。
少し心配だ。

「モニカ、それにニム。休みの日に何をするかはもちろん自由だが……。疲れていないか?」

「うん? 全然疲れていないよ」

「わ、わたしもだいじょうぶです」

 俺の問いに、モニカとニムがそう答える。

「それならいいんだが。冒険者活動と合わせると、実質的に休みなしで働き通しだろう。少し心配なんだ」

「あー。言われてみると確かにそうだね。でも、だいじょうぶだよ」

「そ、そうですね。むしろ、元気が有り余っているというか」

 うーん。
本当にだいじょうぶそうだな。
から元気というわけではなさそうだ。

「タカシ様の御力の影響ではないでしょうか?」

 横からミティがそう言う。

「確かに。タカシの力の影響で、いろいろな力が増すんでしょ? 体力や気力も増していてもおかしくないね」

 アイリスがそう言う。

「ああ。そう言えばそうか。2人とも、普通の人よりもはるかに体力があるもんな」

「そ、そうですね。それに、わたしの場合は体力強化をレベル2にまで伸ばしてもらっていますし」

「ま、疲れが溜まってきたら遠慮なくそう言うから。心配しないでよ」

 ニムとモニカがそう言う。
体力のステータス値から判断すると、俺たちミリオンズの中で最も体力がないのはモニカだ。
パーティとしての休息日の設定においては、モニカの疲れ具合に特に注意しておく必要がある。

 モニカは別に遠慮がちな性格というわけではない。
彼女の自己申告を素直に受け止めておけばいいだろう。
今回は特に疲れが溜まっていたりはしないということだし、現状を問題視する必要はないか。

「わかった。……ところで、ラビット亭の営業の調子はどんな感じなんだ?」

「順調だよ。お父さんとマムさんで協力して、切り盛りしているって。新しく人も雇ったみたいだし」

「そうか。それは良かった」

 俺たちがガロル村を訪れている間に経営難になっていたりしないか、少し心配していたのだ。
杞憂だったか。
まあ、ラビット亭が以前に経営難に陥っていたのは、ダリウスが難病に倒れたからだ。
体調が良好であれば、彼の料理の腕前からしてそうそう経営難になったりはしないだろう。

「あ、でも……」

「何かあったのか?」

 何かを思い出したかのようなモニカに、俺はそう問う。

「お父さん、腰が痛いって言ってた。ずっと寝たきりだったのに、最近になって急に立ち仕事をするようになったせいだと思うけど」

 腰痛か。
思ったよりも大したことがない問題だったが、これはこれでバカにできない。
ギックリ腰レベルの腰痛になれば、身動きできないからな。

「なるほど。今度、治療魔法をかけにいくよ」

 腰痛に治療魔法が効くかどうかはわからないが、おそらくある程度の効果はあるだろう。

「ありがとう。よろしくお願いするよ。お父さんにも言っておくね」

 モニカがそう言う。
ダリウスの腰痛を除けば、ラビット亭に大きな問題は発生していないようだ。

「ダリウスさんの腰痛は治療魔法をかけにいくとして……。ニム。マムさんの体調は問題ないか? あと、畑の様子とかも」

「た、体調は良好みたいです。畑にも大きな問題はありません。ですが……」

「うん? 何かちょっとした問題はあるのか?」

「は、畑の周りの柵を、近いうちに作り直そうという話があります。タイミングが合えば、わたしも手伝うつもりです」

「ああ、あの柵か」

 マムの畑は、ラーグの街の外壁の外にある。
そのあたりには、彼女以外の畑も点在している。

 外壁の外とはいえ、あのあたりはせいぜいファイティングドッグがたまにいるぐらいだ。
危険は少ないし、畑を荒れされるリスクも低い。
念の為、各人の畑にはファイティングドッグなどが入ってこないように簡易的な柵が設けられていた。

 しかし、例外的にやや強い魔物がラーグの街周辺に発生したことがある。
俺やミティがゾルフ砦方面を訪れているときのことだ。
その際に、マムの畑の柵は魔物によって壊されてしまっていた。

 俺、ミティ、アイリスがニムと協力して、柵の修繕を含めた畑の復旧に尽力した。
とはいえ、柵の修繕は応急処置に毛が生えた程度のものだ。
万全というほどではない。

「柵は俺が修理したものだな。また傷んできたのか?」

「そ、そうですね。雨風で少しずつ傷んできているみたいです」

 ニムがそう言う。
雨風なら仕方ないか。
前回修理したときから、2か月以上が経過しているしな。

「わかった。俺も何か手伝えることがあれば手伝おう」

「そ、そうですね。ぜひお願いしたいです」

「よし。じゃあ、さっそく明日やろうか。明日はちょうど冒険者活動を休みとしているしな」

「あ、ありがとうございます。よろしくお願いします」

 俺の提案に、ニムがそう返答する。

「では、私も同行しましょう」

 ミティがそう言う。
彼女がいれば、心強い。

「うーん。ボクはどうしようかな……」

「俺、ミティ、ニム。3人もいれば十分だろう。前回のように、荒れた状態からの復旧というわけでもないしな。もちろん、来てくれるのであれば拒むつもりはないが」

 悩むアイリスに、俺はそう言う。

「そうだね。ボクは、治療回りをしていようかな。軽度の病気の人が何人かいるみたいなんだよ。ナックさんが言ってた」

 アイリスがそう言う。
ナックは、ダリウスやマムの主治医だ。
病気や薬に対する知識があり、初級だが治療魔法も使える。

 上級の治療魔法を使える俺は、ナックの紹介により治療回りを行った。
アイリスも、当時から中級の治療魔法を使えたので、やや症状の軽い患者への治療回りを行っていた。

 今のアイリスは、ガロル村で得たスキルポイントにより、上級の治療魔法を使えるようになっている。
以前より重症の患者の治療も可能だろう。
とはいえ、この街の重症の患者は、以前に俺が一通り治療済みだが。

「そうか。それもいいだろう」

「そうだ。ダリウスさんの腰痛の件は、明日ボクが治療魔法をかけておくよ。早いほうがいいだろうし。モニカもそれでいいよね?」

「うん。大歓迎だよ。お父さんも喜ぶと思う」

 アイリスの提案に、モニカがそう言う。

 確かに、ダリウスの治療を俺に限定する理由はない。
強いて言えば忠義度稼ぎくらいか。
とはいえ、ちょっとした腰痛を治療したぐらいでは、加護を付与できるレベルの忠義度を稼ぐことは難しい。
アイリスに治療を任せて問題はないだろう。

「わかった。ダリウスさんの治療はアイリスに任せる。よろしく頼む。……ところでモニカは、明日の予定はどうする?」

「うーん。ニムちゃんの畑も気になるけど……。私はラビット亭でお父さんの手伝いをしておこうかな。ガロル村での食事の経験を共有しておきたいし」

 俺の問いに、モニカがそう答える。

「わかった。では、明日は各自そのように行動しよう」

 俺はそうまとめる。
俺、ミティ、ニムが畑の整備。
アイリスは治療回り。
モニカはラビット亭の手伝いだ。

 せっかくだし、しっかりとした畑の柵などをつくってあげたいところだ。

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