【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

167話 特別表彰制度への推薦とランクアップ

 ボフォイの街の冒険者ギルドで、ギルドマスターであるベイグと手合わせをした。
それなりに善戦はしたが、俺のうっかりミスで負けてしまった。

 俺は、修練場で仰向けに倒れている。
木剣でやられたところが痛むのだ。
何とか上半身を起こす。

「いてて……」

「だいじょうぶですか? タカシ様」

 ミティが気遣ってくれる。
モニカとニムも心配そうにこちらを見ている。

「ボクが治療魔法をかけてあげるよ」

 アイリスが治療魔法を発動する。
治療魔法の光が俺を包む。

「ありがとう。アイリス。それにみんな」

 無事に痛みも引いたので、立ち上がる。
まあ無防備な状態だったし、ベイグも打ち込みを手加減してくれたのだろう。
痛みはあったが、ケガとしては大したことはなかった。

「よし! お前さんの実力はわかった。別室で座って話そう」

 ベイグの案内で、冒険者ギルドの一室に移動する。
俺、ミティ、アイリス、モニカ、ニム。
それに、ベイグの6人だ。

「しかし、お前さんは想像以上にやるな! 驚いたぞ!」

 ベイグがそう言う。

「いえ。俺のうっかりミスで無様な姿を晒してしまいました」

 木剣で火炎斬を発動するという失態だ。
このミスはなかなかのマイナス査定になってしまうのではなかろうか。

 木剣の試合で火炎斬を発動する男がいたんですよ。
なーにー!?
やっちまったな!

「まあそれは確かにな。しかしあの技は、なかなか高度なものだ。お前さんが普段使っている剣なら問題なく発動できるのだろう?」

「はい。そうですね」

「であれば、大きな問題はない。魔物や盗賊相手に木剣で戦うこともないだろうしな」

 ベイグがそう言う。
彼がそう言ってくれるのであればいいか。
あの無様な敗北はなかったことにしよう。
ノーカン! ノーカン!

「さて。俺の権限で、リーダーのタカシを特別表彰制度に推薦しておこう。……おーい! だれかいないか?」

 ベイグの呼びかけに、ギルドの女性職員がこちらにやってくる。

「お呼びですか?」

「例の魔道具をここに持ってきてくれ」

「かしこまりました」

 女性職員が部屋を出ていく。

「特別表彰制度とは?」

 俺はそうベイグに尋ねる。

「ん? 知らないのか? Cランク以上の冒険者で特にめざましい活躍をした者を表彰する制度だ。表彰されると、広く顔と名前が知られることになる」

「なるほど」

「初めて行く土地でも信用度が確保されるし、冒険者ギルドにおける待遇も上がる。いいことづくめだぞ。まあ有名になりすぎると、下手なことができなくなるデメリットもあるが」

 有名になりすぎると、下手なことができなくなる。
俗に言う有名税みたいなものか。
俺は、名声を得ていろいろな人に加護を付与していく必要がある。
ある程度の有名税は許容するしかない。

「それはありがたいですね。ぜひ、よろしくお願いします」

 俺はそう言う。
この特別表彰制度とやらを受けない手はないだろう。

 しばらくして、女性職員がとある魔道具を持ってくる。

「これは、精巧な絵を写す魔道具だ。特別表彰制度の対象となると、これで写した絵が各地の冒険者ギルドで共有されることになる」

 ベイグがそう説明する。
精巧な絵か。
写真みたいなものかな。

 女性職員が、俺の顔を魔道具に写していく。
さらに、ミティたちの顔も合わせて写していく。
今回の推薦は俺だけではあるが、今のうちに撮っておくことで後々の手間が省けるらしい。

 魔道具での撮影が終わる。

「これが特別表彰制度で使用される絵となります。ご確認をお願いします」

 女性職員がそう言って、できあがった絵を見せてくる。
白黒ではなくカラーだ。
現代日本での写真には劣るものの、それなりに精巧な絵だ。
写真レベルと言っても過言ではないだろう。

「確認しました。問題ありません」

 この魔道具は、可能であれば手に入れたいところだな。
冒険者活動に役立つこともあるだろうし。
何より、みんなとの旅先での思い出を残していきたい。
まあたぶん高価なものだろうし、資金と相談しつつ判断する必要がある。

「さらに。他のメンバーは、今回の功績でそれぞれランクアップだ。これは俺の権限内でできるから、確定事項と考えてもらっていい」

「おお。それはすごい」

 ベイグが女性職員に指示を出す。
ミティたちのランクアップ処理が進められていく。

 ミティがDランクからCランク。
アイリスがDランクからCランク。
モニカがEランクからDランク。
ニムがEランクからDランクだ。

「さらに加えて。お前さんたちミリオンズのCランクパーティへの昇格を、俺から推薦しておこう」

 至れり尽くせりだ。
それだけミドルベアやヘルザムが難敵扱いされているということだろう。
実際、なかなか厄介な相手だった。
また、ベイグとの模擬試合でいい線いったことも評価されているのかもしれない。

 最後に、今回のミドルベアやヘルザムの討伐報酬と買取報酬を受け取っておく。
リトルベアやゴブリンの討伐報酬や買取報酬もある。
かなりの金額となった。
これで当面は資金に困らないだろう。

 今回のミドルベアやヘルザムの討伐で、多くの戦果があった。
俺たちのレベルアップとスキル強化。
俺の特別表彰制度への推薦。
ミティ、アイリス、モニカ、ニムのそれぞれのランクアップ。
ミリオンズのCランク昇格への推薦。
討伐報酬と買取報酬。

 非常に順調だ。
ミティとの結婚も控えているしな。

 俺の人生、順風満帆だ。
一句詠むか。
この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば
……破滅フラグじゃねえか。
調子に乗りすぎないようにしよう。


●●●


 冒険者ギルドでの報告を終えた。
冒険者ギルドから出ようとしたとき、見覚えのある人たちが入ってきた。

「おや? タカシ君じゃないか」

 マクセルだ。
それに、ストラス、カイル、レベッカ。
なぜかセリナもいる。

「お久しぶりです。マクセルさん。奇遇ですね」

 マクセルは、ゾルフ砦のガルハード杯でミティと同じくベスト4まで残っていた実力者だ。
雷竜拳を扱う。
前回のゾルフ杯の準優勝者でもある。
現ハガ王国への潜入作戦にも参加していた。

 ストラスは、兎獣人だ。
脚を活かした戦い方をする。
潜入作戦にも参加していた。

 カイルとレベッカは、マクセルの弟分と妹分だ。
マクセルやストラスと比べるとやや見劣りするものの、それなりには強い。
ジャイアントゴーレム戦での、マクセルを含めた3人の連携は見事だった。

 そしてセリナ。
オーガの少女だ。
二つ名は敏捷。
彼女は、現ハガ王国で六武衆と呼ばれる武闘派集団の一員だったはず。
なぜ彼らと行動をともにしているのだろうか。

 俺のセリナへの視線に気づいたのか、マクセルが口を開く。

「ああ、セリナは新しく俺たちのパーティに加わったのさ。ストラスがどうしてもってうるさくてね」

 ふむ。
確かに、ストラスとセリナはいい雰囲気になっていたな。

「そうなの。ストラス君がうるさいから、仕方ないからついて来てあげたの」

「お前ら、出まかせ言うんじゃねえ! いっしょに修行の旅に出ているだけだ!」

 ストラスがそう言う。
少し顔が赤くなっている。
ツンデレか。
男のツンデレは要らないのだが。



レベル16、ミティ=バーへイル
種族:ドワーフ
役割:サブリーダー、鍛冶師
職業:槌士
ランク:C
HP:117(90+27)
MP: 69(53+16)
腕力:294(89+27+178)
脚力: 57(44+13)
体力:108(60+18+30)
器用: 58(25+8+25)
魔力: 66(51+15)

武器:ドワーフの戦槌
防具:アイアンアーマー
その他:アイテムバッグ

残りスキルポイント5
スキル:
槌術レベル4
格闘術レベル1
投擲術レベル4
体力強化レベル1
腕力強化レベル4
器用強化レベル2
闘気術レベル3 「開放、感知、集中」
風魔法レベル2 「エアバースト、エアリアルスラッシュ」
MP回復速度強化レベル1
鍛冶術レベル5

称号:
タカシの加護を受けし者
ジャイアントゴーレム討伐者
百人力
ガルハード杯優勝者
ミドルベア討伐者


レベル18、アイリス=シルヴェスタ
種族:ヒューマン
役割:神官
職業:武闘家
ランク:C
HP:134(103+31)
MP: 72(55+17)
腕力: 82(63+19)
脚力:122(68+20+34)
体力:127(55+17+55)
器用:207(74+22+111)
魔力: 68(53+16)

武器:バトルガントレット
防具:レザーアーマー
その他:スプールの首飾り

残りスキルポイント0
スキル:
格闘術レベル4
気配察知レベル1
気配隠匿レベル1
脚力強化レベル1
体力強化レベル2
器用強化レベル3
闘気術レベル4
聖闘気術レベル3
聖魔法レベル3「ウィッシュ、ホーリーシャイン、セイクリッドチェーン」
治療魔法レベル4「キュア、ヒール、エリアヒール、リカバリー」

称号:
タカシの加護を受けし者
ジャイアントゴーレム討伐者
ガルハード杯ベスト16
ミドルベア討伐者
霧蛇竜ヘルザム討伐者


レベル9、モニカ=リシャス
種族:兎獣人
役割:料理人
職業:武闘家
ランク:D
HP: 69(53+16)
MP: 36(28+8)
腕力: 33(25+8)
脚力:110(39+12+59)
体力: 39(30+9)
器用: 36(28+8)
魔力: 43(33+10)

武器:アイアンガントレット
防具:レザーアーマー

残りスキルポイント5
スキル:
格闘術レベル4
脚力強化レベル3
雷魔法レベル3「スパーク、パラライズ、ライトニングブラスト」
料理術レベル4

称号:
タカシの加護を受けし者
ミドルベア討伐者


レベル8、ニム=ラスカル
種族:犬獣人
役割:戦闘員
職業:土魔法使い
ランク:D
HP:67(51+16)
MP:43(24+7+12)
腕力:50(28+8+14)
脚力:60(26+8+26)
体力:83(36+11+36)
器用:30(23+7)
魔力:34(26+8)

武器:ウッドロッド
防具:レザーアーマー

残りスキルポイント10
スキル:
MP強化レベル1
腕力強化レベル1
脚力強化レベル2
体力強化レベル2
土魔法レベル3「ストーンショット、ロックアーマー、ストーンレイン」
MP回復速度強化レベル1
栽培術レベル2

称号:
タカシの加護を受けし者
ミドルベア討伐者

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