【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

145話 ガロル村へ向けてパーティ会議

 食事会の日から数日が経過した。
ユナとリーゼロッテは、それぞれの故郷へ向けてラーグの街を旅立っていった。 

 マリアは、食事会の次の日にラーグの街をいっしょに歩いて回った。
初めての人族の街に興味津々だった。
ラーグの街を存分に楽しんでもらうことができた。
その後、マリアを転移魔法で無事にハガ王国に送り届けた。

 俺たちミリオンズも、次の目的地に向けて準備していく必要がある。
次の目的地はガロル村だ。
ミッションがある。

ミッション
ガロル村を訪れよう。
報酬:スキルポイント10

 ミッションが出てから10日ほど、いろいろと情報収集をしておいた。
詳しい情報は集まらなかったが、おおよその方面はわかった。
ここから北東だ。
2週間ほどかかるらしい。
まずは北東に進んでいけば、いずれより詳しい情報も集まってくるだろう。

 そういえば、パーティのみんなには、ガロル村のことは相談していなかったな。
みんなにリビングに集まってもらう。

「タカシ様。お話とは何でしょうか?」

「そろそろ、他の街や村に遠征してもいい頃かも思ってな。その相談だ」

 俺、ミティ、アイリスが行くのはほぼ確定だ。
一方で、モニカとニムは、まだ初心者だ。
また、それぞれの家庭の事情もある。
本人の希望によっては、ラーグの街で待機してもらうという選択肢もある。

 とはいえ、できれば付いてきてほしいところではある。
ミッション報酬のスキルポイントが待機メンバーにも入るか、わからないからな。
スキルポイント10はそれなりに大きい。

「え、遠征ですか」

「どこに行くの?」

 ニムとモニカがそう言う。

「ガロル村だ。聞いたことはあるか? この街から北東へ2週間ほどの場所にあるらしい」

「ガロル村? 私は知らないなあ」

「わ、私も知りません」

「うーん。ボクも知らない」

 モニカ、ニム、アイリスの3人は知らないそうだ。

「……」

 ミティが、難しい顔をして黙っている。
彼女のこういう表情は少しめずらしい。

「ミティ? どうした?」

「……ガロル村は私の故郷です」

「……! そうだったのか。少し無神経だったか?」

 もちろん、俺に悪気はない。
しかし、ミティは両親から奴隷として売られてしまった身。
故郷にはあまり良い思いを持っていないだろう。

「……いえ。お気になさらず。……ガロル村に何かご用事でしょうか?」

「そうだ。少し用事があって行ってみたいと思っている」

「では、私が案内しましょう」

「いいのか?」

 ガロル村周辺の土地勘があるミティが案内してくれるのであれば、頼りになる。

「はい。奴隷として売られたおかげでタカシ様に出会え、このような素晴らしい力も得ることができました。気にすることは何もありません」

 うーん。
ミティはこう言っているが、実際どうなんだろう。
ミッション報酬は欲しいが、必ず要るものというわけでもない。
ミティの心情を考慮して、ミッションをスルーしてもいいが。

 どうしようかな。
まあ近くまでいっしょに行って、手前ぐらいの街とかでミティには待機してもらう手もあるか。
とりあえずガロル村へは行く方向で考えよう。

「わかった。ではガロル村へ行く方向で検討したい。アイリス、モニカ、ニムはどうだ?」

「ボクはもちろん構わないよ」

「私もいいよ。遠出するのは初めてだから、ちょっと緊張するけど。冒険者になったからには、こういうこともあると思っていたし」

「わ、私も覚悟はしていました。お母さんにも話しておきます」

 みんなから前向きな答えが聞けた。

「よし。じゃあ、ガロル村方面への護衛依頼とかがないか確認しないとな。実際の日程はそれから決めていこう」

「わかりました」

 ミティがうなずく。

「ところで、タカシの用事って何なの?」

 アイリスがそう尋ねてくる。

「うーん」

 俺は少し悩む。
ミッションのことを話すべきかどうか。
まあステータス操作のことはある程度は話している。
全てを隠し通す必要もないか。

「ミッションっていう単語に聞き覚えはある?」

「なんだっけ。使命とか任務とか、そんな意味だった気がするけど」

「まあそうだ。何者かから、俺に対してミッションが出されているんだ。頭の中に直接ね」

「!」

 アイリスを始め、みんなが驚いた顔をする。

「そ、それは……。とんでもないことでは?」

「信じがたいけど、タカシの力を知っていると、否定もできないね」

「そんなことをできるのは神様ぐらいじゃない? 神様からの指令なら、ボクとしては喜んで協力するけど」

 ミティ、モニカ、アイリスがそう言う。

「神様からかどうかはわからないが、その可能性は否定できない」

「タカシ様も、神様からの指令ということで従われるのですか?」

「それもあるが、他にもメリットがあるんだ」

 俺は神の存在を信じていないわけではない。
しかし、特に信心深いわけでもない。
ミッションに従うのは、メリットがあるからだ。

「と、いいますと?」

「改めて、俺の力の仕組みを説明しよう。みんなの力を強化するのに、スキルポイントというものが必要なんだ」

「スキルポイント?」

「力を強化するためだけに使えるお金ぐらいに思ってくれていい」

「なるほど」

 ミティが相づちを打つ。

「そのスキルポイントを手に入れるためには、魔物をたくさん狩ったり、戦闘経験を積んだりする必要がある」

「だから、狩りをするごとにちょっとずつ強化してくれていたんだね」

 アイリスがそう言う。

「ああ。そして、スキルポイントはミッションを達成することでも手に入れることができるんだ」

「そ、そうだったのですね」

「ミッションが特別困難なものじゃなければ、できるだけミッションに沿って行動したほうが効率がいいと思っている。俺とミティがゾルフ砦に向かったのも、実はミッションに従ったからなんだ」

「ゾルフ砦に行けっていうミッション?」

 アイリスがそう尋ねてくる。

「いや、ゾルフ砦の防衛戦に参加せよ、っていうミッションだよ」

「へえ。そのミッションがなければ、ボクと会うこともなかっただろうねえ」

「そうだな。ミッションのおかげでアイリスと出会うことができた。それに、オーガやハーピィと無事に和解できたのは、俺の功績がある程度大きいと思っている。自意識過剰かもしれないが」

「タカシは大活躍だったし、実際に功績は大きかったと思うよ。ボクやミティが活躍できたのも、実質タカシのおかげと言ってもいいぐらいだし」

「確かに、その通りです!」

 アイリスとミティがそう言う。

「ありがとう。ミッションに従った結果、みんなが笑って暮らせる結果に終わらせることができたわけだ。今回もミッションに従えば、何かしらの事件とかを俺たちの手で解決して、悲劇とかを回避できるのかもしれないと思っている」

「うーん。1つの事例だけで判断するのは早計のような気もするけど」

 モニカがそう言う。
冷静な判断だ。

「何も起こらなければ、それはそれでいいし。手に負えないレベルの大事件なら、みんなでがんばって逃げることもできる」

「それもそうだね。ちなみに今回のミッションは?」

「ガロル村に行け、っていうミッションだよ」

「今回のは行くだけでいいんだ。お手軽だね」

 アイリスがそう言う。

「そうだな。まずは行くだけ行ってみて損はないと思う。みんなもそれでいいな?」

「「「「異議なし!」」」」

 このパーティ会議の結果、満場一致でガロル村へ向かうことになった。
ミティの両親や知り合いなどとばったり出会ったりすると、気まずいだろう。
そこは懸念点だ。

 しかし、ミッション報酬のスキルポイントは魅力的だ。
それに、ガロル村や道中の見知らぬ街などを訪れることも楽しみである。

 不安と期待の両方を胸に抱きながら、ガロル村へ旅立つ準備を進めていくことにする。

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