【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

130話 パーティ名の相談

 数日が経過した。
モニカとニムの育成は順調に進んでいる。

 今日も北の草原でファイティングドッグ狩りを行った。
今は閉店後のラビット亭で夕食をとっているところである。
そろそろ、モニカとニムが冒険者としてやっていけそうか、判断を下す頃合いだろう。

「モニカとニムは、十分に冒険者としてやっていけそうだな。みんなはどう思う?」

 俺はそう言う。

「うん。やっていけそうかな。タカシのその力のおかげだけど」

「す、すごい力です」

 モニカとニムがそう言う。

「そうだな。この力があれば、何とかやっていけるだろう。もちろん、2人のがんばりも大きいと思うが」

 俺はそう言う。

「あと、ミティやアイリスのサポートも助かっているよ。いつもありがとう」

「あ、ありがとうございます」

 モニカとニムがそう言う。

「いえ。私も最初の頃はタカシ様にサポートしていただきましたので」

「初心者を手助けするのは、先輩として当然のことだよ。まあボクもまだ見習いだけどね」

 ミティとアイリスがそう言う。

 お互いがお互いを気遣う良いパーティだと思う。
ハーレムにありがちな、険悪なムードにはなりそうにない。
一安心だ。
まあ今のところはだが。

 モニカとニムは仲が良い。
姉と妹のような関係だ。
ダリウスとマムの進展次第では、実際に姉妹となる可能性もある。

 モニカとアイリスもそこそこ仲が良い。
武闘の師弟関係だしな。
2人とも、少し男っぽくてサバサバした性格だ。

 ミティは奴隷という立場を気にしてか、みんなに対して一歩引いたような雰囲気がある。
俺と出会った直後は、一歩どころか十歩ぐらい引いていたイメージだった。
それに比べるとかなり自信を取り戻してくれたとは思うが。

 やはり、ミティに本当に自信を取り戻してもらうためにも、奴隷身分から解放させてあげたい。
それには、金を稼いでいく必要がある。
手持ちの金は、モニカやニムへの貸し出しや装備の購入費、それにみんなの日々の生活費により、どんどん減ってしまっている。
残金は金貨100枚ぐらいだ。
ラーグ奴隷商会への借金は、残り金貨270枚。
ガンガン稼いでいく必要がある。
そろそろ他の街への遠征なども検討したいところだ。

「それで、この5人でパーティを登録しようと思う。何か良いパーティ名はあるか?」

 パーティ名をみんなから募集する。

「偉大なる勇者タカシとその一行、でどうでしょうか?」

 ミティが即座にそう言う。

「いや、さすがに恥ずかしいよ。俺は勇者じゃないし」

 ミティの案は没にする。

「聖ミリアリア騎士団はどうかな?」

 アイリスがそう言う。

「うーん。聖ミリアリア統一教の否定はしないけど、アイリス以外は信徒じゃないしなあ。そもそも騎士でもないし」

 アイリスの案も没だ。

「難しいね。ちなみに、他の人たちはどういうパーティ名をつけているの?」

 モニカがそう言う。

「俺が知っているのは、赤き大牙、蒼穹の担い手、黒色の旋風、荒ぶる爪、竜の片翼、漢の拳、三日月の舞、とかかな」

「へえ。このあたりは地味な名前が多いんだねえ。中央大陸では、もっと派手な名前が流行っていたよ」

 アイリスがそう言う。

 地味?
これらも結構派手だと思うが。

「具体的にはどんな名前が流行っていたの?」

 モニカがアイリスにそう尋ねる。

「ボクが聞いたことがあるのは、クルセイダーズ、ハンドレッドマシンガンズ、ドラゴンバスターズとかかな」

「へえ。そういう名前もあるんだな」

 確かにそれらのほうが派手だ。

「す、数字を入れるのは、何となくカッコいい気がします!」

 ニムがそう言う。

「数字かあ。タカシ。数字を入れた何かいい名前はない?」

 アイリスがそう言う。

「うーん。……サウザンドノーズブレスとか?」

「意味は?」

「えーと。千の鼻息?」

「嫌だよ。そんな名前」

 アイリスが俺の案を切り捨てる。
別の案を考えないと。
少し考え込む。

「……ミリオンズ、でどうだ? 百万を意味する言葉だ」

「語感は悪くないね」

 アイリスがそう言う。

「百万の具体的な意味はなんでしょうか?」

 ミティがそう言う。

「百万という数に匹敵するような大きな活躍をするぜ。そういう意味を込めているのだ」

 適当だが。
そのあたりは雰囲気だ。

「例えば、俺の二十本桜という魔法がある。その数をどんどん増やしていくぜという決意を込めている」

 とはいえ、最終目標は千本桜だ。
語呂が良いからな。
百万本桜はさすがに難しいだろう。
語呂も悪いし。

「なるほど?」

 モニカが納得したようなしていないような顔をする。
彼女には、まだ俺の二十本桜を見せていないしな。

「ミティの二つ名は百人力だ。いずれは百万人力を目指すという決意を込めている」

「ひゃ、百万人力ですか。がんばります!」

 ミティがそう意気込む。
イメージで景気良く大きな数を掲げているだけなので、本気で目指す必要もないが。
意気込みは大切だ。

「アイリスやモニカの格闘術や、ニムの土魔法も同じだ。百万という数のイメージに似合った活躍をできるよう、がんばっていくという決意を込めている」

 一瞬の間に数え切れないキックを繰り出したり、とてつもない質量の土魔法を発動したり、というイメージだ。

「……ほんとうにそこまで考えてる?」

 アイリスが訝しげな顔でそう言う。

「適当だ」

 こういうのはノリだよ。
ノリ。
深い意味なんてない。

「やっぱり!」

 アイリスがそう言って、呆れ顔をする。

「まあいいんじゃない? 語感はいいし」

「私もいいと思います!」

「わ、私もそれで構いません」

 モニカ、ミティ、ニムからフォローが入る。
彼女たちはミリオンズというパーティ名で問題ないようだ。

「もう! みんながそう言うなら、ボクもそれでいいけどさ!」

 アイリスが投げやりな感じでそう言う。
パーティ名はミリオンズで申請してみよう。

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