【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

108話 ゾルフ砦へ帰還:Cランク昇格

 数日の移動の末。
ハガ王国からゾルフ砦に戻ってきた。

 サザリアナ王国の使者やその護衛たちとは街に入ったところで別れる。
残りの潜入組のみんなで冒険者ギルドに顔を出す。

「へっへっへ。戻ってきたぜ。ギルドマスターのテスタロッサを呼んでもらえるか?」

「か、かしこまりました」

 受付嬢が慌てて奥に向かう。
しばらくして、ギルドマスターのテスタロッサがやってきた。

「おお! アドルフにレオナルド! 他のやつらも! 無事に戻ったか!」

「へっへっへ。おかげさまで無事だぜ」

「日頃の行いがいいからな。ギャハハハ!」

 ケガ人は出たが、死者は潜入組にもハガ王国側にも出なかった。

「お前たちの噂は聞いているぞ! 向こうでも大活躍だったそうじゃないか!」

「へっへっへ。全員ががんばったおかげだぜ」

「特に、タカシの活躍は目をみはるものがあったな。ギャハハハ!」

 名指しで褒められた。
照れる。

「ほう。興味深いな。詳しい話は別室で聞こう。ゾンゲル氏を呼ぶから少し待っていてくれ」

 みんなで別室に入る。
けっこう広めの部屋だ。

 しばらくして、テスタロッサとゾンゲルが入ってきた。
アドルフの兄貴を中心に、今回の潜入作戦の詳細を報告していく。

「……なるほどな。詳細は把握した。今回の任務、ご苦労だった」

 ゾンゲルがそう言う。

「各人、報酬金には期待してくれていい。アドルフの報告をもとに、ギルドから財務卿に請求しておこう。冒険者には、もちろんランクアップ査定もあるぞ」

 テスタロッサがそう言う。

「へっへっへ。報酬といえば、前金の件だが。前金としてもらっていた金貨300枚は、俺たち10人で分けておくぜ」

「この金貨300枚は等分にするつもりだ。1人金貨30枚になる。追加請求の方で活躍度に応じた報酬を渡す予定だ。ギャハハハ!」

「へっへっへ。異論はねえな?」

 1人あたり金貨30枚。
大金だ。
俺、ミティ、アイリスの3人で計90枚。
アイリスの分はともかく、俺とミティの報酬を借金返済に充てれば、借金完済にかなり近づく。

「異論ありません」

 他の参加者からも特に異論はない。
兄貴から金貨30枚を受け取る。
ミティの分も預かり、俺のアイテムボックスに入れておく。

「潜入作戦の処理は以上となる。続いて、防衛戦の処理だ」

 テスタロッサがそう言う。

「まずは報酬額の件だ。非冒険者の参加者も多く、討伐数の確認が難しい。そのため各人の参加日数に応じてほぼ一律の支給としている。巨大ゴーレム戦での活躍度や冒険者ランクによって多少の調整はしているが」

 冒険者が討伐した魔物の情報は、ギルドカードに自動で記載される。
よく考えると謎の高度なシステムだ。
仕組みや発明者が気になるが、今は置いておこう。

 防衛戦の報酬は1人あたり金貨10枚ほどになるとのことだ。
参加日数としては2日なので、日給5万円ぐらいか。
悪くはない。
だが、普段の冒険者稼業に比べて特別に良いわけでもないな。
まあ参加人数も多かったし、巨大ゴーレム戦を除けばそれほど危険度も高くなかったしな。

 テスタロッサから報酬金を受け取る。

「続いて、ランクアップ査定だ。潜入作戦と合わせて、大幅な査定アップとなるぞ。今回の件でランクアップするのは……タカシ、ミティ、アイリス、ウッディの4人だ」

 俺たちの冒険者ランクを上げてもらえるようだ。
俺はDランクからCランク。
Cランクといえば、ドレッド、コーバッツ、リーゼロッテ、ギルバート、ラゴラス、エレナなどと同格となる。
十分な実力を持った一人前の冒険者といったところだ。

「へっへっへ。タカシはもうCランクか。予想以上に成長が速いな」

「登録して3か月くらいか? 歴代でもかなり速いほうだろうな! ギャハハハ!」

 冒険者登録を行ったのは、4月2日。
今日は7月10日。
レオさんの言う通り、3か月くらいだ。

「兄貴たちのご指導のおかげです。パーティメンバーにも恵まれましたし、この街では良き師やライバルたちと出会えました。俺は幸運です」

 ステータス操作のチートの恩恵は大きい。
だが、それ以上に人運にも恵まれているように思う。

 最初に絡まれたのがガチのチンピラだったら。
購入した奴隷に裏切られていたら。
この街でメルビンやビスカチオに師事できていなかったら。
武闘会で好敵手と出会えなかったら。
これほど順調に成長はできなかっただろう。

「へっへっへ。謙虚だな。その様子だと、調子に乗って早死することもなさそうだな。嫌なことを言うようだが、1つ伝えておこう。殉職者が最も多い冒険者ランクはCランクだ。そうだよな? テスタロッサ」

「その通りだ。Dランク以下は、危険な依頼をそもそも受注できない。Bランク以上は、ちょっとやそっとでは死なない生命力や防御力を持っている。アドルフの言う通り、Cランクが殉職者が最も多い。とは言っても、年々減少傾向ではあるがな」

 テスタロッサがそう言う。

「ま、安全重視でいくことだ。死んだら元も子もないからな。ギャハハハ!」

「はい。大切な仲間もいますし、無理はせずにがんばります!」

 30年後の世界滅亡の危機に立ち向かうために、いつか無茶をする機会もあるかもしれない。
だが、猶予期間はかなりあるわけだし、まずは安全を第一にしてがんばっていくつもりだ。

 ミティとアイリスはEランクからDランクに上がった。
今回はDランクまでの昇格に留まっているが、加護による強化もあるし、遠くないうちにCランクへの昇格も可能だろう。

 ウッディはDランクからCランクへの昇格だ。
ギルバートはCランク据え置きだが、Bランクに一歩近づいたといったところか。
アドルフの兄貴とレオさんは、Bランク据え置き。
さすがに高ランクになると、なかなかランクは上がらないのだろう。

「マクセル、ストラス、ジルガ。君たちは冒険者登録をしないのか? するだけしておいて損はないと思うが。今登録すれば、今回の功績でDランクからスタートできるぞ。特別に登録料をただにしてやろう」

 テスタロッサがそう言う。

「マクセルの小僧は、冒険者を毛嫌いしておったな。その考えは今も変わらんか?」

 ゾンゲルがそう問いかける。

「いや、そうでもないよ。ちょっと興味が湧いたかな。登録しておくよ」

 マクセルがそう言って、こちらを見てくる。
俺か?
俺を見ている。
なんだろう。
別に彼とは、何もなかったと思うが。

「俺はこの機会に登録しておくぜ。速さを極めるには、見聞を広げる必要がありそうだからな」

 ストラスがそう言う。
彼は、神脚の勇者とやらをリスペクトしているだけあって、スピードや足技にこだわりがある。
ハガ王国でもセリナと張り合っていた。

「俺はあまり興味がないが、まあいい機会だし一応登録だけしておくか」

 ジルガがそう言う。

 マクセル、ストラス、ジルガの3人とも、この機会に冒険者登録をすることになった。

「……以上で、潜入作戦と防衛戦の処理は終了となる。改めて、今回はご苦労だったな」

 テスタロッサがそう締めくくり、報告は終わった。

「ところで、冒険者ギルドとは直接は関係ないが、一応耳に入れておけ。ガルハード杯の準決勝以降は保留の末、中止になったぞ」

 テスタロッサがそう言う。

 ミティの優勝に賭けていた金はどうなるんだろう。
もし優勝していたら、賭け金が27倍になっていたからな。
かなりの大金だ。

 まあ、あの時点のミティでは、ベスト4入りしていた他の3人に勝つのは難しかっただろうが。

 武闘神官にして、聖ミリアリア統一教会本部の司祭でもあるエドワード。
闘気術はもちろん、聖闘気も高いレベルで扱うことができる。
1回戦ではマスクマンを、2回戦ではストラスを破った。

 水魔法の名門、ラスターレイン家の次男であるリルクヴィスト。
流水拳という流派を修めている。
かなりの技量を持つ選手だ。
1回戦ではウッディを、2回戦ではミッシェルを破った。

 前回のゾルフ杯の準優勝者であるマクセル。
雷竜拳の使い手であり、攻撃力、スピード、判断力などに特に秀でる。
Cランク冒険者であるラゴラスやギルバートを全く寄せ付けなかった。
防衛戦の対巨大ゴーレムや、潜入作戦でも活躍していた。

 この3人とミティで準決勝以降の続きをやってもおかしくはないと思うが、戦後のドタバタで中止という扱いになったということか。
まあ、時期としてももう1か月以上経つしな。
今さら感はある。

「今回のガルハード杯では、上位4人が同時優勝扱いとなった。まあ参考記録だがな。ミティにマクセル、優勝おめでとう」

 テスタロッサがそう言う。

 へえ。
同時優勝扱いか。

「ミティ、おめでとう!」

「ありがとうございます!」

 ミティは少しうれしそうだ。
ちょっと時間が空いているので、イマイチ実感が沸かないようだが。
初出場のDランク冒険者が優勝するのは、かなりの快挙だろう。

「賭け金は、さすがに割り引いた額の払い戻しになる。払い戻しの期限が迫っているから、処理は早めにしておけよ」

 テスタロッサがそう注意する。

「わかりました。近いうちにしておきます」

 ミティの場合、賭け金の8倍ぐらいの払い戻しになるそうだ。
ラッキー。
結構な収入になる。
ウハウハだぜ。



レベル16、たかし
種族:ヒューマン
職業:剣士
ランク:C
HP:120(92+28)
MP:150(60+90)
腕力: 90(50+15+25)
脚力: 85(47+14+24)
体力:127(55+17+55)
器用: 68(52+16)
魔力:112(56+56)

武器:紅剣クリム
防具:アイアンアーマー、アイアンシールド

残りスキルポイント20
スキル:
ステータス操作
スキルリセット
加護付与
異世界言語
剣術レベル4
格闘術レベル1
回避術レベル2
気配察知レベル2
気配隠匿レベル1
視力強化レベル1
MP強化レベル3
腕力強化レベル1
脚力強化レベル1
体力強化レベル2
魔力強化レベル2
肉体強化レベル3
闘気術レベル3 「開放、感知、集中」
火魔法レベル5 「ファイアーボール、ファイアーアロー、ファイアートルネード、ボルカニックフレイム、火魔法創造 “十本桜” “バーンアウト”」
水魔法レベル1 「ウォーターボール」
風魔法レベル1 「エアバースト」
治療魔法レベル3 「キュア、ヒール、エリアヒール」
空間魔法レベル3 「アイテムボックス、アイテムルーム、転移魔法陣作成」
高速詠唱レベル1
MP消費量減少レベル2
MP回復速度強化レベル1

称号:
犬狩り
ホワイトタイガー討伐者
ジャイアントゴーレム討伐者
オーガ・ハーピィの盟友
ガルハード杯ベスト16


レベル14、ミティ
種族:ドワーフ
職業:槌士
ランク:D
HP:103(79+24)
MP: 60(46+14)
腕力:261(79+24+158)
脚力: 49(38+11)
体力: 96(53+16+27)
器用: 46(20+6+20)
魔力: 57(44+13)

武器:ドワーフの戦槌
防具:アイアンアーマー
その他:アイテムバッグ

残りスキルポイント15
スキル:
槌術レベル4
格闘術レベル1
投擲術レベル3
体力強化レベル1
腕力強化レベル4
器用強化レベル2
闘気術レベル3 「開放、感知、集中」
風魔法レベル2 「エアバースト、エアリアルスラッシュ」
MP回復速度強化レベル1
鍛冶術レベル3

称号:
タカシの加護を受けし者
ジャイアントゴーレム討伐者
百人力
ガルハード杯優勝者


レベル16、アイリス
種族:ヒューマン
職業:武闘家
ランク:D
HP:120(92+28)
MP: 62(48+14)
腕力: 73(56+17)
脚力:110(61+18+31)
体力:110(48+14+48)
器用: 83(64+19)
魔力: 61(47+14)

武器:バトルガントレット
防具:レザーアーマー
その他:スプールの首飾り

残りスキルポイント5
スキル:
格闘術レベル4
気配察知レベル1
気配隠匿レベル1
脚力強化レベル1
体力強化レベル2
闘気術レベル4
聖闘気術レベル3
聖魔法レベル1「ウィッシュ」
治療魔法レベル3「キュア、ヒール、エリアヒール」

称号:
タカシの加護を受けし者
ジャイアントゴーレム討伐者
ガルハード杯ベスト16

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