【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】

24話 チンピラ再び?

 典型的なチンピラに絡まれた。
アドルフ兄貴達との出会いを思い出すなあ。
アドルフ兄貴達は一見チンピラだが実は良い人だった。
久しぶりに会いたいな。
もうそろそろこの街に戻ってきていてもおかしくないはずだが。

 しかし、毎回チンピラが良い人とも限らない。
とりあえずは無視して放っておく方向性だ。
ミティの手を引いて出口へ向かおうとする。
行く手を遮られた。

「おいそこのドワーフ娘。こんな男は捨てて俺達のパーティに来いよ」

「くっくっく。たっぷりと良い思いをさせてやるぜ?」

 相手のチンピラ集団は全員で4人。
このしゃべっている2人がリーダー格のようだ。
他の2人は周りではやし立てている。

「嫌です! 私はタカシ様に忠誠を捧げました! あなた達なんかいりません!」

 ミティさんや。
うれしいことを言ってくれるじゃないの。
しかしあんまり相手を興奮させるようなことは言わないでおくれ。

「ああん? 忠誠だと? おいおい、よく見りゃコイツ奴隷じゃねーか!」

「くっくっく。若いくせに奴隷持ちとはな。生意気だぞボウズ」

 チンピラ達がミティをじろじろとなめ回すように見ている。
俺のミティをそんな目で見るんじゃねえ。

「そうだ、良いことを思いついたぜえ。俺達でちょいと稽古をつけてやろう」

「くっくっく。いいねえそれ。ボウズ、表へ出な」

 うーん。
街中だから剣が使えないとはいえ、以前と比べるとステータスは格段に上がった。
2人ぐらいまでならなんとかなりそうな気はする。
しかし4人相手はさすがにマズイか?
どうしようかと考えていると、受付嬢からの助け舟が入る。

「争いごとはそこまでです!」

「なんだあ? ギルドが冒険者同士のケンカに横入りしようってのかあ?」

「これはただの忠告です。そちらのタカシ様は“犬狩り”の通り名を持つ期待の新人。先日のホワイトタイガー討伐にも多大な貢献をし、わずか半月でDランクに昇格しました。あなたがたでは彼には勝てませんよ?」

 期待の新人とか照れるね。
まあ4対2だとさすがに厳しいとは思うけど、黙っておこう。

「くっ。こいつがあの“犬狩り”か。しかも半月でDランクだと? ますます生意気なボウズだ」

「だが確かにそいつは侮れねえなあ。稽古をつけるってのはやめだ。しかしこのままでは済まさねえ。そうだ、代わりに狩り勝負といこうぜえ。ギルドの嬢ちゃんもそれなら文句はねえだろ?」

「ええ、まあ……」

 狩り勝負?
受付嬢が文句を言わないところを見ても、多少は平和的な勝負に見える。

「狩り勝負とは何をするのでしょう?」

「明日から3日間の狩りの報酬額で勝負をするんだ。狩場は自由だ」

「くっくっく。報酬額はパーティでの比較。つまりお前達は2人、俺達は4人だ。半月でDランクになったんだから、その程度のハンデはつけてもらおうか」

 人数差のハンデがきつそうだ。
北の草原でファイティングドッグを狩っているだけでは勝てないだろうな。
西の森でファイアートルネードを使ってゴブリンをさくさく狩っていけば大丈夫か?
MPにも余裕がある。
アイテムボックスの収納量も徐々に増えてきている。

「もしこちらが負けたらどうなるのでしょう?」

「負けたほうは勝ったほうに金貨10枚を渡す。それでどうだ?」

 ふむ。
賭けの内容は対等だな。
ミティを寄越せとか言われるかと思ったが。
まあさすがに金貨数百枚はする奴隷は賭けの対象にならないか。

 金貨10枚程度なら数日で稼げる額だ。
負けるつもりはないが、もし負けても大きな問題はない。
後顧の憂いを絶つためにも勝負を受けておこう。

「それでいいですよ。では」

「くっくっく。首を洗って待っているんだな」

「たった2人で俺達4人に勝てると思ってんのかあ? 3日後の結果を楽しみにしてるぜえ」

 そう言って彼らは去って行った。
俺とミティも冒険者ギルドから退出する。

 先日の兎獣人の食堂へ行った。
ラビット亭だ。
そこでおいしい料理を食べて英気を養う。
そして宿に戻り、明日に備えて早めに就寝した。


●●●


 狩り勝負の初日だ。
狩場は西の森にした。
もともとそのつもりだったし。

 街から2時間ほど歩き、森の端に入る。
あまり深くには入らないで索敵していく。

 しばらくしてゴブリンの群れを発見した。
木が密集している場所だったのでファイアートルネードは使えない。
とりあえず遠距離からファイアーアローで攻撃しよう。

 心の中で詠唱を開始する。
MPを多めに消費し、威力が大きくなるようにイメージする。
右手の人差し指を前方に伸ばし魔法を発動させる。

「ファイアーアロー!」

 ゴブリンに命中した。
一撃で倒せたようだ。

 他のゴブリンがこちらに気付き走り寄ってくる。
それを続けてファイアーアローで狙い撃ち、数を減らしていく。

 ミティには石を投げつけてもらっている。
器用のステータスが低く投擲術も持っていないため、命中率はかなり低い。
しかし腕力が強い分、当たったときのダメージはでかい。
俺のファイアーアローに勝るとも劣らない威力だ。
もろに命中すれば一撃。
かすっただけでも、十分なダメージを与えているように見える。

 ゴブリンの群れがこちらにたどり着いた時には、もうずいぶん数を減らしていた。
ここからは剣で戦っていく。
ミティはハンマーだ。
数が減ったとはいえ、油断はできない。
囲まれるとやっかいだ。
囲まれないように細心の注意を払いつつ、慎重に確実にしとめていく。

 無事にゴブリンの群れを掃討した。
そこそこ神経は使うが、2人でも危なげなく狩っていけそうだ。
欲を言えば、もう1人近接職がいれば安定性が増すのだが。
剣士や槍士、それに格闘家や棒術使いなんかもいいな。
まあ当分は先のことだが。


 続けて索敵していると、開けた場所でゴブリンの群れと遭遇した。
今度はファイアートルネードの出番だ。

 森林火災にならないように注意せねば。
威力と範囲をやや小さめに意識し、心の中で詠唱を開始する。
両手を前方にかざし、魔法を発動させる。

「ファイアートルネード!」

 ごうっという音と共に大きな火の竜巻が発生し、ゴブリンを襲う。
消費MPはそれほどでもない。
全MPの1割半程度だ。

 この一撃でほとんどのゴブリンが息絶えている。
狩りの効率と安全性の点では最高の結果だ。
しかし、これではミティのレベリングに支障が出るな。
彼女は「すごいです!」と言って感嘆しているが。
威力をもっと小さく意識する必要がありそうだ。

 数少ない生き残りゴブリンにとどめを刺していく。
もう相手はほとんど抵抗できないだろう。
安全だ。
ここはミティに優先的に倒してもらう。


 続けて索敵していると、ふいに横の茂みから魔物の気配を感じた。
次の瞬間、オオカミのような魔物が茂みから襲いかかってきた。
慌てずに盾で防ぐ。
奴は一旦俺達から距離をとった。

 どうやらこいつがハウンドウルフという魔物のようだ。
前回の遠征時にユナやリーゼロッテから話を聞いている。
ハウンドウルフは格下しか襲わない。
前回は4人パーティで行動していたので見かけなかった。
今回は俺とミティの2人パーティだから襲われたのだろう。

 話には聞いていたが、実物を見るのは初めてだ。
なるほど、確かにオオカミのように身のこなしが軽そうだ。
油断はできない。

 とりあえず距離はあるのでファイアーアローで牽制してみるか。
そう考えて呪文を詠唱しようとしたところ、奴が一気に距離を詰めて跳びかかってきた。
魔力の気配を感じ取ったのか?
いや、俺はまだ呪文の詠唱を始めていなかった。
おそらくはたまたまだろう。

 落ち着いて盾で防ぎ、剣で反撃する。
奴の攻撃はさほど重くない。
ゴブリンやクレイジーラビットと違って、群れで行動しているわけでもない。
1対1で戦いに集中できる。
いや、ミティもいるから2対1だ。

「ミティ、俺が攻撃を引きつける。隙を見つけてハンマーで攻撃してくれ」 

「分かりました、タカシ様」

 俺は剣で堅実に攻撃していく。
奴が距離をとったらファイアーアローで追撃する。
奴が俺を見てうなり声を上げる。
よしよし、完全にこっちに意識が向いているな。

 そしてミティのハンマーが奴に直撃した。
素晴らしい威力だ。
奴はもう虫の息。
ミティのハンマーさえ当たれば、ほぼ戦闘は終わったようなものだな。
ミティにとどめを刺してもらい、無事に討伐が終了した。

 楽な相手だ。
俺の気配察知があるから、奇襲にも対応できる。
どんどんかかって来たまえ。


 その後も同じようにゴブリンを中心に狩っていった。
クレイジーラビットには手を出していない。
ポイズンコブラも毒が厄介なのでスルー。
ハウンドウルフは襲ってきた奴だけを返り討ちにした。

 森に滞在する時間の割には戦闘時間が少ないが、それも仕方ないだろう。
2人で安全に狩れる魔物は限定されているのだ。


 ラーグの街に戻り、冒険者ギルドへと向かう。
今日の報酬は金貨7枚だった。
やはり獲物を限定している分、西の森の割には報酬が少ない。
しかしそれでもファイティングドッグ狩りよりは格段に報酬が多い。
ミティのレベルも4から5に上がった。

 新しいスキルポイント10をどうするか。
今日の狩りの様子だと、投擲術が役に立ちそうだ。
投擲術を取得しておく。


 今日もラビット亭で夕食だ。
うさぎ耳の人の名前を聞いてみた。
彼女はモニカという名前らしい。
モニカが作ったおいしい料理をミティといっしょに食べる。

 こうして、狩り勝負の初日は順調に終了した。


レベル10、たかし
種族:ヒューマン
職業:剣士
ランク:D
HP:79(61+18)
MP:100(40+60)
腕力:36(28+8)
脚力:35(27+8)
体力:81(35+11+35)
器用:42(32+10)
魔力:36

武器:ショートソード
防具:レザーアーマー、スモールシールド

残りスキルポイント5
スキル:
ステータス操作
スキルリセット
加護付与
異世界言語
剣術レベル3
回避術レベル1
気配察知レベル2
MP強化レベル3
体力強化レベル2
肉体強化レベル3
火魔法レベル4 「ファイアーボール、ファイアーアロー、ファイアートルネード、ボルカニックフレイム」
水魔法レベル1 「ウォーターボール」
空間魔法レベル2 「アイテムボックス、アイテムルーム」
MP消費量減少レベル2
MP回復速度強化レベル1


レベル5、ミティ
種族:ドワーフ
職業:槌士
ランク:E
HP:48(37+11)
MP:26(20+6)
腕力:76(33+10+33)
脚力:20(15+5)
体力:31(24+7)
器用:7(5+2)
魔力:23(18+5)

武器:ストーンハンマー
防具:レザーアーマー

残りスキルポイント0
スキル:
槌術レベル2
投擲術レベル1
腕力強化レベル2
MP回復速度強化レベル1

称号:
タカシの加護を受けし者

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