面倒くさがり屋の異世界転生

自由人

第14話 プレゼントと加護

『原初の神様へ、ソフィに逢わせてくれてありがとうございます。元気そうにしており、大変嬉しかったです。少ない時間でしたが有意義に過ごせました。本当にありがとうございました。神様も体に気をつけて適度にゴロゴロしながら仕事を頑張ってください』

 よし、神様へのお礼は終わりとして、あとはソフィにもプレゼントのお礼でも伝えておくか。

『ソフィへ、プレゼントの中身はまだ見てないけど、君がくれたものなんだからきっといいものなんだろう。ありがとう。あと、久々に逢えてとても嬉しかったよ。相変わらず可愛かったし、お茶は美味しかったし。次はいつ逢えるかは分からないけど、楽しみにしておくよ。あと、体に気をつけて仕事を頑張ってな。愛してるよ、俺だけのソフィ』


◆ ◇ ◆ ◇ ◆


~ 原初の神様 side ~

「ふぉっふぉっふぉっ。良いのう……ソフィーリアがのめり込むのも分かるぞい。ソフィーリアが寂しそうにしておったから、仕事を頑張ってるご褒美に逢わせてやったんじゃが、儂に感謝の祈りを捧げるとはのぅ。儂の楽しみでもあるゴロゴロを理解してくれるやつでもあるしのぅ。ソフィーリアには白い目で見られたが……」

 何を隠そう、この神様はソフィーリアにベタ甘である。孫を相手にする時のお爺さんのように。今回のこともソフィーリアの為にやったことで、ケビンのことは割とどうでもよかった。

 そしてやはりと言うべきか、ゴロゴロするのはソフィーリアに不評であったらしい。

 しかしケビンの真っ直ぐな姿勢に対し、少し、ほんの少しだけ興味が湧いたのだが、ゴロゴロの理解者とわかると一気に関心度が増えた。

「どれ、儂の唯一の理解者にプレゼントでもするかのぅ。ソフィーリアもプレゼントを渡したようじゃしな。ゴロゴロの同志への餞別じゃ」

 こうしてケビンの預かり知らぬところで原初の神様の関心を引き、勝手に同志へと定められたのである。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆


~ ケビン side ~

 お祈りを無事に終えた俺は、その場で立ち上がり魔法陣から外へ出た。お祈りの言葉はきっと届いただろう。

「ケビン君、洗礼の儀式は以上になります。お疲れ様でした。ケビン君の祈りはきっと神様にも届いたでしょう。あとは、ステータスの確認になりますがやっておきますか? 洗礼の儀式後は祝福を受けているので、何時でもお越し頂ければ確認できるようになっていますから、特段今見る必要もありませんが」

 祝福を受けないとステータスは確認できないのか? それなら生まれた後にステータス確認をしようと思っても、どっちみちできなかったってことか。

 こんなところでテンプレ忘れの救済処置があるとは、世の中捨てたもんじゃないな。まぁ、この世界の人たちにとっては当たり前のことだから、救済でもなんでもないんだが。

 ソフィがプレゼントを渡したって言ってたからな、あまり人前で確認するのは良くないかな? でも、このままずっと確認しないのも怪しまれそうだしな、悩みどころだな。

 そう思っているとガイル司教が察したようだ。

「ステータス確認はプライバシーに関することなので、司教である私と保護者のカロトバウン夫人とケビン君の3人で行います。覗き見するような輩は厳罰に処されますから安心して頂いていいですよ。もちろん、立ち合った私自身も人に喋ると厳罰になります」

 なんと!? 異世界にプライバシー保護法があるとは! それなら安心して確認でもするかな。プレゼントの中身も気になることだし、多分何とかなるだろ。

「それなら確認していきたいと思います。お手数でしょうがよろしくお願いします」

「えぇ、ではこちらに」

 連れてこられたのは簡素な別室だった。部屋の中には石造りの置物が1つあるくらいで、他には何も無かった。

「こちらにあるのがステータスを表示してくれる魔導具になります。使い方は簡単で、両手を石に乗せるだけです。乗せている間だけステータスが表示されるようになっています」

 へぇーこれ魔導具なのか……確かに変な紋様とか入ってるし、ここに手を乗せればいいのか?

「では、私は後ろに控えていますので、どうぞ試されてください」

 試しに両手を乗せてみると魔導具が淡い光を放つ。すると目の前にウインドウが現れステータスの確認ができた。



ケビン・カロトバウン
男性 3歳 種族:人間
職業:年端もいかない子供
状態:ウキウキ

Lv.1
HP:5
MP:4
筋力:6
耐久:4
魔力:8
精神:6
敏捷:5

スキル
【言語理解】【創造】【センス】【隠蔽】【偽装】
【剣術適性】【魔法適性】
【身体強化 Lv.1】【属性強化 Lv.1】
【病気耐性 Lv.EX】【魔力操作 Lv.EX】

加護
女神の寵愛
原初神の加護

称号
アキバの魔法使い
女神の伴侶
ゴロゴロの同志



「――ッ!」

 俺は速攻で手を離した。ヤバイ、色々とヤバイ……母さんもそうだったが、俺のステータスもツッコミどころ満載だった。

「ケビン? どうしたの?」

「い、いや……いきなり目の前に現れたからビックリしちゃって」

「あらあら、ふふっ」

 とりあえず誤魔化すしかない。流石に本当のことは言えない。

「ははっ、そういうところはケビン君も年相応なのですね。まぁ、魔導具に触れたのも初めてでしょうし、特に危ない代物でもないですから大丈夫ですよ」

 よし、母さんもガイル司教もいい感じに誤魔化せたようだ。まずは、自分のステータスを何とかしないと2人には見せられないな。

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