面倒くさがり屋の異世界転生
第7話 初めての創造
健が風呂から上がると、ちゃぶ台のところでソフィが寛いでいた。
「ソフィ、お風呂ありがとう。中の凄さにビックリしたけど、満足だったよ」
「そう? 喜んでもらえてよかったわ。お茶を入れるから座って待ってて」
ソフィーリアがそう言うとキッチンの方へ向かって行く。
ん? お茶って湯呑みに勝手に湧いて出てきてなかったっけ? というか、キッチンまだあったんだ。お役御免でなくなったのかと思ってたけど。
「簡単に用意する事も出来るけど、実際に入れた方がいいでしょ?」
健の顔に出ていたのだろうか、ソフィーリアが理由を語ったのだった。
「まぁ、確かに。そっちの方が嬉しいかな」
「はい、どうぞ」
健は出されたお茶を啜りながら、ふと辺りを見渡す。何もなかった真っ白な空間に、今やリビングにキッチン、そしてお風呂までできている。
「あなたが来てからここも変わったわ。これまでは事務処理だけの空間だったのに、今じゃ生活空間になっているもの」
「それは、悪いことなのか?」
「わからないわ。初めてのことだから」
「それならこのままで良くないか? 前の無機質な空間よりも、今の状態の方が俺は好きだぞ。暖かみがあるしな」
「そうね。でも、こんな所じゃお仕事は出来ないわ。プライベートな空間だし、何よりもあなたと過ごした思い出の証だから」
「じゃあ此処は結界でも張って隔離して、誰も入れないようにすればいい。仕事場は別に作ればいいんだし。そしたら2人だけの思い出の場所になるだろ?」
健がそう口にした途端、辺りに光が充ちた。
「言われた通りにここを隔離したのよ。元々仕事するのにこんなに広い空間は必要なかったし、いい機会だったわ。今からはあなたと私だけの空間よ? それにあなたにも空間へアクセス出来るように設定したから、色々と出来るようになっているはずよ」
何気に凄いことになっているな。神の住まう空間に俺がアクセスしてもいいのだろうか。
まぁ、他の神様にだけバレなきゃ大丈夫かな。アクセスの仕方も頭に流れ込んできたし、色々と試してみるか。
「ちょっと試してみるよ」
何がいいかな? ここまで生活感がある空間になってしまったんだから、とことん生活感を出してみるかな?
あと足りないものは、トイレと寝室ぐらいか。トイレは普通に作るとして、問題は寝室だな。ここはもう、欲望全開で2人の寝室にしよう。わざわざ分ける必要もないだろ。
それに加えて、周囲の景色が相変わらず殺風景だな。木々を植えるか。遠くの方は山で充分だな。そこから川が流れてくる感じにしよう。
そうなってくると、間取りがおかしな配置になってる今の状態を何とかしないとな。
もう、いっそのこと家を建てよう。自然溢れる景色だから、外観はやっぱりログハウスだな。煙突も付けて味のある外観にしよう。
これらを【創造】で創れば……
「よし、出来た」
~どこからともなく聞こえてくるあのナレーション~
なんということでしょう! 今まで何もなかった真っ白な空間に、今や色とりどりの溢れる自然……山から流れてくる小川のせせらぎは、まるで妖精たちがダンスを始めてしまいそうなメロディを奏でています。
ログハウスの玄関を開けると、そこには広い空間を意識せざるを得ないような吹き抜けになっており、匠の技が冴え渡っています。
ダイニングにはログハウスに合わせるように、一枚板の大きなテーブルがその存在感を示すかのように置かれ、椅子には丸太を加工してそのまま使うという、斬新な再利用法が施されています。
リビングには2人の出会いの時から使われているちゃぶ台を、そのまま利用できるようにとあえて和室を作り、独特の雰囲気を醸し出しています。美の景観を損なわないようにと、匠の配慮が窺えます。
キッチンは使い手の効率を考え配慮された工夫が施されて、前面部分はリビングで寛ぐ想い人の様子が窺えるようにとフルオープンになっており、料理を作りながら会話をする事も可能になって匠の気遣いが現れています。
浴室は大自然の温もりをそのまま感じ取れるようにと、天井と壁は開閉式になっており匠の技を感じつつも、星空を眺めながらの入浴を楽しめるように仕上がっています。
「てな感じに仕上げてみたんだけど、どう? 気に入って貰えたかな?」
「完璧よ。これを見て気に入らないなんてことはないわよ」
「そうか……良かった。初めてやってみたから、失敗したかもって思ったりもしたんだけどね」
「本当に嬉しいわ。ありがとう、健。大好きよ」
「ソフィ、お風呂ありがとう。中の凄さにビックリしたけど、満足だったよ」
「そう? 喜んでもらえてよかったわ。お茶を入れるから座って待ってて」
ソフィーリアがそう言うとキッチンの方へ向かって行く。
ん? お茶って湯呑みに勝手に湧いて出てきてなかったっけ? というか、キッチンまだあったんだ。お役御免でなくなったのかと思ってたけど。
「簡単に用意する事も出来るけど、実際に入れた方がいいでしょ?」
健の顔に出ていたのだろうか、ソフィーリアが理由を語ったのだった。
「まぁ、確かに。そっちの方が嬉しいかな」
「はい、どうぞ」
健は出されたお茶を啜りながら、ふと辺りを見渡す。何もなかった真っ白な空間に、今やリビングにキッチン、そしてお風呂までできている。
「あなたが来てからここも変わったわ。これまでは事務処理だけの空間だったのに、今じゃ生活空間になっているもの」
「それは、悪いことなのか?」
「わからないわ。初めてのことだから」
「それならこのままで良くないか? 前の無機質な空間よりも、今の状態の方が俺は好きだぞ。暖かみがあるしな」
「そうね。でも、こんな所じゃお仕事は出来ないわ。プライベートな空間だし、何よりもあなたと過ごした思い出の証だから」
「じゃあ此処は結界でも張って隔離して、誰も入れないようにすればいい。仕事場は別に作ればいいんだし。そしたら2人だけの思い出の場所になるだろ?」
健がそう口にした途端、辺りに光が充ちた。
「言われた通りにここを隔離したのよ。元々仕事するのにこんなに広い空間は必要なかったし、いい機会だったわ。今からはあなたと私だけの空間よ? それにあなたにも空間へアクセス出来るように設定したから、色々と出来るようになっているはずよ」
何気に凄いことになっているな。神の住まう空間に俺がアクセスしてもいいのだろうか。
まぁ、他の神様にだけバレなきゃ大丈夫かな。アクセスの仕方も頭に流れ込んできたし、色々と試してみるか。
「ちょっと試してみるよ」
何がいいかな? ここまで生活感がある空間になってしまったんだから、とことん生活感を出してみるかな?
あと足りないものは、トイレと寝室ぐらいか。トイレは普通に作るとして、問題は寝室だな。ここはもう、欲望全開で2人の寝室にしよう。わざわざ分ける必要もないだろ。
それに加えて、周囲の景色が相変わらず殺風景だな。木々を植えるか。遠くの方は山で充分だな。そこから川が流れてくる感じにしよう。
そうなってくると、間取りがおかしな配置になってる今の状態を何とかしないとな。
もう、いっそのこと家を建てよう。自然溢れる景色だから、外観はやっぱりログハウスだな。煙突も付けて味のある外観にしよう。
これらを【創造】で創れば……
「よし、出来た」
~どこからともなく聞こえてくるあのナレーション~
なんということでしょう! 今まで何もなかった真っ白な空間に、今や色とりどりの溢れる自然……山から流れてくる小川のせせらぎは、まるで妖精たちがダンスを始めてしまいそうなメロディを奏でています。
ログハウスの玄関を開けると、そこには広い空間を意識せざるを得ないような吹き抜けになっており、匠の技が冴え渡っています。
ダイニングにはログハウスに合わせるように、一枚板の大きなテーブルがその存在感を示すかのように置かれ、椅子には丸太を加工してそのまま使うという、斬新な再利用法が施されています。
リビングには2人の出会いの時から使われているちゃぶ台を、そのまま利用できるようにとあえて和室を作り、独特の雰囲気を醸し出しています。美の景観を損なわないようにと、匠の配慮が窺えます。
キッチンは使い手の効率を考え配慮された工夫が施されて、前面部分はリビングで寛ぐ想い人の様子が窺えるようにとフルオープンになっており、料理を作りながら会話をする事も可能になって匠の気遣いが現れています。
浴室は大自然の温もりをそのまま感じ取れるようにと、天井と壁は開閉式になっており匠の技を感じつつも、星空を眺めながらの入浴を楽しめるように仕上がっています。
「てな感じに仕上げてみたんだけど、どう? 気に入って貰えたかな?」
「完璧よ。これを見て気に入らないなんてことはないわよ」
「そうか……良かった。初めてやってみたから、失敗したかもって思ったりもしたんだけどね」
「本当に嬉しいわ。ありがとう、健。大好きよ」
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