何で死ぬのに生きてるのですか〜ネズミに転生した最強闇魔法使い、銀髪の少女のペットになる〜

にくまも

17.全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部









 最悪だ。魔法使いの学校に入って二日目でこんな面倒なことになるなんて……


 登校二日目の昼、僕は廊下で人にぶつかってしまった。私は特に気にしないで許してあげて立ち去ろうとしたのに彼は突然、私を壁に押し倒して胸倉をつかんでくる




 「てめぇ同じクラスの奴だな。自分からぶつかっといて謝りもしないのか?」




 なぜ? 


 なぜ俺の方が謝罪をしなければいけないんだ?


 ぶつかったんならどっちも痛みがあるはずだろ。俺だって痛かった。自分だけが痛いと思ってるんじゃないんだろうか……お相子あいこだろ。




 「な、なんで俺の方が謝らないといけないんですか?」




 「はぁ? おめぇからぶつかってきたんだから謝るのはお前に決まってるじゃねぇか」


 金髪野郎は腕にさらに力が入る。


 何を言ってるんだこの馬鹿は……、確かにぶつかったのは俺の方かもしれない。


 だけどお前だってそのことを指摘できるってことは気づいていたってことじゃないか! なのに避けもしないでぶつかったってことはお前がぶつかってきたようなもんだろ。




 「こ、ここはお互い悪かったって――」




 頬に衝撃が走り、やがて痛みが広がり熱を帯びる。


 この野郎俺を殴りやがった。殴りやがった殴りやがった殴りやがったぁあ゛あ゛!


 こちとら親切に悪くもないのに優しく穏便に済まそうって思って下に出てたらこいつこいつこいつこいつこいつぅううううう!!




 「お前……今なんて言った?」




 「なんで殴った……人がせっかく穏便おんびんに済まそうって下に出てたからって調子にのるんじゃねぇよこのクソが」




 「あ゛? 何意味わかんねぇこと言ってんだ? お前がいつ下に出てたんだよ勝手にぶつかってきやがったくせに」




 「避ければよかっただろーが!! てめぇがどんくさいからぶつかったんだ、それを俺に責任なすりつけやがっ――」


 金髪が俺の上に乗る。


 何するんだ?


 俺の上に座って腕を振り上げて一体何をする気だ!




 ---------------------------------




 その後俺は殴られた、何分間にもわたり馬乗りになって殴られ続けた。


 途中で白衣の神田先生が通りすぎるのが見える。




 「た、助けてッヴ――」




 先生が通り過ぎているのにまだ殴られて満足に言葉を発することもできない。だが先生がこっちを見てくれた。


 ……だけど動かない、先生はこちらをただ見るだけで言葉を発することも表情を歪めることもなくただただ日常の何気ない風景のようにこちらを眺めてくる。


 見て分かるだろはやく助けてくれ。先生が見ている今現在でも平然と殴ってくる金髪野郎。


 だが先生は微動だにしないでこっちを見やがる。


 助けてくれ何してるんだ? 助けろよおい。ちょっと待てよ、何歩いていこうとしているんだよ。待てよ待てよ待てよ。


 何してるんだ?


 いじめ、いじめじゃねぇのか?


 この学校はいじめを止めるために可笑しなルールまであるんじゃないのかよぉお゛


 何発も何発も殴られているのがわかるのに何で助けないんだ。


 なんでぇ


 なんでぇ


 なんでぇえええ゛え゛




 このくそがこのくそがくそがくそがくそがくそくそくそくそくそkすしそsfづあおfsづあs


 溜まった怒りが爆発し、馬乗りになっている金髪を力の限り全身で押しのける。


 …………だがしかし、明らかに体重が俺より重いくそは全身を動かしても抜け出せることはなかった。


 抜け出せないどころか金髪は暴れる俺に向かって先ほどよりも力強い拳で殴ってきた。


 ――こんなところにくるんじゃなかった。


 魔法使いと知って楽しみに学校に来たのになんだよこの仕打ち。俺は悪くも何もないのに一方的に殴られ、先生はそれを見ないふり。


 頬に涙が零れ落ちる


 ああああああああ――――――――


 この世界なんて糞くらいだ。


 なんでこんなくそみたいな世界で生きていかなきゃいけないんだ。


 くそくそくそくそくそくそ


 やがて俺が抵抗しなくなって飽きたのか俺の上から下り、終わったのかと見たら最後に1発お腹に蹴りを入れてきやがった。


 お腹に力を入れていなかったため大きな釘を打ちつけられたかのように痛み体を突き抜ける。




 「グ――」




 目から自然と涙が零れ落ちる。


 あ……ああああ…………




---------------------------------


 俺はもう抵抗するのをやめた。


 ただただ金髪の言うことを聞けば彼は殴ってはこなかった。


 あの日までは――




 教室で汚いドブネズミを放し飼いにしてやがる女が反抗したせいで俺にまで火の粉が降りかかってきた。


 ただただ桐ケ谷に言われたとおりにボトルを渡したっていうのに、また前みたいに馬乗りになって殴られた。全部あの女のせいだ


  桐ケ谷 海斗
 「もいいや……、お前ら両方殺しあえよ……なぁ、先生いいだろ?」


 「こ、殺し合い…………?」


 は?


 殺し合いって言ったか? 嫌だ嫌だ、嫌だいやだいやだいやだ! 俺はまだ死にたくない。なんで殺しあわないといけないんだ。何も悪いことなんてしてこなかったのに…………


 あ――――


 でも殺しあうのはあの女か? そうだすべてあの女が悪いんだ。あのくそのせいで俺まで巻き込まれた。とんだ迷惑だ。大体ドブネズミなんか学校に連れてくるんじゃねぇよくそが。


 あの女は俺なんかよりもよっぽど桐ケ谷に殴られて、ひどいボロボロだ。


  神田先生
 「何言ってるのよ、今からに決まってるでしょ。」


 今から? 今からって言ったか?


 思わず顔が自然と上がるのを感じる。このくそ女の自業自得に巻き込まれてこっちも腹が立つ、今なら俺はこいつに絶対勝てる。


 俺らは魔法だってろくに教えてもらってないんだからな……

「何で死ぬのに生きてるのですか〜ネズミに転生した最強闇魔法使い、銀髪の少女のペットになる〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「SF」の人気作品

コメント

コメントを書く