ゲームseason1
第一章 第二話(2)
海岸沿いまで来た。
昼間とはまた違う景色が広がる。
波音と潮の香にはいつだって懐かしい気持ちにさせられる。
そうだ、僕はこの町で産まれたんだ。
「裕之が帰ってきてもう一年近く経つ?」
そして、一度はこの町を出たものの人生に大きく躓き、出戻った。
「そうだね」
僕は子供の頃から人の役に立つ仕事に就きたいと思っていた。
医者になれる程頭は良くないし、消防士になれる程の体力もない。
結果、看護師を目指すことにした。
看護大学進学と同時に同じ県内だが一人暮らしを始め、卒業後は県内ではわりと大きい病院に看護師として就職できた。
しかし、順風満帆で心に余裕があり過ぎたのか、そもそも世間知らずな田舎者に加えてお人好しだったのか、その両方か、僕は大学時代の友人が借金をする際、連帯保証人になってしまった。
直後、その友人は姿をくらませた。おそらく最初からそうするつもりだったんだ。
友人が金を借りたのは闇金まがいの業者だった。
直に取り立てが病院にまで来るようになって、僕は就いたばかりの職を失った。
両親には事情を説明するしかなかった。
両親の言葉に甘え、僕は実家に帰った。
それだけじゃなく、両親は借金を肩代わりしてくれた。
本当に感謝しかない。
親と家庭環境に恵まれたことにも感謝した。
でも、それ以上に自分が情けなくて仕方なかった……。
少し荒れている海を背に短い坂を下る僕達。
もう目的地はすぐそこだ。
昼間とはまた違う景色が広がる。
波音と潮の香にはいつだって懐かしい気持ちにさせられる。
そうだ、僕はこの町で産まれたんだ。
「裕之が帰ってきてもう一年近く経つ?」
そして、一度はこの町を出たものの人生に大きく躓き、出戻った。
「そうだね」
僕は子供の頃から人の役に立つ仕事に就きたいと思っていた。
医者になれる程頭は良くないし、消防士になれる程の体力もない。
結果、看護師を目指すことにした。
看護大学進学と同時に同じ県内だが一人暮らしを始め、卒業後は県内ではわりと大きい病院に看護師として就職できた。
しかし、順風満帆で心に余裕があり過ぎたのか、そもそも世間知らずな田舎者に加えてお人好しだったのか、その両方か、僕は大学時代の友人が借金をする際、連帯保証人になってしまった。
直後、その友人は姿をくらませた。おそらく最初からそうするつもりだったんだ。
友人が金を借りたのは闇金まがいの業者だった。
直に取り立てが病院にまで来るようになって、僕は就いたばかりの職を失った。
両親には事情を説明するしかなかった。
両親の言葉に甘え、僕は実家に帰った。
それだけじゃなく、両親は借金を肩代わりしてくれた。
本当に感謝しかない。
親と家庭環境に恵まれたことにも感謝した。
でも、それ以上に自分が情けなくて仕方なかった……。
少し荒れている海を背に短い坂を下る僕達。
もう目的地はすぐそこだ。
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