Over the time ~時を見る~

薪槻暁

序章

 朝の通勤ラッシュでごった返す風景の中……


 電車出発時刻をギリギリまで計算した挙げ句の果てがこんな状況である。


「はぁっ、はぁ…………流石に10分はきついな……」


 普段は15分はかかるだろう道を5分短縮して自転車を漕いできたのだ。


 今日もこの日本社会における時間中心主義の恩恵を受けるだろう瞬間を待ち、携帯のロック画面を開く。


――8:27――


「よし、1分余裕があるな」


 現在時刻を眺め、荒い呼吸を落ち着かせながら辺りを見回す。




「ふぅーー」


 突如、向かい側のホームに佇む少女の姿が視界に入った。






 だが、次の瞬間その姿は消えてしまった。


 上りと下りの電車が目の前を互いに交差するように到着したのだ。






 そして、瞬時に判断した車掌がこう告げる。








「ーーーー人身事故が発生しました。電車付近にいらっしゃるお客様は一旦こちら側に避けてくださいーーーー」















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