Over the memory~時を巡る~
The tea and new tea
辺りは段々と暗闇が迫り、人通りも少なくなってきている。
休憩場所として訪れたこの場所には、数えるほどの人数しかいない。
「なあ……もう半日はいるぞ……」
さすがに店側の配慮までするのは、俺の良心のせいだろう。
「ええーー、まだ出たくない……」
真っ向から反対する彼女。
もうお分かりだろうが……
俺達は某有名テーマパークに入ったは良いが、人の混雑さに嫌気が差したためにとある園内の喫茶店に留まっているのである。
よほどこの場所が落ち着くのだろう。
あまり訪れたことがない場所でのこういう場は砂漠の中のオアシスのようなものだ。
「ところでさ……君。なんだか変わったよね」
苦笑いを醸し出す彼女。絶対に裏がある顔だということは幾度となく話してきた俺の教訓から分かった。
「変わったって何だよ」
「印象というか、雰囲気というか……何かが変わったんだよね~」
「俺は俺だぞ?」
「そうだけど、殻を破った感じ?言葉に言い表すのは難しいな」
徐々に俺自身が抱えてきたものに迫ってくる。何度も考え続けたその問いに。
夕焼けがもう終わりを告げるだろう暗闇。太陽も最早見えない。
これが黄昏時というのだろうか。
淀んだ空気の中、俺は口を開く。
「そうだな……」
「うん?」
「変わったというなら多分変わったんだろうな。だからここにいるんだし」
比喩満載の俺の言葉を理解できるのはもう彼女しかいないだろう。
なぜかって?それは答えを知っているからだ。
「可愛くないなあ」
頬杖をつきながら、相変わらず苦笑いの彼女。
「そんな回りくどく言うより、直に言っちゃえばいいのに」
俺が気づくようにしむけた彼女に言われたくないというのが本音だが……(4~5話を見てねー)
だからこそ俺も反論する。
「それを言うなら、あの時言ってくれれば良いじゃないか」
「あっ、気づいてたんだあ」
笑いながらそう答える彼女。あの時――喫茶店で彼女の態度というか姿が違って見えたのは彼女自身がそう仕向けたせいだったのだ。
毎回、喫茶店に行って話をする。彼女は以前と代わり映えの無い状況に中場飽きていたのだ。
「そりゃあ気づくだろうな。特別なことはない?って言われれば誰でも察するだろ」
「でもね。まーだ答えは100パーセント合っているわけじゃないんだよねーー」
意外な顔をする俺。それが彼女の笑みをさらに促進する触媒となる。
「どういうことだ?ただ飽きてきたってことじゃないのか?」
「そんな私酷いことしないよ~」
笑顔から膨れっ面に変わる顔。
「大体私たち、こんな関係になってるのに一言も言ってないよね?」
恋愛という言葉に縁遠い俺にも、さすがに察してしまった。
二人。そんな関係を確かめるような一言。
「あっ、でも私はもう言ってたね」
「しかも今日言ったよ?ここに入った途端だけどね」
察した顔が再び険しい顔になってしまう。
「そんなこと言ったか?」
本日二度目の満面の笑み一杯で告げる。
「私、今日何頼んだっけ~?」
テーブルの上には二つのコップ。
俺はいつも通りのコーヒー。そしてもう一方は……
「なあに?」
思わず俺も笑みが溢れてしまう、こんなシリアスな雰囲気にそれは卑怯というやつだ。
「ああ、そうだな。アイスティーだ」
「せーいかーーい」
三度目の笑み。
俺にはここへ来たということよりも、この笑顔がかけがえのない思い出になった。
休憩場所として訪れたこの場所には、数えるほどの人数しかいない。
「なあ……もう半日はいるぞ……」
さすがに店側の配慮までするのは、俺の良心のせいだろう。
「ええーー、まだ出たくない……」
真っ向から反対する彼女。
もうお分かりだろうが……
俺達は某有名テーマパークに入ったは良いが、人の混雑さに嫌気が差したためにとある園内の喫茶店に留まっているのである。
よほどこの場所が落ち着くのだろう。
あまり訪れたことがない場所でのこういう場は砂漠の中のオアシスのようなものだ。
「ところでさ……君。なんだか変わったよね」
苦笑いを醸し出す彼女。絶対に裏がある顔だということは幾度となく話してきた俺の教訓から分かった。
「変わったって何だよ」
「印象というか、雰囲気というか……何かが変わったんだよね~」
「俺は俺だぞ?」
「そうだけど、殻を破った感じ?言葉に言い表すのは難しいな」
徐々に俺自身が抱えてきたものに迫ってくる。何度も考え続けたその問いに。
夕焼けがもう終わりを告げるだろう暗闇。太陽も最早見えない。
これが黄昏時というのだろうか。
淀んだ空気の中、俺は口を開く。
「そうだな……」
「うん?」
「変わったというなら多分変わったんだろうな。だからここにいるんだし」
比喩満載の俺の言葉を理解できるのはもう彼女しかいないだろう。
なぜかって?それは答えを知っているからだ。
「可愛くないなあ」
頬杖をつきながら、相変わらず苦笑いの彼女。
「そんな回りくどく言うより、直に言っちゃえばいいのに」
俺が気づくようにしむけた彼女に言われたくないというのが本音だが……(4~5話を見てねー)
だからこそ俺も反論する。
「それを言うなら、あの時言ってくれれば良いじゃないか」
「あっ、気づいてたんだあ」
笑いながらそう答える彼女。あの時――喫茶店で彼女の態度というか姿が違って見えたのは彼女自身がそう仕向けたせいだったのだ。
毎回、喫茶店に行って話をする。彼女は以前と代わり映えの無い状況に中場飽きていたのだ。
「そりゃあ気づくだろうな。特別なことはない?って言われれば誰でも察するだろ」
「でもね。まーだ答えは100パーセント合っているわけじゃないんだよねーー」
意外な顔をする俺。それが彼女の笑みをさらに促進する触媒となる。
「どういうことだ?ただ飽きてきたってことじゃないのか?」
「そんな私酷いことしないよ~」
笑顔から膨れっ面に変わる顔。
「大体私たち、こんな関係になってるのに一言も言ってないよね?」
恋愛という言葉に縁遠い俺にも、さすがに察してしまった。
二人。そんな関係を確かめるような一言。
「あっ、でも私はもう言ってたね」
「しかも今日言ったよ?ここに入った途端だけどね」
察した顔が再び険しい顔になってしまう。
「そんなこと言ったか?」
本日二度目の満面の笑み一杯で告げる。
「私、今日何頼んだっけ~?」
テーブルの上には二つのコップ。
俺はいつも通りのコーヒー。そしてもう一方は……
「なあに?」
思わず俺も笑みが溢れてしまう、こんなシリアスな雰囲気にそれは卑怯というやつだ。
「ああ、そうだな。アイスティーだ」
「せーいかーーい」
三度目の笑み。
俺にはここへ来たということよりも、この笑顔がかけがえのない思い出になった。
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