始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

1人同士の19時過ぎ(13)


その後、完全にビビった集団は、急いでお金を出した。

「紫央、こっちに来な」

まさか呼び出されるとは思っておらず、俺もビビりながら教室に入ると、集団は俺の姿を見て目を逸らした。


「はい、これ、紫央のお金。
元々は紫央が必死にバイトして稼いだお金なんだから、有効に使いな。

こんなクズどもに使ったら勿体なさすぎる」

「うん…ありがとう…」


「いや、私が勝手にやっただけだし。
別の用件で来たら、見たことある顔がとんでもなくクズだったことが発覚しただけよ」

「先輩…」

「あ?
先輩?誰それ?
私には人からお金巻き上げるような後輩いないんだけど。

というか、これで終わらせないから。
あんたら2人に関しては、部費を使い込んだの、知ってるからね」


その言葉に俺も周りも絶句。

「いや、あの、その」

「言ったよね?
私、アンタたちみたいなの、いらない」


ハッキリと区切った。
本当に切り捨てたんだ。

「じゃあね、紫央。
やっと、部費の使い込みをなんとかできるよ。
ありがとう」


そう言って、澪央は教室から出て行った。

ーーーーーー


「え、それで?
そのあとどうなったの?」

「その集団、全員が退学になりました」


今思えば、すごかったなあの出来事。


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