始まりは水曜日の15時過ぎ
1人同士の19時過ぎ(7)
蒼は基本的に誰かを否定することはない。
…自分のせいなんじゃないかってマイナスな方向に持っていってしまう傾向があるから。
「拒否することがない蒼としては珍しいですけど…、自信を持っていいのにって思ってしまいます」
「そうそう。
俺、一緒に仕事してて思うんだけどさ、逆にあいつの不足箇所ってなんだろうって思うんだよ。
普通だけど期限とか守らないやつではないし、言われたことは完璧にこなして、おまけに追加で求められる可能性がある内容は予め用意しているから、追加で頼まれた時はすでに出来上がってるし。
もう恒田のこともあって正体明かしたからアレだけど、正直、一時期は結構社内の人間が規定違反をしててさ。
それも通常業務と並行して証拠集めたりデータ収集したりを俺ら2人でやってたから、本当に忙しくて。
でもこんなことやってるのもバレないし、元々丁寧だから抜けがないし。
不足箇所ってないだろ、って思ってたんだけど…」
「けど?」
言葉を切ってしまったので不思議に思う。
どうしたんだろう?
「強いて言えば、あの、服に対する危機管理といったところかな…」
「あぁ…」
これまでのハプニングを思い出して頭を抱える俺。
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