始まりは水曜日の15時過ぎ
公表日の18時過ぎ(3)
「ありがとう。
ちょっと寒かったんだよね。
もらうね「俺がもらう」」
マグカップを取ろうとしたとき、横から紫央の手が伸びてきてそのまま飲んでしまう。
え、どうしたの?
喉渇いてたの?
「紫央、「望月さん、あなたとは一度お話ししなくてはいけないと思っていましたが…、まさか、妊婦にウイスキー飲ませようとするなんて思いませんでした。
ふざけんじゃねぇよ」
ドスのきいた声、というのはこの声だろう。
紫央が本当に怒っている。
驚いて望月くんを見たとき。
横にいた横川くんが動いた。
と、思ったら、望月くんを思いっきり殴った。
近くにいた同僚から、悲鳴。
何が起こったかわからない同僚はシンとしている。
待って待って、何が起きてるの…?
ウイスキーという言葉に、怖さで震えが止まらない。
もし飲んでいたら…って考えると怖くてたまらない。
「大丈夫、蒼、深呼吸して」
ギュッと抱きしめられる。
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