始まりは水曜日の15時過ぎ
連休前の12時過ぎ(12)
「あー、嬉しすぎる。
いいね、いいね。
蒼も、紫央も、よかったね、おめでとう」
「「ありがとう」」
こうして、なんとか澪央に報告を終えた。
この後、出向してきた人の情報を得るために資料などの確認があるらしい澪央は、先に席を立った。
「紫央、大丈夫?」
「ん?」
「部署の上の方のメンバーだけ、監査の人間が来て出向してきた人を調査するって話を聞いたの。
その人が挨拶に来るっていうから待ってたらまさかの澪央で。
ひさびさに会えた嬉しさで社食に来たら、紫央が来る5分くらい前に紹介したい人呼んだって言われて、来たのが紫央だったの。
緊張してたみたいだけど…大丈夫だった?」
あぁ、そういうことか。
自分も緊張してたはずなのに、俺の心配してくれるんだ。
「うん。
驚きはしましたけど。
まさか泣くと思ってなかったから驚きの方が大きかったかも。
澪央、蒼のことすごく好きみたいだった。
嫉妬しちゃってたよ」
「可愛かったよ?
唇噛む仕草があったから、嫉妬してるのかな?って思ったけど、やっぱりそうだったんだね」
恥ずかしい。
わかりやすすぎるでしょ俺。
頭を抱えると、彼女は笑っていた。
可愛い。
気を取り直して食べ始め、午後の始業ギリギリまで一緒にいた。
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