始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

連休前の9時過ぎ(4)


「たしかに話せるチャンスかも!
恒田さんってどんな人?」

その言葉に、みんな考える。
言っていいこととまずいことがある分、慎重にならないといけない。


「うーん、ものすごい後輩想いかな。
出来の悪い後輩でも見捨てないし、そういうやつが出来るようになったら一緒になって本気で喜んでくれる」

「そうそう。
俺も入社当時は結構ミスばっかだったけど、アドバイスしてくれたり気にかけてくれた。
野田は?」


「うーん、なんだろ。
全員を平等に扱うところが尊敬できるかも。
仕事の出来不出来で扱いが変わるわけでもないし、男女平等を好むから対等に接してくれるはず。

あとは、ものすごい努力家だよ」


本心だった。
弟目線というのを無しにしても、今まで関わってきた人の中ではずば抜けて努力家で、仕事ができる。

「へぇ。
なんか、野田だけ愛情こもった感じで言うじゃん!
ものすごい仲良さそう」

「そう?
まぁ、同じ部署だって言って話しかければ普通に話してくれるから行ってこいよ」


「おっけ!
行ってみる!
恒田さーん!」


早いなおい。
ちょうど戻ってきた澪央を見つけて駆け寄っていくそいつ。

言った通り笑顔で接してもらっていて嬉しそうだ。


よかった、口滑らせなくて。




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