始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

木曜日の20時過ぎ(11)


「野田さん、堂々と浮気ですか!?
なんで津田さんなの?
私の方が若いのに!」

「蒼さんが起きちゃうんで黙ってもらっていいですか?」


何この人…すごいうるさいじゃん。

「で、だって、の続きは?」

「だって、好きな女に抱きつかれて嫌な気はしないでしょう?」


横川さんの問いかけに、俺の腹を括った言葉。
その途端、周りが一気にざわめいた。


「どういうこと…?」

「浮気とか、若さとか、ちょっとわけわからないんですけど、俺、今、自分の彼女を抱きしめてるだけなので、何も後ろめたいことしてないです。

だから、その写真は澪央にでも見せればいい。
怒るとしたら、自分の大好きな親友が、自分の弟と付き合ってることをなんで早く言わなかったんだって感じだと思いますけど」


「「「「え!!!」」」」


「蒼さん?
帰りましょうか」

「紫央…?
ごめん、眠い…カバンの中に鍵入ってる」


紫央、と呼ぶ声に現実味が増したらしい。
一気に大騒ぎ。


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