始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

木曜日の20時過ぎ(10)


「え、どういうこと…?」

スマートフォンを強く握りながら、驚く彼女。


「だって、」

「おっけ、蒼さん、一旦、しー」


「しー、ふふっ」

「なんで笑ってんのほんと…」


またギュッと抱きついてきた彼女に、もう愛おしさしかない。

「横川さん、どれくらい飲んだんですか?」

「ウーロン茶と間違えてウーロンハイと、さっきのビールジョッキの半分かな」


また間違えたんだ。
というか、絶対誰かがわざと置いてる気がするんだよな。

「蒼さん、結構飲みましたね」

「ごめんね。
よろけたから思わず抱きついちゃったし、離れなきゃいけないってわかってるんだけどもう…睡魔が…」

「俺はいいですよ。
だって、って…寝ましたね」


耳元で寝息が聞こえてくる。
注目も浴びてるし、ここは腹を括るしかない。



コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品