始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

火曜日の12時過ぎ(18)


「まず、トマトは…まさかバレてると思わなかったんですけど、あまり得意ではないんですよ。

次に照れるのは、蒼さんがからかってくるから。
めちゃくちゃ好きなので、ちょっと心臓が落ち着かないんです」


「胸も好きなの?」

「ごほっ、ごほっ…すごいストレートに聞きますね。

初めて会った日は、抱き留めたこともあって柔らかさに驚きました。
海ではビキニってこともあって、さらに薄着だったので…その、大きさにびっくりしたんです。

で、この前の夜は…やめましょう、なんでもないです「言いなさい」


…、触り心地と、素肌での抱き心地が良すぎたと言いますかなんと言いますか…「触りたいんだ」違います!

その、なんと言うか…「触りたくないの?」いや、触りたくないと言ったら嘘になりますけど…」


完全に顔を覆ってしまった。
耳まで赤いことから、相当恥ずかしいらしい。

「ほらね、可愛い」

「急にお姉さんな感じ出してくるのずるいでしょ…もう」


「紫央、誰もいないから抱きついていい?」

「いいですよ。
その代わり、キスさせてください」


そう言った彼は、扉からは死角になる場所に私を引き連れて歩いて行った。

そのままギュッと抱きしめると深い口付け。

たまに漏れ聞こえる吐息と名前を呼ぶ声に、このままでいたい、と思ってしまった。



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