始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

火曜日の12時過ぎ(12)


「そっちは部署内での恋愛とかあるんですか?」

「こっちの外見的トップがこのお2人なんですけど、狙って玉砕とかしか聞かないですね。

あとは、何かあっても多分隠してるのかと思います」


このお2人、というのは横川さんと蒼さんだ。
まぁ、美男美女だけど…。

「俺、そんなことないでしょ。
あの子、今年入社した唯一の男子もかなりイケメンじゃない?」

「あー、確かにそうかも。
男性のツートップですね」


蒼さんがポカンとしている。
絶対誰のことかわかってないパターンじゃない?これ。

「(おい、キリッとしてろ。
誰かわかんない感じ丸出しだぞ)」

「(そんな子いた…?)」

「(一旦、静かにしてろ)」


横川さんに言われて考える素振りを見せているが、絶対にわかんないやつでしょ。

手にとるように分かるからか、めちゃくちゃ可愛く見える。


「私もないよ。
私が入社した頃は、男性陣の方が多くて、ナメられないように必死だったからね…」

「そうだったな。
津田の場合、たまたまプロジェクトの欠員に補充される形になったから、毎晩遅くまで勉強してたイメージある」


いやいや、なんて言いながら困ったように笑う彼女。

努力家なんだ。

ますます好きになる。



コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品