始まりは水曜日の15時過ぎ

緑川まい

火曜日の12時過ぎ(10)


「え、なんて言ったんです?」

「「女だからって人のことナメてる暇があったら、自分の語学力磨いてこいよ、クズが」」


こちらのメンバーの何人かが声を揃えて言うと、あちら側がみんな絶句。

でしょうね、そうなるよね。
俺もビビったもん。

「すげぇな」

「確かに、その出向してきた人は全然ダメで。
結構各所迷惑かけてたから、正直、よく言ってくれた、って感じでしたよ。

そのトップはめちゃくちゃ努力家で、男っ気ない、って言われてたんですけど、実は結婚してて。
それが発覚したのも、何かの飲み会のタイミングだったかな。

お前みたいな気の強い女は行き遅れるぞーって、酔った上司から今じゃありえない言葉が飛んで。

それに対して、すでにいい男の元に嫁いでるんで間に合ってます、って。

もう、何から何までかっこよくて。
あそこで一気にファンが増えましたよ。

で、今は旦那さんについて行ってアメリカにいます。

その伝説の女性が、そこにいる野田の姉ですよ」


周りの目が一斉にこちらを向く。
でしょうね、そうなると思ってた。


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